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『夢の果てまで』( 早見沙織 ) の 音域

こんにちは。今回は早見沙織さんの『夢の果てまで』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はアーティストへのリクエストがあり、私自身が選曲しました。


『夢の果てまで』(早見沙織)、Yume no Hate Made(Saori Hayami)
『夢の果てまで』(早見沙織)の音域






【地声最低音】mid2A#(A#3) 

★浪漫m2F#[の]m2A#[香]りに 満ちたこのまA#[ち]【Aメロ】


【地声最高音】hiA#(A#4) ※全体で超頻出(60回超)

★誰もm2G#[が]小さhiA#[な] [めA#[を]見]て生きてA#裏[る]【Aメロ】
hiA#[ああ] くじA#m2G#[けそ]う]その[た]びに あhiA#[な]たの【Bメロ】
★わhiA#[た]m2F#[に]A#[だ][い] m2G#F#A#[今][そ]【サビ】


【裏声最高音】hiC#(C#5) ※Bメロやサビで登場

hiA#[わ]らいA#m2G#hiC#裏[ご][を] A#[い]つ]も想い[出]A#[す]【Bメロ】
hiA#m2G#[時代]を[跳]び])hiC#裏A#[超]え]て] [進][で]く勇[気hiA#[を]【サビ】

 まず、『夢の果てまで』についてです。この楽曲は、2017年に女性声優で歌手の早見沙織さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2018年の『JUNCTION』(ジャンクション)に初収録されました。同アルバムには、『Jewelry』、『新しい朝』といったシングル曲が収録されております。シングルはいずれもアニメのタイアップが付きました。

 さて、『夢の果てまで』は大和和紀さんの漫画作品を原作としたアニメ『劇場版 はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜』のために書き下ろされました。『はいからさんが通る』は1970年代半ばに連載され、現在までに累計発行部数が1200万部を記録した人気の少女漫画です。1970年代末にアニメ化されましたが、2017年に劇場アニメとしてリメイクされることになり、早見さんは主人公の花村紅緒を演じております。


 『夢の果てまで』は歌謡曲のような要素を持ったミドル~アップテンポのポップです。アニメの『はいからさんが通る』は大正時代を舞台としたラブコメ作品です。曲中ではチェンバロが使用されており、その点で私は大正ロマンを演出しているように感じました。
 同曲の作詞作曲は女性シンガーソングライターの竹内まりやさんが担当されてます(編曲は増田武史さん)。ちなみに、竹内さんは先述の『新しい朝』でも楽曲提供をしております。

 『夢の果てまで』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域の範囲内で歌メロが作られております。一般的な音域の女性でも原曲キーでの歌唱が可能そうです。また、音域もそこまで広くないため、キー調整もしやすいと思います。
 同曲の地声最高音はhiA#であり、J-POPの女性曲としてはそこまで高くありません。ただ、今回はhiA#の回数が非常に多く、楽曲全体で多く見られます。そのため、人によっては体力的に辛くなりうるかもしれません。その際は、キーを調整するのが良いと思います。
 同曲は要所で裏声が用いられております。全体でみると馴染みやすい楽曲ですが、裏声に慣れてない人はスムーズな発声がしにくいかもしれません。


 ちなみに、男性が同曲を歌う場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。今回は地声最高音がhiA#なので、「高音域が非常に得意な男性」だと原曲キーでの歌唱も可能かもしれません。ただ、原曲のニュアンスなどを考慮すると、やはりキーを下げた方が安定するのではないかと私は推測しております。



 最後に『夢の果てまで』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A#(A#3)~【地声最高音】hiA#(A#4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2A#はAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。おおよその人が歌唱可能な音階だと思いますが、人によっては少しキーを上げてもよいかもしれません。

 次に、地声最高音hiA#はAメロ~サビまで広く登場します。正確な回数は数えていませんが、全体で60回超ほど登場し、かなり多いです。このhiA#J-POPの女性曲としてはそこまで高い最高音ではありません。そのため、原曲キーがマッチする人も多いのではないかと思います。ただ、人によっては体力的に辛くなりうるので、場合によってはキーを下げるのも選択肢に入れてよいと思います。


 『夢の果てまで』は低音域には余地があるため、キー下げなども可能です。同曲は音域自体もそこまで広くないため、キー調整は比較的行いやすい方だと思います。
 同曲のメロディーは昭和歌謡などを想起させる馴染みやすいものであり、リズムが難しい部分も少ないです。そのため、音域やメロディー・リズムといった観点から見て、私としては練習曲に使いやすそうだと感じました。原曲キーが滅茶苦茶に高い曲でもないですので、早見さんの歌唱表現なども参考になりやすいのではないかと思います。

 『夢の果てまで』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#~hiA#(裏声hiC#)といったレンジをしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はhiA#の登場回数が多い点が気になりますが、おおむね標準的な女性の音域だと私は分析しました。
 こうしたことを踏まえると、「標準よりやや低め~標準よりやや高めの音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。高音域が得意な女性などは少しキーを上げるのもよいかもしれません。


 『夢の果てまで』は歌謡的なポップであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。全体としてボーカルの良さが活きやすく、早見さんの歌唱表現も参考になりやすそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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