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『雫』(スキマスイッチ)の音域 / アニメ『獣の奏者 エリン』OP曲

 こんにちは。今回はスキマスイッチの『雫』(2009)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。「ファンタジー作品には三拍子(or 6/8拍子)の曲が使われやすい」みたいなことを考えてたら、この曲が想起されたので選曲してみました。


『雫』(スキマスイッチ)
『雫』(スキマスイッチ)の音域







【地声最低音】mid1E(E3) 

★月がm1G[お][を行く] m1E[夜]光虫1G[を引]き連Dm2E[れ[て]【Aメロ】
★なFm1E[に[も]言わずに終1Fm1E[わっ[ていく]
★そm2DD#[れ[は]す]べてm1Gm1F[え[い]えん]2D[た]【Bメロ】


【地声最高音】mid2G#(G#4) ※ラストサビで3回

★(洗い立ての太陽が) m2FF#m2G#[ぼ[く[ら]を]優しく照らしている【ラストサビ[転調₊1]】


【補足】mid2D#mid2Gを含むフレーズ一覧

★草m2D#m2Fm2G^[むらでこ[ろ[げ]ま]わって【Bメロ】
★みらm2D#{い]の向m2F[こ]う]F[行]Fm2G[た[め]
★せm2F[な]m2D#[に]あったつばD#F[さ[は]F[ま][も]う必要[な]ラストサビ[転調₊1]

 まず、『雫』(しずく)についてです。この楽曲は、2009年に2人組音楽ユニット・スキマスイッチによりリリースされたシングル『虹のレシピ』の2曲目に収録されております。いわゆるカップリング曲であり、アルバムとしては同じ年にリリースされた『ナユタとフカシギ』に初収録されました。アルバムには、『ゴールデンタイムラバー』(過去記事)などのシングル曲が収録されており、出荷ベースで10万枚のヒットを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。

 さて、『雫』はカップリング曲ですが、上橋菜穂子さんの小説を原作としたファンタジーアニメ『獣の奏者 エリン』のオープニングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、カップリング曲でありながら人気が高く、今年になって出演したテレビ番組などでも披露されております。楽曲自体もロングヒットを続け、2013年には着うたフル部門で10万ダウンロードを達成し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。
 ちなみに、アニメでは女性歌手の元ちとせさんがカバーしたバージョンもアニメの後期オープニング曲として使用されております。


 『雫』はミドルテンポのバンド曲です。8分の6拍子で作られた楽曲であり、フルートなどの管楽器も用いられております。こうしたアレンジはファンタジー作品との世界観にもつながりそうです。歌メロは頭サビで始まり、AメロBメロサビと展開します。Bメロ⇒サビで転調がなされます。また、ラストサビでも転調が行われ、通常のサビよりも1つ高いキーで歌メロが展開されます。作詞作曲はスキマスイッチによりなされました。

 『雫』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいと私は想定しております。
 同曲は、Aメロではmid1Eが登場し、標準的です。一方、Bメロやサビではmid2D#~mid2Gといった中高音域が多く登場します。ラストサビでは転調し、キーが1つ上がることも考慮すると、「標準よりややや高め~高め」といったところであり、ある程度高音域が得意な男性の方が歌いやすいといえそうです。全体的に地声ベースで歌唱されており、裏声が少ない点も特徴的です。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。先述した元ちとせさんは原曲より5つ高いキーで歌唱されております。ただ、このレンジは人によっては少し高いかもしれません。一つの目安としては、原曲キーから3~4つ程度上げるのがよいのではないかと私は推測しております。



 最後に『雫』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「やや高め~高め」です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内です。ただ、今回は、mid1Fとのこのコンボになっており、少し低音感があります。そのため、「高音域が非常に得意な男性」だと若干歌いにくく感じられるかもしれません。

 次に、地声最高音mid2G#はラストサビで登場します。登場回数は3回程度です。これに次ぐ地声高音としてはmid2Gがピークとなる場面が全体で11回程度登場します。そのため、一般的な男性にとってはやや高く、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいと私は分析しました(原曲キーがマッチする人も多いと思います)。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『雫』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。また、一部歌いにくい部分が出てくるかもしれませんが、ビギナー向けの調整も可能なのではないかと推測しております。もしキー調整をしても難しく感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
 同曲はメロディー自体は親しみやすいですが、Bメロ⇒サビで転調が行われます。また、6拍子の曲であるため、人によっては少し慣れが必要かもしれません。ただ、私個人としては覚えやすい曲だと感じております。

 『雫』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#~mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はBメロ~サビでこれらが多く登場します。こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。



【まとめ】

①全体でみるとやや中高音寄り
②原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」に合いやすそう
③メロは分かりやすいが、音程やリズムを取るのが苦手な人はやや注意

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