『魔訶不思議アドベンチャー!』( 高橋洋樹 ) の 音域

　さて、『魔訶不思議アドベンチャー!』は、鳥山明さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『ドラゴンボール』のオープングテーマとして制作されました。『ドラゴンボール』は世界的に人気の高い作品であり、同曲も外国語でカバーされるなども広く知られております。作詞は森由里子さん、作曲はいけたけしさん、編曲は田中公平さんによりなされました。


　『魔訶不思議アドベンチャー!』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は頭サビでメロが始まり、その後ABサビと展開します。Aメロの大部分は中低音が中心、Aメロ終盤Bメロサビはmid2D#～mid2G#といった中高音が多く登場します（とくにBメロが高い）。最低音もmid1Fと比較的高いためり、全体的に中高音寄りのメロになっており、高音域が得意な男性の方がマッチしやすい曲となっています。発声は地声ベースの歌唱であり、裏声はあまり用いられません。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。過去に同曲をカバーした女性歌手などを見ると、原曲キーから４つ程度上げる（mid1G～hiCに設定される）ことが多いようです。この辺りが一つの目安になると思います。



　最後に『魔訶不思議アドベンチャー!』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1FはサビやAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。音域的には女性も歌えなくもない音階ですが、女性の得意レンジなどを考慮すると、女性はキーを上げた方が歌いやすいです。

　次に、地声最高音mid2G#はサビやBメロで登場します。登場回数は１２回程度です。このmid2G#に次ぐ地声高音としては、mid2Gがピークとなる場面が全体で１０回程度登場します。こうしたことを踏まえると男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください。


　『魔訶不思議アドベンチャー!』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができ瑠と思います。今回の楽曲は、音域自体はそこまで広くないですので、ビギナー向けの調整もある程度可能なのではないかと私は推定しています。
　同曲はメロディー自体は比較的分かりやすいです。リズムやテンポもよく、カラオケなどにも向きやすいと私は分析しました。ただ、原曲の高橋さんのような歌唱をするためにはキー調整をするだけではなく、高い力量が求められます。弛まぬ練習を心掛けたいです。

　『魔訶不思議アドベンチャー!』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#～mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回は、Ａメロやサビの一部を除くと全体的に中高音域が多いです。特に、Bメロはサビに負けないくらい高音域が多いです。
　こうしたことを踏まえると、「標準より高め～高音域が得意な男性」が原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。また、「標準より低い音域の女性」はもしかしたら原曲キーが合う可能性もありますが、一般的にはキー上げを推奨します。


【まとめ】

①Aメロとサビの一部で中低音が見られるが、全体的に中高音域が多い
②原曲キーだと「標準より高め～高音域が得意な男性」に合いそう
③キー調整の融通も聴きやすい方
④メロも比較的分かりやすく、カラオケ向き