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『ロマンスがありあまる』( ゲスの極み乙女 ) の 音域

こんにちは。今回はゲスの極み乙女の『ロマンスがありあまる』(2015)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。別のリクエスト曲の調査が滞ったので、代わりの曲として調べました。


『ロマンスがありあまる』(ゲスの極み乙女)
『ロマンスがありあまる』(ゲスの極み乙女)の音域








【地声最低音】mid1E(E3) ※重要度は高くない

★何とかm1F[な]らないことなんて、何もないから っていつかm1E[う]たった【2番Aメロ】
★甲斐甲斐しく語りかけm1E[て]くる声に涙流したひm2D[と]がいる
m2D[あなたには]届かないm1F[から]美しいん1F[だ]【2番Bメロ】


【地声最高音】hiA(A4) ※全体で1回

★棘を取った優しさなんてものより oh m2G[oh] hiA[oh] G[oh]【Dメロ】

※【oh oh】は歌詞表記はされてない

【裏声最高音】hiA(A4) ※サビで多い

★僕にはあm2Dm2FhiA裏[り[あ[まる]【サビ】
★ロマンスがありm2FhiA裏G[あ[ま]る]ぅ]ぅぅ


【補足】mid2D(一部のみ)mid2Gを含むフレーズ一覧

★少し贅沢m2Fm2E[をし]過ぎ]たみたいだ【サビ】
m2D[空いたワインのボトル]を見た 荒み切った僕の心みたい【Aメロ】
★もうm2D[いっ]そ枯れ[ちm2E[まえ]ばいい]【2番Bメロ】
★そうおm2E[もっ]て叫ん[だうm2F[そも]
★悲しm2E[くっ]て泣ける[なん]てものよ[り] m2G[oh] [oh] oh oh【Dメロ】

 まず、『ロマンスがありあまる』についてです。この楽曲は、2015年に4人組バンドのゲスの極み乙女によりリリースされたシングル作品です(リリース当初は【ゲスの極み乙女。】名義でした)。アルバムとしては、2016年の『両成敗』に初収録されました。同アルバムには、『オトナチック』、『無垢な季節』、『私以外私じゃないの』といったシングル曲が収録されております。アルバムは、10万枚を超えるヒットを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。

 さて、『ロマンスがありあまる』は本多孝好さんの小説を原作とした映画『ストレイヤーズ・クロニクル』の主題歌として書き下ろされました。同映画には、両A面シングルの1つである『サイデンティティ』も挿入歌となっております。楽曲の質も相まって、『ロマンスがありあまる』は配信部門で10万ダウンロードのヒットを記録しました。また、ゲス乙女のYouTube公式チャンネルでは4700万枚の再生回数を記録しております(2023年8月現在)。


 『ロマンスがありあまる』はアッパーなアヴァン・ポップです。テクニカルかつアヴァンギャルドな演奏と切ない歌メロが融合したバンド曲となっております。歌メロは、頭サビで始まり、AメロBメロサビと展開します。作詞作曲はボーカル&ギターの川谷絵音さん、編曲はバンドによりなされました。

 『ロマンスがありあまる』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては標準~やや高めのレンジで歌メロが作られております。個人差はありますが、人によっては少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 同曲の低音はmid1E,mid1F辺りが登場し、男性曲としてはやや低音が高めです。一方、地声高音はmid2D~mid2F辺りが辺りが多く、最高音hiAは1回程度です。全体でみると標準的ですが、一部が高いといったところだと思います。ただ、最低音が高い分、高音感を感じる人もおられるかもしれません。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は必要不可欠な低音域がmid1F辺りであるため、女性が原曲キーで歌唱することも理論上は可能です。ただ、女性の得意な声域などを考慮すると、通常はキーを上げた方が歌いやすそうです。



 最後に『ロマンスがありあまる』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(一部が高め)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Eは2番Aメロで登場します。ただ、今回は全体的に早口のメロであり、音程よりもリズム感が重視される場面です。そのため、mid1Eという厳密な音程にあまりこだわらなくてもよいのではないかと私は推測しています。必要不可欠な低音域はmid1F辺りであり、この音階についても頻度は高くありません。

 次に、地声最高音hiAについては、Dメロで登場します。登場回数は1回のみです。この辺りは男性の音域としてはやや高めのレンジになります。一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。ただ、今回はhiAの回数が少ないため、頑張って原曲キーで歌唱してみるのもよいと思います。

 ※ちなみに、今回の地声hiAの場面は、Dメロの【oh oh】のところです。歌詞表記されていない場面ですが、重要であると考え、最高音に加えております。もし高音域が苦手な方は省略して歌うのも選択肢です(カラオケでも採点対象外となってます)。


 『ロマンスがありあまる』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。そのため、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。一方、今回はサビで裏声が多用されているため、もしかしたらビギナーには難しく感じることもあるかもしれません。音域的には標準的な場面が多いですが、その点は留意しておいてください。

 『ロマンスがありあまる』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2G(hiA)辺りの中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は地声hiAをピークとした場面が1回、mid2Gをピークとした場面は2回程度であり、mid2F辺りがしっかり歌えると安定する可能性があります(地声のmid2Fは全体で8回程度)。一方、サビでは裏声が多用されているため、器用な裏声発声は不可欠です。低音域が若干高いので、高音域が得意な人でもマッチしやすいです。こうしたことを踏まえると、『標準~ある程度高音域が得意な男性』などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。



【まとめ】

①全体でみると標準的な音域だが、Dメロだけ少し高め
②サビでは裏声が多いので注意
③低音が若干高いので、人によっては少しキーを下げた方がいい

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