カテゴリー

『海の声』(浦島太郎(桐谷健太))の音域と感想

こんにちは。今回は浦島太郎(桐谷健太)さんの『海の声』(2015)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『海の声』(浦島太郎(桐谷健太))、Umi no Koe(Urashima Tarou(Kiritani Kenta)) 

『海の声』(浦島太郎(桐谷健太))










【地声最低音】mid1B(B2) 

★たとえ僕が m1B[おじ]いさんになっても


【地声最高音】mid2F(F4)  ※転調後のサビ

m2F[う]m2E[み]m2F[こ]m2E[え]よ 風の声よ
★空のこm2F[え]m2E[よ] 太陽の声よ


【補足】mid2Eの箇所(転調前のサビは除く)

★今日も 歌ってる 海の声にm2E[の]せて(Bメロ)



 まず、『海の声』についてです。この楽曲は2015年に俳優・歌手として活躍されている桐谷健太さんが、浦島太郎名義でリリースしたシングル作品です。デジタルシングルとしてリリースされました。作詞はCMプランナーの篠原誠さん、作曲はBEGINの島袋優さんが担っています。
 『海の声』は通信会社auのCMの中で、桐谷健太さん演じる浦島太郎が歌唱する楽曲として制作された作品です。つまりCMのためのオリジナルソングです。楽曲のフルバージョンはauのYouTube公式チャンネルで公開されており、2019年9月現在、1億1000万回以上の再生回数を記録しています。非常に話題になった楽曲といえると思います。

 『海の声』のサウンドについてです。琉球のポップスを思わせるアレンジになっております。沖縄で発達した弦楽器である三線(さんしん)が用いられており、こちらは桐谷健太さん自身が演奏しているようです。一方で、三線のみならず、アコースティックギターなどバンドサウンド、ピアノやストリングスなども用いられており、沖縄民謡的でありながら、ポップスの要素も非常に強いと思います。編曲は山下宏明さんによりなされています。

 歌メロディーについてですが、サビが冒頭に登場し、AメロBメロサビという構成になっています。ラストのサビは転調し、キーが一つ上がります。こうした盛り上がりの点も含め、非常に耳馴染みしやすいアレンジだと思います。




 さて、最後に『海の声』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)~【地声最高音】mid2F(F4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。

 まず、最低音部のmid1Bについてですが、象徴的に登場するのが「たとえ僕がm1B[おじ]いさんになっても」の箇所です。ただ、この場面を含め、mid1Eなどで代用しても大きなニュアンスの変化はないと思います。カラオケなどで高得点を狙いたい人、正確な音域を気を付けたい人などでなければ、あまり気を付ける必要は無いのではないでしょうか。

 次に、高音部分についてです。『海の声』では転調が行われており、通常のサビではmid2E,最後のサビではmid2Fが最高音になります。恐らく、通常のサビであれば多くの人が発声することが出来ると思います。ただ、mid2Eといった音階でも、歌い慣れている人とそうでない人では大きく差が出ます。また、mid2F辺りは普段歌い慣れていない人であれば、滑らかな発声が損なわれたりします。練習を重ねて、確実に歌いこなせるようにしておきたいです。個人的な印象ですが、プロの歌手はmid2E~mid2Gあたりの音階を非常に魅力的に歌いこなしてる人が多いと感じます。

 こうした点を考慮すると、『海の声』は比較的努力が報われやすい楽曲であると思います。mid2E,mid2Fといったポップスでは重要な音域を歌いこなすにはよい練習曲になりえるのではないでしょうか。たとえば、普段歌い慣れていない人は、この『海の声』あたりを練習曲として使ってもよいかもしれません。その際、転調後のサビは上手く歌えなくてもしれません。それでも少しずつ慣れていけばよいと思います。
 
 ちなみに、この楽曲を女性が歌う場合は原曲のキーから6つ以上上げると良いと思います。たとえば、キーを6つ上げると地声最低音mid1F~地声最高音hiB辺りに設定されます。この辺りの音階だと歌いにくいという人も多くいると思いますので、一つの目安として考えて、高音域が得意な人は適宜調整してください。歌詞の内容的には、男性目線であるのですが、メロディーがうつくしいですので女性が歌っても合うのではないかと私は考えています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする