こんにちは。今回はクリスタルキングの『大都会』(1979)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です(Acid Black CherryとDAIGOさんのコラボ曲の方にリクエストが来ました)。
なお、『大都会』はアーティストおよびレーベルの公式チャンネルでは音源やミュージックビデオが公開されておらず、またストリーミングなどでも配信されていないようです(ABCのカバーなどは配信されております)。ただ、この『大都会』はサビのハイト―ンが印象的な作品であり、今でも多くの人に愛されております。高音域に興味がある男性などは、クリスタルキングの他の作品を含め、どこかで視聴してみることをおススメします。
『大都会』(クリスタルキング)、Daitokai(Crystal King)
【地声最低音】mid1E(E3) ※低音パート
★m1E–m1F#[裏]切]りの言m2E[葉]に 故郷[を]離れ わずかな望み1E[を]【Aメロ】
★m1E–m1F#[も]とめ] さすらう俺なのさ
【地声最高音】hiC(C5) ※全体で5回
★あhiB-hiA[ぁ]果てし[な]い 夢を[追い]つ[づ]B–hiC[け[ぇ]ぇ][ぇ]【サビ】
★(Run Away Run Away) いhiA–hiB–hiC[ま[駆け[て]ゆ]く]【2,3回目のBメロ】
【補足】mid2G~hiBを含むフレーズ一覧
★(あーいつの日か) m2G–hiA[大空[かけ]め[ぐ]る]ぅ【サビ】
★交わすm2F#[言葉も寒]い このhiA–m2G[ま]ち]【Bメロ】
★これm2G[も]さだ[め]hiA[と] 生きてゆA–G[く]の]か
★RunA[way] m2G Run A[way] G[い]hiA–hiB[ま[駆]け][ゆ]く[ぅ]ぅ
★(Run Away Run Away) いhiA–hiB–hiC[ま[駆け[て]ゆ]く]【2,3回目のBメロ】
まず、クリスタルキングについて少し説明します。クリスタルキングは、現在はムッシュ吉﨑さんのソロプロジェクトとなっておりますが、1979年のデビュー当初はツインボーカルによる7人組ロックバンドとして知られておりました。今回取り上げる1979年の『大都会』がデビュー曲として大きくヒットし、広く知られるようになります。その後、『蜃気楼』や『セシル』といったヒットシングルを世に送り出し、人気バンドとしての地位を確立していきます。
クリスタルキングは『セシル』といった山下三智夫さんがボーカルを務めたヒット曲もありますが、一般的には低音パートのムッシュ吉崎さん、高音パートの田中昌之さんによるツインボーカルが良く知られております。今回取り上げる『大都会』や、アニメ『北斗の拳』のOP曲にもなった『愛をとりもどせ!!』などでは、存分に2人による表現を味わうことができます。今のなお多くの人に愛され続ける人気バンドです。
さて、『大都会』についてです。この楽曲は、1979年にロックバンド・クリスタルキングによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、1980年の『クリスタルキング』に収められております。ちなみに、同アルバムのラストに収録されている『AN END』は、インスト作品でボーカルはフェイクのみとなっており、高音パートの田中さんのハイトーンをこれでもかというほどに楽しめる作品となっております。
『大都会』はゆったりとしたテンポのバンド曲です。イントロなどが印象的であります。歌メロについては、頭サビでメロが始まり、AメロBメロが2回展開したのちにサビへと展開します。ムッシュ吉崎さんのドスの利いた低音ボーカルと、ハードロック色の強い田中さんのハイトーンボーカルが印象的です。2010年には、Acid Black CherryとDAIGOさんが同曲をカバーしており、yasuさんが高音パート、DAIGOさんが低音パートを担当されました(原キーで歌唱されております)。
『大都会』の音域的な特徴についてです。同曲は、高音域については、男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。
一方で、同曲はツインボーカルということもあり、音域が広めです。そのため、高音域を一般的な男性が歌いやすいレンジに調整すると、逆に低音域が歌いにくく感じられるかもしれません。また、同曲のサビは、ハイトーンが非常に活きやすいです。そのため、なるべく原キーに近いレンジで歌いたいという考えられている方が多いのではないかと思います。
ちなみに、同曲を女性が歌う場合、通常はキーを上げた方が歌いやすそうです。同曲は広瀬香美さんや島津亜矢さんなどがカバーされているのですが、2人は2~3つ程度キーを上げております(#2~#3)。この辺りだと最高音がhiD,hiD#辺りになるのですが、一つの参考になると思います。
