『ランデヴー』( シャイトープ ) の 音域

　まず、『ランデヴー』についてです。この楽曲は、２０２３年に３人組ロックバンド・シャイトープによりリリースされたシングル作品です。『誘拐』との両A面シングル曲としてリリースされました。結成間もないバンドですので、アルバムには未収録です。

　シャイトープは大阪在住の３人組バンドです。大学の部活動の仲間同士で２０２２年６月に結成され、これまではシングル曲中心に楽曲をリリースしてきました。今回取り上げる『ランデヴー』がSpotifyのインディーズチャートで１位を記録する等、特に注目を集めております（最近は主要チャートの上位にも位置する）。今後の益々の活躍が期待される若手バンドです。


　さて、『ランデヴー』はスローなバンド曲です。全体的にメロディアスであり、AメロBメロサビと展開します。ラストサビでは転調しキーが２つ上昇しますので、カラオケなどでは注意が必要そうです。作詞作曲はボーカル＆ギターの佐々木想さんによりなされました。

　『ランデヴー』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。音域が広くキー下げしにくいのですが、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲はAメロBメロは中低音中心で、サビでは盛り上がり、中高音域が多く登場します。そのため音域が広く、低音～高音まで要求されます。ただ、hiA以上の音階が多く登場する場面はラストサビ後半であり、終盤まではおおむね標準的といえます。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。ただ、今回の楽曲は音域自体がかなり広いため、歌える人が限定される作品になるかもしれません。



　最後に『ランデヴー』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1BはAメロで登場します。この辺りは男性の音域としても比較的低めであり、「高音域が得意な男性」だと少し歌いにくいかもしれません。場合によってはキーを上げるのも選択肢です。

　次に、地声最高音hiBはラストサビで登場します。登場回数は１回のみです。このhiBに次ぐ地声高音としては、ラストサビを中心にhiAが６回程度登場します。そのため、楽曲の終盤辺りは男性の音域よりは高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください（今回は音域が広いため、低音が少し歌いにくくなる）。


　『ランデヴー』は低音域に若干の余地があり、キー上げは可能です。ただ、今回は低音が低めであるため、大きなキー下げには向きにくく、歌い慣れた人であっても、もしかしたら難しい場面が出てくるかもしれません。
　同曲はメロディー自体は親しみやすいです。そのため、音域が合う人であれば、練習曲には使いやすいといえそうです。

　『ランデヴー』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiBといった地声高音をしっかり歌いこなせる力が求められます。通常のサビではmid2E～mid2F#辺りが高音の中心となりますが、ラストサビではmid2F#～hiAが中心になります。一方、低音域はmid1B,mid1D辺りが見られます。
　こうしたことを踏まえると、「標準より高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。




【まとめ】

①ABメロは中低音中心、サビでは中高音が増える（音域が広い）
②原キーだと「標準より高め～ある程度高音域が得意な男性」向け
③メロディー自体は分かりやすく、覚えやすい