『Sugar』(マルーン5[Maroon 5])
【地声最低音】mid1G#(G#3) ※Dメロで顕著
★Yeah m1G#[I want that red velvet, I want that sugar sweet]【Dメロ】
※厳密にいうとBメロ辺りでも瞬間的に登場します
【地声最高音】mid2F(F4) ※Bメロで多い
★I don’t wanna be m2F[needing your love] I just wanna be [deep in your love]【Bメロ】
★And it’s killing me m2F[when] you’re away
※副旋律を含めるとラストサビでm2F#辺りが登場
【裏声最高音】hiE(E5) ※サビで頻出
★Won’t you hiE[come] hiD#[and put] hiC#[it down] D#[on] [me?]【サビ】
★Yeah, you hiE[show] hiD#[me good] hiC#–D#[lo[ving]【ラストサビ】
【補足】mid2E~hiC#を含むフレーズ一覧
★m2E[I’m] hurting baby, E[I’m] broken down【Aメロ】
★hiC#裏–hiA#[Su]gar], C#[yes], please]【サビ】
★Yeah, you m2E[show] me good loving, [make] it alright
★I m2G#裏[gotta be] m2F[a man], G#[there ain’t no o]ther way]【Dメロ】
まず、『Sugar』(シュガー)についてです。この楽曲は、2015年にロックバンド・マルーン5[Maroon 5]によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされた『Ⅴ』に収録されました。同アルバムはバンド5枚目のフルアルバムであり、『Maps』や『Sugar』といった人気曲が収録されております。世界的に大きくヒットし、日本でも出荷ベースで10万枚のセールスを記録しました。
マルーン5は2001年より活動するロックバンドです。全世界のトータルセールスが1億枚を超えるなど、2000年代以降のバンドとしては特に大きな成功を収めたバンドの1つです。先述のように、日本国内でも人気が高く、アルバム・シングルともに海外のミュージシャンとしては大きなセールスを記録しております。
同バンドのジャンルとしては、ポップロック、ダンスポップ、ネオソウル、ファンクロックなどに属します。個人的には、最近の日本のロックにも大きな影響を与えたバンドの1つではないかと感じます。
さて、『Sugar』はミドルテンポのノリのよいダンスポップ、ファンクロックです。同曲は、先述のようにアルバム『Ⅴ』の先行シングルとなっており、日本でも大きなヒットを記録しました。配信ベースでは25万ダウンロード、ストリーミングでも5000万再生を記録し、日本レコード協会よりそれぞれプラチナ認定、ゴールド認定がなされております。
ちなみに、同曲の制作には男性シンガーソングライターのマイク・ポズナーさんが関わっております。元々はポズナー氏が自身の楽曲としてリリースする予定でしたが、アルバムのリリースが滞り、最終的にマルーン5の楽曲として制作・発表される運びになりました。同曲のコーラスにはポズナー氏も参加しております。
『Sugar』の音域的な特徴についてです。同曲は地声レンジについてはおおよそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。ただ、メロは全体としては高音寄りのため、人によっては少しキーを下げた方が安定しやすいかもです。
一方で、同曲の特徴的な点は、サビの裏声です。同曲では「ヘッドボイス」といわれる地声感のある強い裏声が多用されております。そのため、裏声でhiE,hiD#といった音階が頻出します。ただ、ヘッドボイスが使われる場面はサビが主であり、裏声と地声がめまぐるしく入れ替わるといったことはありません。そのため、ヘッドボイスの練習には非常に使いやすい楽曲かもしれません。Mrs. GREEN APPLEやKing Gnuの楽曲の練習にも参考になると思います。
ちなみに、同曲は低音がmid1G#辺りと男性曲としては高いです。そのため、理論上は女性が原曲キーで歌うことも可能です。ただ、女性の得意なレンジを考えると、通常はキーを上げた方がより歌いやすいと思います。
最後に『Sugar』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)~【地声最高音】mid2F(F4)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。地声については、一般的な男性の音域の範囲内、裏声は高いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1G#はDメロで顕著で、連続的に登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。一方、今回のようなmid1G#は女性が歌う場合はかなり低音感があります。そのため、女性の場合は、通常はキーを上げた方が歌いやすいと私は分析しました。
次に、地声最高音mid2FはBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回は登場回数が多く、メロ全体を見てもやや高音寄りです。そのため、人によっては少しキーを下げた方が歌いやすいかもしれません(原キーがマッチする人も多いと思います)。各々実際に歌唱してみてください。
同曲は、先述のように、サビのヘッドボイス(強い裏声)が顕著です。裏声はhiE辺りになると人によっては発声しにくい可能性がありますので、最初はキーを下げるのもよいのではないかと思います。ただ、裏声は地声に比べ、克服しやすいですので、気長に取り組んでみてください。
『Sugar』は低音域に余地が多く、キー下げはしやすいです。そのため、キー下げの融通は利きやすく、歌い慣れた人であれば、自分が得意なレンジに調整することができそうです。
一方、同曲は先述のように、サビで裏声が多用されております。このヘッドボイスはしっかり歌い慣れていないと歯が立たないのではないかと思います。そのため、キー調整を考慮しても歌い慣れた人向けの作品であり、とりわけヘッドボイスの取得が必須となります。その点は留意しておいてください。
『Sugar』を原曲キーで歌唱する場合、地声レンジはmid2D#~mid2F辺りが高音の1つの基準となります。一方、同曲はヘッドボイスでhiE,hiD#といったレンジが要求されます。それらを考慮すると、「標準より高め~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいのではないかと推測しました。
ただ、私自身、ヘッドボイスの分析がまだまだ足りないと感じております。よって、今回の見立ては参考程度に考えてください。『Sugar』の地声レンジに関しては標準的であるため、「標準的な男性」などが原曲キーで歌唱することが不可能というわけではないと思います。
『Sugar』はノリの良いダンスロックであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。国内でも大きくヒットした楽曲であり、日本のファンにも馴染みやすいのではないかと推測されます。また、ヘッドボイスの練習にもよい楽曲です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。
コメント
Mariah Carey の My All の音域を調べてもらいたいです!
リストアップしておきます。
リクエストありがとうございます。