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『Hate tell a lie』( 華原朋美 )の音域

こんにちは。今回は華原朋美さんの『Hate tell a lie』(1997)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、『Hate tell a lie』はかなりヒットした楽曲なのですが、アーティストおよびレーベルの公式チャンネルでミュージックビデオが公開されておりません。よって、当ブログでも動画の添付は致しません。ちなみに、ストリーミングでは華原さんのセルフカバーが原曲より2つ低いキーで歌われております(原曲のキーがかなり高いです)


『Hate tell a lie』(華原朋美)、Hate tell a lie(Tomomi Kahara)
『Hate tell a lie』(華原朋美)の音域






【地声最低音】mid2E(E4) 

hiC#[手をふって顔が見えな]hiB[な]m2E[るまで]【Aメロ】

※他に【補足】を参照ください。

【地声最高音】hiE(E5)  ※全体で6回程度

hiC#hiE[は[な]れ]hiBC#[た[く]な]【Aメロ】
hiChiE[飲みす[ぎ]な]hiD[あ]の子を助けて【Bメロ】

※同じフレーズでも裏声になっているところもあります

【補足】hiAhiDを含むフレーズ一覧

★Say good-bye! おはようさえhiA[いわなかった街の雑踏で]【Aメロ】
hiA[人の波][さらわれそ]うでも [1㎜も]動きたくない

★[何から何ま]でhiAhiC#[あなたがす[べて][私をどうにか輝かせるC#[ため]【サビ】
hiAhiC#[苦しんだり悩んだり[して]hiB[がん]m2E[ばっ]てる
hiA[いつからか どこからか] AhiC[Hate get [pill] AC[Hate tell [a lie]

hiA[Let me do one more Let me do one] more m2E[time]【間奏】
hiBhiA#[や]]A#B[と[が][とてもC[お]お]BC[ぎ[て]【Bメロ】
hiChiB[ま]い]BC[ち[が] ChiD地[なんだかとても s[lo]wly

※☆のhiCはそこまで厳密でなくてもよい


 まず、『Hate tell a lie』(ヘイト・テル・ア・ライ)についてです。この楽曲は、1997年に女性歌手の華原朋美(かはらともみ)さんによりリリースされたシングル作品です。華原さんとしては『I BELIEVE』、『I’m proud』に続く3枚目のミリオンヒットとなり、代表曲の1つといえます。また、同曲を収録したアルバム『storytelling』は出荷ベースで200万枚を記録しました。

 華原朋美さんは、元々はモデルやタレントとして活躍されていましたが、1995年にプロデューサーの小室哲哉さんに見出されて歌手デビューします。1990年代に活躍したいわゆる「小室ファミリー」の中でも、特に大きな人気を獲得した女性歌手の1人です。1990年代末以降は、交際していた小室氏との破局、体調不良などで、万全といえない活動を強いられましたが、近年は再び歌手として復帰されているようです。華原さんは女性らしい高音が強みであり、それは今回の楽曲でもよく表れております。


 さて、『Hate tell a lie』はアップテンポのポップナンバーです。歌メロはAメロサビBメロAメロサビと展開します。全体的にテンポが速く、また歌メロについても当時としては譜割が細かいため、滑舌の良さが要求されます。息継ぎなども行いにくい場面があり、私はどことなくボカロ曲のような印象も感じました。

 『Hate tell a lie』の音域的な特徴についてです。同曲は平均的な女性の音域と比べ、高いレンジで歌メロが作られております。先ほど「ボカロ曲のようだ」と表現しましたが、全体的に高音域が非常に多く、またスタミナなども要求されます。ただ、低音域が高い分、キーを下げる余地は大きいです(音域も1オクターブと狭い)。


 最後に『Hate tell a lie』の音域についてですが、【地声最低音】mid2E(E4)~【地声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2EはサビやAメロで登場します。このmid2Eは男性曲の最高音となることもあり、女性曲の最低音としてもかなり高いです。そのため、最低音だけを見ても、この楽曲が高音域を要求されることが示唆されております。
 ちなみに、男性が同曲を歌う場合、人によってはオク下げで歌った方が合いやすそうです。この辺りもボカロ曲との近似性を感じます。

 次に、地声最高音hiEについてはAメロやサビ等で登場します。登場回数は約6回です。私なりの印象ですが、このhiEについては、裏声を駆使してもよいのではないかと感じました。これまでに様々な楽曲を調査して私自身感じたことですが、1990年代の楽曲の中には、「裏声を使った方が良さそうな場面でも地声で歌唱」していることが多いです。今回の『Hate tell a lie』についても、裏声hiEでも違和感はそこまで多くないのではないかと私は分析しました。
 ただ、hiEを裏声で歌唱するにしても、全体的に高いという点は変わりなく、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。原曲キーで歌う場合は、「高音域が得意な女性」がマッチしやすそうです。

 『Hate tell a lie』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くないので、キー調整の融通は非常に利きやすいです。その点では、練習曲として使いやすいです。
 一方で、同曲は歌メロが絶えず続く場面があるなど、息継ぎが非常に大変な楽曲であります。そうした歌い回しの点でビギナーには向きにくいといえます。場合によっては、テンポを下げて練習しても良いかもしれません。私なりの印象ですが、同曲は英国の女性アイドルグループ、スパイス・ガールズなどの影響があるのではないかと感じました(こちらはボーカルが複数人です)。


 『Hate tell a lie』はアップテンポのポップナンバーであります。私自身、華原さんの曲は本作を含め、何曲か知っていたのですが、しっかり聴いてみると大きな発見があり、華原さんや小室さんの先進性を感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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