『貴方の恋人になりたい』( チョーキューメイ ) の 音域

★すてhiC#–hiD#裏[き[な]横顔のD#[せ]いhiC#地[で]【2番Aメロ】
★話しかけることが出来hiB[ない] hiC#裏–B[で]も]

　まず、『貴方の恋人になりたい』についてです。この楽曲は、２０２２年に４人組ロックバンド・チョーキューメイによりリリースされたアルバム『するどいささくれ』に収録されております。同アルバムには、『3月の花嫁』、『リンカーネーション』、『She Side Blue』といったシングルが収録されております。とりわけ、『3月の花嫁』は人気漫画を原作としたドラマ『あせとせっけん』に主題歌に起用され、バンドの知名度が上昇しました。

　さて、今回取り上げる『貴方の恋人になりたい』は非シングル曲であるにも関わらず、最近はTik Tokで話題となっております。それに伴い、ストリーミングランキングでも上位にランクインするようになり、バンドのYouTubeチャンネルでもMVが公開されました。楽曲自体は２０２２年のアルバムの１曲ですが人気が高く、バンドの知名度も大きく上昇しております。


　『貴方の恋人になりたい』はミドルテンポのバンド曲です。ピアノを基調としたナンバーであり、イントロなども印象的です。歌メロは構造上AメロBメロサビと展開しますが、Bメロはサビのオク下げになっております。私自身はまだチョーキューメイの楽曲を広く深く聴き込んだわけでないですが、バンドの中ではクリアかつシンプルなサウンドであり、ボーカルの良さが目立ちやすくなっております。作詞作曲はボーカル＆ギターの麗さんによりなされました。

　『貴方の恋人になりたい』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては「高め」、もしくは明確に「高い」レンジで歌メロが作られております。一般的な女性の場合は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲はラストサビでは地声のhiD#が多く見られます。一方、ラストサビ以前までは、地声高音としてhiB辺りが多く登場します。また、全体として裏声が多用されているため、器用な裏声発声は不可欠となりそうです。



　最後に『貴方の恋人になりたい』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiD#(D#5)、【裏声最高音】hiF#(F#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高め（もしくは明確に「高い」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1G#はBメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。私なりの印象ですが、ある程度高音域が得意な女性も歌唱可能なのではないかと推測しました。

　次に、地声最高音hiD#はラストサビおよびその直前で登場します。登場回数は8回程度です。このhiD#は女性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください（♭２程度）。
　一方、同曲は通常サビ（ラストサビの2回目も）では同じメロを裏声で歌唱しております。そのため、hiD#辺りを地声で安定させるのが難しい女性は、通常サビと同じように裏声で歌唱するのもよいと思います。裏声を器用に使いこなすのであれば、原曲キーでの歌唱も可能なのではないかと私は推測しました（厳密にいうと原曲の表現とは少し異なりますが）。


　『貴方の恋人になりたい』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。そのため、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができると思います。
　一方、同曲は裏声が非常に使われております。そのため、器用な裏声発声は不可欠であり、その点で慣れない人は難しく感じるかもしれません。ただ、裏声は比較的努力が報われやすいため、少しずつ練習をしてみてください。

　『貴方の恋人になりたい』を原曲キーで歌唱する場合、hiA#～hiD#といったレンジを地声でしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように、高音域が苦手な人はラストサビの地声hiD#を、通常サビと同じく「裏声」で歌唱するのもよいと思います。ただ、いずれにしても器用な裏声発声は不可欠になります。
　こうしたことを踏まえると、「ある程度高音域が得意な女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。ラストサビの地声hiD#を裏声で歌唱する場合は、「標準的な音域の女性」などもチャンスがあると思います（裏声の器用な使い分けは不可欠です）。その辺りは、実際に歌唱してみてください。


　『貴方の恋人になりたい』は真っすぐなラブソングであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。今回は「裏声と地声の器用な使い分け」という点でも参考になりそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。