なお、今回は、ラストサビで地声か裏声か判別しづらい場面がありました。今回は、通常サビと同様に裏声として判定しております。その点はご了承ください。
『まぶた』(Vaundy)、Mabuta(Vaundy)
【地声最低音】mid1D(D3) ※重要度は高くない
★1G[忘]れてm1G–m2G–F#[瞼[が疲れるほ]ど]【Bメロ】
★それは 針の先にm1D[ゆ]びm1D[さ]きが触2E–m2F[れ[るよう]な]【2番Aメロ】
☆m1E[お]も[い]出して(瞼が疲れるまで)【ラストBメロ】
※☆のm1E以外は、m1G辺りが出ると形になりやすい
【地声最高音】hiB(B4) ※ラストサビで最低2回
★確かm2G[め合い] hiB–G–hiA[生き]てる[ぅぅ]【ラストサビ】
★背m1E[で]受けhiA–hiB地[合う[先で]
※一部で地声裏声を判別しづらいため、hiBは「最低2回」としてます。
【裏声最高音】hiB(B4) ※サビで多い
★僕[ら]1G m1G[目を閉じ]hiA裏–hiB–m2G[あう[こ]とで]【さび】
★(背を向け合うほどね) 確かm2G[め合い]生hiA地–hiB裏[き[てる]
【補足】mid2F~hiAを含むフレーズ一覧
★あなたがいm2E[ま]も 口をはにかみな2E[みだな]が[す]から【Aメロ】
★m2G[きっと] hiA地–m2E[日]々の]ぉ蟠りが香[るm2F[におい]で]
★もしも その手m2E[取]れど悲しみが消えぬなら【Bメロ】
★m2G–m2F#[す]こ]しずつわかるようになるかもね【サビ】
★(背を向け合うほどね)確かm2G[め合い] 生hiA地[き]てる]【2番サビ】
※地声のhiAは全体で5回程度
まず、『まぶた』についてです。この楽曲は、2023年に男性シンガーソングライターのVaundyさんによりリリースされたシングル作品です。最新作ですので、アルバムには未収録です。Vaundyさんは最近は、『まぶた』、『瞳惚れ』、『mabataki』(過去記事)と「目」を連想させるシングルが多く、歌詞の面でも注目している人も多いかもしれません。
さて、『まぶた』はフジテレビの月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』のために書き下ろされました。そうしたこともあってか、楽曲『まぶた』も大きな注目を集め、ストリーミングランキングなどで上位に位置しております。
ちなみに、月曜日夜9時に放送されるいわゆる「月9ドラマ」はラブストーリーを中心したドラマ枠でしたが、最近はそれにとらわれない物語が多いそうです。今回の『女神(テミス)の教室』もタイトルから想起させられるように法科大学院が舞台となっております。
『まぶた』はミドルテンポのバンド曲です。バンド曲ではありますが、R&Bなどの趣があり、ボーカルも裏声を多用しております。こうした傾向はシンガーソングライターのみならず、最近の日本のロックバンドでも増えていると感じます。歌メロはAメロBメロサビと展開します。作詞作曲アレンジはVaundyさんによりなされました。
『まぶた』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域は見た目ほど低くないため、キー下げは可能です。一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
同曲の低音は1場面のみmid1E辺りが不可欠な場面があります。ただ、それを除くとmid1G辺りが歌えると形になりやすいです。そのため、全体でみるとmid2E~mid2G辺りが比較的多くみられます。全体でみるとやや中高音寄りの曲といえます。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいと思います。ただ、『まぶた』は見た目ほど低音が低い曲ではありません。そのため、「標準より低めの音域の女性」などはもしかしたら原曲キー辺りがマッチするかもしれません。この辺りは、各々実際に歌唱してみてください。
最後に『まぶた』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「高め」です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1Dは2番Aメロで登場します。ただ、この場面は瞬間的な音であり、厳密に音程にこだわる必要性は低いと私は判断しました。今回は全体でみると、mid1G辺りが非常に多く、この辺りがしっかり歌えると低音は形になりやすいです。
『まぶた』は見た目よりも低音が辛くないため、女性が原曲キーで歌うことも一応は可能です。ただ、女性の得意なレンジを考えると、一般的にはキーを下げた方がより歌いやすそうです。「標準より低めの音域の女性」などは、原曲キーがマッチする可能性があります。
次に、地声最高音hiBはラストサビで登場します。登場回数は2回程度です。このhiBを除くと、同曲はhiAが全体で5回程度登場します。一般的な男性にとっては高い音階が多いため、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。
今回の楽曲は、R&Bなどのニュアンスがあります。高音域が得意でない男性は、地声hiA、hiBといった高音域を「裏声」で統一してみてもよいかもしれません。原曲とは一部異なるニュアンスになる場面もありますが、hiA以上を裏声ベースにしても形になりやすいのではないかと私は感じました。
『まぶた』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ある程度歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することができると思います。一方、ビギナーの場合は、もしかしたら一部難しい部分が出てくるかもしれません。キー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
今回の楽曲はミドルテンポのメロである点は取っ付きやすいのですが、リズムや裏声と地声の使い分けなどの面で、ビギナーには少し難しい部分があります。それらを踏まえて、練習に励んでください。
『まぶた』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiB辺りの中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。hiA~hiB辺りは器用な裏声発声も不可欠になります。これらを踏まえると、「(ある程度)高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。先述のように、「標準より低めの音域の女性」などももしかしたらチャレンジ可能かもしれません。
『まぶた』はミドルテンポのバンド曲で、カラオケなどでも歌いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。