『SHINY』(夜の本気ダンス)の音域 /『境界のRINNE』3期OP曲

　まず、『SHINY』（シャイニー）についてです。この楽曲は、２０１７年にロックバンド・夜の本気ダンスによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発表された『INTELLIGENCE』に初収録されました。同アルバムには、『TAKE MY HAND』、『Without You』といったのシングルなどが収録されております。

　さて、『SHINY』は、高橋留美子さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『境界のRINNE』第３シリーズのオープニングテーマとしてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲はバンドの中でも人気の高い１曲となっています。アニメのOP曲ということもあってか、カラオケでの人気も高いようです。

　『SHINY』はアップテンポのバンド曲です。メンバーのバンドサウンドが基調となった小気味のいいギターロックです。歌メロについてもAメロBメロサビと展開、アニメの主題歌ということもあって多くの人にとって親しみやすいメロです。作詞はボーカル＆ギターの米田貴紀さん、作曲編曲はバンドによりなされました。


　『SHINY』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。原曲キーで歌唱可能な人も多いかもしれませんが、人によっては少しキーを下げてもよいと思います。
　同曲は低音域としてはmid1F#辺りが多いです。男性曲としては低音域が高いため、相対的にmid2C#～mid2F#辺りが多く見られます。男性曲としては中高音寄りであり、高音域が得意な男性の方が合いやすい曲だといえます。ただ、地声最高音こそmid2F#でそこまで高くない分、標準的な音域の男性でもマッチする可能性があります。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はいくらかキーを上げた方が歌いやすいです。一つのざっくりとした目安ですが、原曲キーから３つ程度上げてみてください。一方で、今回は男性曲としては低音域が高い分、女性でも原キーが合う可能性があります。具体的には「標準より低い音域の女性」などは原キーがマッチする可能性があります。その辺りは実際に歌唱してみてください。



　最後に『SHINY』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】mid2F#(F#4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内（やや中高音寄りではある）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1EはAメロが作られております。このmid1Eについては歌い出しの瞬間的な音です。低音域としては、mid1F#辺りが安定して歌えると形になりやすいです。今回は最低音が高い分、中高音域が多く登場します。

　次に、地声最高音mid2F#はサビで登場します。登場回数は１１回程度です。このmid2F#に次ぐ地声高音としてはmid2Eがピークとなる場面が全体で１６回程度見られます。このmid2E-mid2F#は一般的な男性の音域の範囲内とされますが、歌い慣れていない人だとスムーズな発声が損なわれやすいです。ただ、比較的克服しやすい音階でもありますので、少しずつ練習を重ねてみてください。
　今回のが曲は大よそ一般的な男性の音域の範囲内です。ただ、メロが相対的に中高音に寄っているため、高音域が苦手な人だと少し高音域が辛くなる可能性もあります。原キーで歌唱可能な方も多そうな曲ですが、場合によってはキーを調整することも選択肢に入れてください。


　『SHINY』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができるといえます。今回の楽曲については、基本的な地声声域がmid1F#～mid2F#の1オクターブで作られております。そのため、比較的キー調整はしやすく、個人的には練習曲にはよいのではないかと考えました。
　同曲はメロディーについても比較的わかりやすく、リズムが難しい部分も少ないです。そのため、音域が合うので合れば練習曲やカラオケのレパートリーにはおススメしやすいです。当然、しっかり歌い慣れた人の方が安定した歌唱が出来るため、弛まぬ練習を重ねてください。

　『SHINY』を原曲キーで歌唱する場合、midC#～mid2F#(裏声はmid2G#～hiB)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。地声最高音mid2F#はサビで多く、mid2E辺りはAメロ～サビまで満遍なく見られます。低音域については、mid1F#-mid2A辺りが多く、男性としては高めな印象です。そのため、地声最高音こそ高くないものの、歌メロは全体的に中高音寄りです。
　こうしたことを踏まえると、「標準的～高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、今回は低音域が高い分、「標準より低い音域の女性」なども原曲キーがマッチする可能性があります。


【まとめ】

①Aメロ～サビまでノリがよく、全体的に中高音寄り
②地声最高音が高くない分、間口が広い（キー調整もしやすい）
③原キーだと「「標準的～高音域が得意な男性」などが合いやすそう
④「標準より低い音域の女性」なども原キーが合う可能性がある
⑤メロも分かりやすく、カラオケ向き（練習曲にもよい）