最後に『大都会』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1Eについては、Aメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、人によっては少し歌いにくく感じられるかもしれません。また、女性にとってはかなり低いレンジになりますので、通常はキーを上げた方が良さそうです。
次に、地声最高音hiCについては、サビやBメロで登場します。登場回数は5回程度ですが、いずれもhiBとのコンボになっております。また、同曲はサビではhiA~hiB辺りが頻出であり、しかもロングトーンが多いです。そのため、一般的な男性にとってはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。
『大都会』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、音域自体がかなり広い作品ですので、歌い慣れた人がキー調整をしたとしても、一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
また、同曲はサビのハイトーンが印象的な作品でもあり、これまでもカバーのみならず、CM曲などで使用されたり、パロディーにされたりしております。そのため、キー調整するにしても、田中昌之さんのようなハイトーンを目指したいという方が多いのではないかと思います。
『大都会』を原曲キーで歌唱する場合、hiBのロングトーンやhiC等をしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは男性の音域としては高いです。そのため、原曲キーだと「高音域が(非常に)得意な男性」などがマッチしやすそうです。
また、原曲のように低音パートと高音パートに分けて2人で歌うのもよいかもしれません。その場合、「標準的な音域の男女2人」で役割分担することも可能だと思います。
『大都会』はリリースから40年以上経過しておりますが、今もなお歌い続けられる人気曲であります。また、高音域が得意な男性などは、サビの高音域を歌いたい衝動に駆られやすいのでないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。
コメント
昭和のハイトーンと言えば真っ先にこの曲が思い浮かびます。mid2Gまでで作られる曲が多い時代にこのキーで歌ってるのは特異だと思います、(そういう意味では『かなり高い』としても良い感じがしました)
今回ABC版でリクエストしたのは、yasuは声質からしてこれくらいのキーも割と適正なのかなと思ったからです。
同アーティストの『愛をとりもどせ!!』も知りたいです。(こっちの方が自分はよく歌いますw)
コメントありがとうございます。
そうか。「昭和のハイトーン曲」という言葉を使えばよかったですね。
「高い」は今基準で書きましたw
今は喉を壊されたそうですが、田中さんはソロとかでもかなり高音域を使いこなしてたそうですね。
yasuさんはソロでやられてるので、その分余白を持っているんだと思います。
ツインボーカルとかボーカルグループだったら、hiC位は全然歌える人だと思います。
『愛をとりもどせ』リストアップしておきます。
先ほど、外国人のクリキンファンの方からリツイートいただいて、
その方に「『愛をとりもどせ』取り上げます」って言ってしまったのです。
いいタイミングでリクエストが来て助かりました。
最近の曲を歌った後にジャンヌ歌うと、意外と高くないと正直感じてしまうのですが、それだけボーカルのキーが異常に上がってるのでしょうね。愛をとりもどせは以前もリクエストを何度も迷いました
あとこの曲カバー版だけサブスクで聞けるんですね、カバーがそんな生き方をするのは予想外です、サブスクはなんでも聞けそうな印象がありますが、古いとはいえここまで有名な曲がないのは意外で、穴はあるんですね(逆に最近の曲は、マイナー目な曲ですら何でもありそうで、サブスクやってない側からするとやるのを検討する時があります)
大都会は150万枚くらい売れてるらしいのですが
サブスクに無いんですよね。少し驚きました(なぜか「愛をとりもどせ」はある)。
ABCのカバーアルバムの中でも原曲が結構入ってないですね。
昔の曲は権利関係の整理がなかなか進んでないらしいです。
最近昔の曲にハマっていて、大都会聞いてたのですが、、本当にいい歌ですよね。しかしこの地声hiC、ミセスより至難の技だなって思いましたw
やまさんありがとうございます。
『大都会』は地声でのロングトーンが多いので大変ですね。
ミセスとはまた違った難しさがありますね。