『MONSTER DANCE』( KEYTALK ) の 音域

　まず、『MONSTER DANCE』（モンスター・ダンス）についてです。この楽曲は、２０１４年に４人組ロックバンドKEYTALKによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年に『HOT!』に初収録されました。同アルバムには、『FLAVOR FLAVOR』、『桜花爛漫』といったシングル曲が収録されております。『桜花爛漫』はアニメの主題歌としても知られております。

　さて、『MONSTER DANCE』はアッパーなバンド曲です。同曲は大きなタイアップがあったわけではないですが、KEYTALKでも特に人気の高い１曲でライブでも定番となっております。KEYTALKの楽曲の中ではストリーミングでもよく再生されており、カラオケでも人気の高い１曲といえます。レーベルの公式チャンネルで公開されているミュージックビデオも２０００万回程の再生回数を記録しております（２０２３年７月現在）。


　『MONSTER DANCE』はアッパーなバンド曲です。歌メロはAメロBメロサビと展開しますが、2番は1番を踏襲せずに展開します。そのため、全体的にメロの種類が多く、４分半という演奏時間で密度の濃い展開をします。KEYTALKの多くの楽曲に言えますが、同曲もボーカルが２人ということもあり、メロとメロの間隔が短い場面も多く、１人で歌うと息継ぎなどが大変そうだと私には感じられました。場合によっては、複数人で歌うのもよいかもしれません。

　『MONSTER DANCE』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高め（もしくは明確に「高い」）レンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は、全体を通してmid2E以上の中高音を含むメロが多いです。とりわけ、サビとその近辺ではhiAの登場回数が多いです。息継ぎが大変そうな場面もあるため、1人で歌う場合は体力的に辛くなりやすいかもしれません。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。『MONSTER DANCE』は、２０２０年にアイドルマスターシリーズのアルバムで双海亜美（CV下田麻美）がカバーしております。その中では原曲キーよりも１つ高いキー（mid1F(F3)～hiA#(A#4)の声域）で歌唱されております。この辺りが１つの目安のなるのではないかと想定されます。



　最後に『MONSTER DANCE』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「高め」です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1EはＡメロ、Ｂメロ等で登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。高音域が非常に得意な男性だと若干低く感じやすいかもしれません。また、女性の場合はかなり低いため、少しキーを上げた方が歌いやすいと思います。

　次に、地声最高音hiAはＢメロやサビで登場します。副旋律も含めると、登場回数は５０回とかなり多いです。そのため、最高音hiAの男性曲の中ではかなり大変であり、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『MONSTER DANCE』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ある程度歌い慣れた人であれば、自分が得意とするレンジに調整することができそうです。一方、同曲はメロとメロの間隔が短いなど歌いにくそうな部分もあります。そのため、ビギナーなどはもしかしたら歌いにくい部分が出てくるかもしれません。もしキーを調整しても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。

　『MONSTER DANCE』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F～hiAといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは男性の音域としては高めです。また、先述のように、今回はボーカルが２人ということもあり、息継ぎが大変な場面もあります。
　こうしたことを踏まえると、「(ある程度)高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。原曲では寺中友将さんと首藤義勝さんの２人がメインボーカルを担当しています。そのため、カラオケなどで歌う際、複数人で歌うのも良さそうです。


　『MONSTER DANCE』はこの季節に合いそうな夏らしいバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います（1人で歌うのは大変かもですが）。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。