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『Out of Time』(The Weeknd)の音域 [2022年の作品]

こんにちは。今回はThe Weekndの『Out of Time』(2022)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、『Out of Time』は楽曲終盤にラジオパーソナリティの声のようなナレーションが収録されております。この場面については、音域調査から除外しております。


『Out of Time』(The Weeknd)
『Out of Time』(The Weeknd)の音域






【地声最低音】mid1G(G3) ※重要度としては低め

★The last few months, I’ve been workin’ on m2A#[me, ba]by【Aメロ】
★There’s so much trau[ma]m2F i[n my]m2A#  life
★If you don’t trust him a little m1G[Then] comeright back, girl, come m2F[right] back【2番Aメロ】


【地声最高音】hiC(C5)  ※曲全体で6場面


★Now I can’t m2F[keep] m2G[you] hiA#[from] [lo]ving him [You made] up A#[your] hIC地[mind]【Bメロ】
hiA#hiC[Sa[y] that [I’ll]m2G[care] for you,( but I’m out of time)【サビ】


【裏声最高音】hiC(C5) ※Bメロで登場


hiA#hiC裏[And [I remem]ber when] m2G[I] A#C[held [yo]u]【Bメロ】
m2G[You begged me with] hiA#[your] hiC[drowning] [eyes] to stay


【補足】mid2FhiA#を含むフレーズ一覧

m2Fm2G[Sa][y] m2G#[I] G[love] [you], girl, but [I’m out] hiA#[of] G[time]【Bメロ】
★Said I’m too m2G[late] m2F[to] make hiA#[you] GF[mi]ne]【サビ】

★If he mess up just a li[ttle]m2F m2A#[Baby, you know] my line【2番Aメロ】
★And I’ll love m2F[you] m2G[like] hiA#[I] [shoul]da loved you [all] the time

 まず、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)について少し説明します。The Weekndは2010年より活動するカナダ出身の男性シンガーソングライターです。2012年にリリースされたコンピレーションアルバム『Trilogy 』(トリロジー)が大きなヒットを記録し、人気アーティストとなりました。ちなみに、2018年の初来日公演では、米津玄師さんがオープニングアクトを務めております。
 The Weekndは従来のR&Bと異なる新しい「オルタナティブR&B」の確立に大きく貢献したアーティストの1人と言われております。2022年には今回取り上げる『Out of Time』を含めた新アルバム『Dawn FM』がリリースされてました。2010年以降の大きなポップスのトレンドを作り上げた男性シンガーソングライターです。


 さて、『Out of Time』(アウト・オブ・タイム)についてです。この楽曲は、2022年に男性シンガーソングライターのThe Weekndによりリリースされたアルバム『Dawn FM』に収められております。アルバムリリースの直後にシングルカットもされました。

 『Out of Time』は落ち着いたR&B、シティ・ポップナンバーです。同曲は、1980年代にリリースされた亜蘭知子(あらんともこ)さんの楽曲『MIDNIGHT PRETENDERS』がサンプリングされております。私自身はこの事前情報がない状態で同曲を視聴し、「どことなく1980年代くらいの日本のポップスに近いな」という印象を持っていました。近年は、日本のシティ・ポップが世界から大きな注目を集めておりますが、そうしたトレンドを決定づける楽曲と言えるかもしれません。また、80年代に青春時代を過ごされた方は懐かしさも感じるのではないかと思います。
 ちなみに、『MIDNIGHT PRETENDERS』は作詞を亜蘭知子さん、作曲を織田哲郎さん、編曲を西村麻聡さんが担当し、『Out of Time』では亜蘭さんと織田さんの名前もクレジットされております。
 
 『Out of Time』の音域的な特徴についてです。同曲は、hiCが登場するなど、男性としては高いレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。音域的には、女性の方が原曲キーで歌いやすいかもしれません。


 最後に『Out of Time』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Gは2番Aメロで登場します。このmid1G辺りは一般的な男性の音域の範囲内であるため、発声自体は難しくないと思います。ただ、「最低音がmid1Gの男性曲」は高い確率で、男性曲としてはキーの高くなります。この『Out of Time』もその典型であるため、男性にとっては原曲キーで歌うのが難しい作品です。逆に、女性の場合は、原曲キーでも歌いやすいと思います(人によってはキーを上げた方がよい)。

 次に、地声最高音hiCについては、Bメロやサビで登場します。登場回数は6~8回程度です。このhiC辺りは一般的な男性の音域としては高いため、キーを下げた方が歌いやすいです。ただ、一般的な男性の音域に調整するには大きなキー下げが必要になるため、違和感を感じる方も多いかもしれません。


 『Out of Time』は低音域に余裕があり、キー下げはしやすいです。そのため、歌い慣れていない人向けの調整もある程度可能であります。ただ、同曲は英語詞であり、リズムなどが難しい部分もあります。音域面以外の点でビギナーには向きにくいかもしれません。また、大きなキー下げが必要になるため、その点で違和感を持つ方も多いと思います。

 『Out of Time』を原曲キーで歌唱する場合、hiCなどの高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。また、裏声などの発声も必要不可欠になります。そのため、「一般的な女性」や「高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいです。一つの目安ですが、男性の場合は、UVERworldやOfficial髭男dismなどを歌える方などは挑戦しやすいかもです。

 『Out of Time』はいわゆる「チル」なR&B曲であり、カラオケで盛り上がる類の曲ではありません。ただ、高音域が得意な男性などは表現面で参考になることも多いと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. dust bank より:

    リクエストお応えして頂きありがとうございます。
    高音域の魅力がやはり凄まじいと思います。

    ちなみにこの曲のセリフを含めた多くの部分は
    ジムキャリーが務めていて割と豪華です。

    またThe Weekndによって日本のシティポップが
    ある程度評価されたような気がして嬉しいです。
    日本文化への興味が散見される彼なので、また今回のようなサンプリングをしてくれるかも、です。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      英語版のWikipediaだとより詳しいですが、高音が高いんですよね。

      ヴァンパイアウィークエンド辺りも細野晴臣さんの曲をサンプルされてましたよね。
      The Weekndも今後また、日本に縁のあるような作品が作られることを期待しましょう。

      他のリクエスト曲についても少しずつ記事にしていきます。