『夏の王様』( KinKi Kids ) の音域

★m2F#–m2G[Yo! たい[よう]の]し[たで] [なG[つ]を]カジ[ろう]【サビ】

　まず、『夏の王様』についてです。この楽曲は、2000年に2人組男性アイドルユニットKinKi Kidsによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされた『D album』に収められております。このアルバムには、両A面でリリースされた『もう君以外愛せない』も収録されております。

　さて、『夏の王様』は堂本剛さん自身が主演するテレビドラマ『Summer Snow』の主題歌としてタイアップが付きました。作詞は康珍化さん、作曲は羽田一郎さん、 編曲は船山基紀さんによりなされております。同曲は、先述のように『もう君以外愛せない』とともに両A面のCDシングルとしてリリースされ、９０万枚近い売上枚数を記録しました。ちなみに、『もう君以外愛せない』についても、堂本光一さん主演のドラマ『天使が消えた街』の主題歌になっております。


　『夏の王様』の音域的な特徴についてです。同曲は男性曲としては高めのレンジで歌メロが作られております（サビは明確に「高い」といっても良さそう）。低音域には余地があり、キー下げはしやすいです。
　ちなみに、添付した動画でもKinKi Kidsのお二人が申し上げておりますが、アイドルソングとしてはかなり高い部類であり、サビの主旋律を2人で斉唱している点も負担が大きいです。ただ、高音域が非常に得意な男性は、その高音を活かしやすそうです。
　同曲は、女性にとっては低音域が若干低いですが、全体でみると男性よりは女性の方がマッチしやすいかもしれません。とりわけ、「標準より低め～やや低めの女性」だと原曲キーが合いやすいかと私は推測しました（標準的な女性はキーを上げた方がよいと思います）。



　最後に『夏の王様』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高めでです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内であり、男性曲としてはやや高い最低音になります。最低音が高い分、女性が原曲キーで歌うことも一応は可能です。ただ、私なりの印象ですが、標準的な音域の女性などはキーを上げた方がより声質が活きやすそうです。「標準よりやや低めの音域の女性」などが原曲キーに合いやすいのではないかと思います。

　次に、地声最高音hiAについてはサビで登場します。登場回数は全体で18回と多いです。同曲は、サビを中心にmid2F#～hiA辺りが非常に多く登場しますので、最高音hiAの曲としてもかなり高く感じやすいのではないかと思います。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。



　『夏の王様』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くないので、キー調整の融通は利きやすいです。音域が広くない分、キーを上手く調整すれば練習曲としては使いやすいです。一方で、空に届く様な高音を響かせるには、ある程度高音域で歌った方が原曲の表現に近づきやすそうです。

　『夏の王様』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiAといった高音域を地声でしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように、サビではこのレンジが超頻出であり、アイドルとしてはかなり高いレンジです。そのため、「（ある程度）高音域が得意な男性」などがマッチしやすそうです。また、「標準より低め～やや低めの音域の女性」などもアプローチしやすいのではないかと思います。

　『夏の王様』はタイトルにもあるように浜辺を思わせる夏らしいアレンジであり、サビの高音域が気持ちの良い作品です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。