『カタワレ』(佐藤千亜妃)の音域

★hiA[ああ、ち]ぐはhiE裏[ぐ]hiD[な]感情が 呼び覚A[まし]てゆくラブストーリー【サビ】

　まず、佐藤千亜妃（さとうちあき）さんについて少し説明します。佐藤千亜妃さんは、2007年より活動する女性シンガーソングライターです。2007年にロックバンド・きのこ帝国を結成し、2015年にはメジャーデビュー、2019年の活動休止まで勢力的に活動いたしました。佐藤さんはバンドの中で、ボーカル＆ギター、作詞作曲を担当しており、バンド自身も大きな支持を集めておりました。
　バンドの活動休止後、佐藤さんはソロとして歌手活動を本格化させていきます。2018年には、EP作品『SickSickSickSick』がリリース、2019年にはアルバム『PLANET』がリリースされました。2021年には、初のドラマ主題歌『カタワレ』を書き下ろしました。


　さて、『カタワレ』についてです。この楽曲は、2021年に女性シンガーソングライターの佐藤千亜妃さんによりリリースされたデジタルシングル作品です。新曲ということもあり、アルバムにはまだ収録されておりません。
　この楽曲は、ドラマ『レンアイ漫画家』のために書き下ろされました。佐藤さんとしては初のドラマ主題歌の書き下ろしになります（きのこ帝国での活動も含めて初だと思います）。

　『カタワレ』はアップテンポのバンドナンバーです。ドラマの主題歌ということもありストリングスが用いられております。佐藤さんの作品としてはかなり明るく、多くの人に届きやすいポップな作品ではないかと思います。
　歌メロについては、AメロサビCメロといった形で作られており、全体として聴きやすいです。歌詞も私自身、非常に耳に残ります。編曲は、河野圭さんによりなされております。河野さんは、これまで多くのミュージシャンのアレンジに携わってきました。とりわけ『First Love』などに宇多田ヒカルさんの初期の楽曲でアレンジを担当しております。


　※最後に、『カタワレ』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内であります。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiBはAメロとCメロで登場します。回数としては多めですが、この辺りは一般的な女性の音域の範囲内であります。多くの人が原曲キーでもチャレンジしやすいのではないかと思います。ただ、hiB,hiAなどが楽曲全体で登場しますので、歌い慣れていない人や高音域が苦手な方などは少しキーを下げてもよいと思います。

　『カタワレ』は低音域に少し余裕があり、キー調整もしやすいです。普段歌い慣れていない人向けのキー調整も可能です。同曲は、リズムやメロなどで難しい部分も少ないですので、練習曲としても使いやすいのではないかと思います。個人的には歌詞などもよく、お奨めしたい1曲です。

　『カタワレ』は地声最高音自体はそこまで高くないのですが、曲全体を通してhiA,hiBなどが多く登場しますので、ある程度持久力も要求されます。「同曲を歌っていると、途中で疲れてくる」などの場合は、少しキーを下げるなどしてもよいかもしれません。ただ、音域的には手を付けやすく、努力も報われやすい楽曲だと思います。