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『空も飛べるはず』(スピッツ)の音域と感想

 こんにちは。今回はスピッツの『空も飛べるはず』(1994)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

『空も飛べるはず』(スピッツ),Sora mo Toberu hazu(Spitz)


【地声最低音】mid1G(G3) 

※【地声最高音】、【補足】以下参照


【地声最高音】hiA(A4)  

hiA[この]胸にhiA[あふ]mid2G[れ]て[る]【サビ】
mid2F[きっ]m2G[と]hiA[い]まは mid1G[じ][ゆ]うに


【補足】mid2F,mid2G辺りの注意箇所

★おさm1G[な]mid2F[微][を] 下げm1G[ら]れないまま【Aメロ】
m2F[か]みさまの影を恐れて
★輝くm1G[す]m2G[べ]m2F[を][と]めて【Bメロ】
m1G[き]みと出会ったm2F[奇]跡が


『空も飛べるはず』(スピッツ)










 まず、『空も飛べるはず』についてです。この楽曲は1994年にスピッツによりリリースされたシングル作品です。発売当初はそこまでヒットしていなかったのですが、1996年に、フジテレビ系列のドラマ『白線流し』で楽曲が主題歌に起用され、大ヒットに繋がりました。現在ではスピッツを代表する作品の一つに挙げられると思います。
 余談ですが、ドラマの主人公を演じていたのはTOKIOの長瀬智也さんで、現在ではTV番組の『ザ!鉄腕!DASH!!』で活躍されている姿をよく見かけます

 スピッツのYouTube公式チャンネルでもMVが公開され、2019年5月現在で5400万回以上もの再生回数を記録しております。ドラマの主題歌としてヒットした曲なのですが、そのことを知らないだろう若い年代や、外国人による日本語の書き込みなどが数多く見られます。ヒットした当時だけでなく、今もなお多くの人の人生に寄り添っている楽曲なのかもしれません。

 『空も飛べるはず』のサウンドについてですが、スピッツらしいミディアムテンポのポップチューンです。イントロの印象的なギターですが、ライブではボーカルの草野さんが演奏されています。ちなみにスピッツと言えば、アルペジオのギターが印象的なのですが、このギターフレーズはアルペジオではありません。
 非常に緩やかで優しい楽曲なのですが、ドラムやベースなども非常に印象的です。メロディーやギターが優しい音色であるのに、バンドサウンドとしての底力を感じるのは裏で支えるドラムやベースの力量があってこそだと思います。

 歌詞については、私はラブソングであると解釈しています。卒業シーズンなどで歌われることも多いようですが、その場合は「相手との出会いを喜び、卒業後もそうした縁がいつまでも続いてほしい」といったニュアンスで解釈されているのであると思います。
 この楽曲の歌詞は「 輝くすべを求めて」、「君と出会った奇跡が この胸にあふれてる」、「ずっとそばで笑っていてほしい」という3か所を除くと、他はやや分かりにくい歌詞が並んでいます。例えば、冒頭の「幼い微熱を下げられないまま 神様の影を恐れて 隠したナイフが似合わない僕を おどけた歌でなぐさめた」という場面は、人気曲とは思えないほど抽象的です。
 私自身は「淡い恋心を抱きつつも、恋が成就しないことを恐れている。とがった振る舞いが似合わない自分を、歌で慰めていた」といった感じで解釈しています。しかし、具体的な意味が決定しづらく、各人がそれぞれに解釈を持っているからこそ、時代が変わっても長く愛されているのかもしれません。「君と出会った奇跡が この胸にあふれてる」などの分かりやすいフレーズを手掛かりにしながら、それぞれの人の中に、それぞれの物語があるのだと思います。私自身が考える詩的なスピッツの歌詞の一つです
 
 



 さて、『空も飛べるはず』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3) ~【地声最高音】hiA(A4) でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりは少し高いです。

 hiAが頻繁に登場しますので、原曲キーでこの楽曲を歌いこなすのは、人によっては難しいかもしれません。ただ、『空も飛べるはず』は音域自体は広くありません。1オクターブと2音で構成される楽曲です。故に、キーを下げるなどしても良いと思います。自分に合った音域で歌う方が重要だと思います。ある程度歌い慣れた一般的な音域の男性がこの曲を歌う場合は、原曲キーよりも1~2下げると(♭1~♭2)歌いやすくなると思います。
 ちなみ裏声が得意な人はhiAなどの高音部を部分的に裏声で歌うというのもあり得る対応だと思います

 また、歌い慣れない人であっても低めにキーを設定すれば、歌える可能性が高い曲です。逆に原曲キーのままだとAメロ辺り(おさm1G[な]mid2F[微][を] )から歌いにくい可能性があります。mid2Fなどは歌い慣れないとミスしやすい音階です。その点は考慮しておいてください。

 この楽曲を始め、スピッツの楽曲が合唱・練習曲などで選ばれやすい理由としては音域があまり広くないことと、メロディー自体が緩やかで歌詞が聞き取りやすいことなどが挙げられるのではないかと私は考えています。

 ちなみに空も飛べるはず』は女性が歌っても良い楽曲です。声が低い女性の場合は原曲キーでも良いですが、一般的には2~3程度キーを上げると(#2~#3)良いと思います。

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コメント

  1. 空飛びたい より:

     補足の最低音の”下げられないまま”は
     ”げ” ではなく “ら” だと思います。

    • もりっしー より:

      空を飛びたいさん、ご指摘感謝いたします。
      完全なミスタイプです。
      初期の記事ですが、気づかないままでした。
      後ほど修正して、お知らせします。

      (追記)2022/07/07
      該当箇所の修正が完了しました。
      ミスのご指摘感謝いたします。助かりました。