『ラッキーカラー』(あいみょん)の音域

　まず、『ラッキーカラー』についてです。この楽曲は、２０２４年に女性シンガーソングライターのあいみょんさんによりリリースされたアルバム『猫にジェラシー』に収録されています。同アルバムは、『会いに行くのに』、『あのね』、『愛の花』などにシングルが収められています。

　『ラッキーカラー』は『ざらめ』とともにアルバムのリード曲として先行配信されました（ミュージックビデオも制作・公開されています）。アルバムの1曲ではありますが、現在でもストリーミングランキングにチャートインしており、楽曲およびアーティストの人気の高さがうかがえます。


　『ラッキーカラー』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては標準的～やや高めのレンジで歌メロが作られています。一般的な女性が原曲キーで歌唱できそうですが、場合によっては少しキーを下げてもよいと思います。
　同曲は、ABメロは中低音中心、サビは中高音中心で歌メロが作られています。そうしたこともあり、低音～高音まで広いレンジが要求されます。サビについてはhiBやhiC等が登場し、大よそ標準的ですが、高音域が苦手な人は歌い慣れてない人は少しキーを下げてもよいかもしれません。ただ、音域が広い分、キー調整の融通はやや利きにくいです（キー上げはしやすい）。

　男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから6つ程度下げてみてください。hiCやhiBの登場回数、あいみょんさんの抑揚などを考量すると、「高音域が非常に得意な男性」についてもキーを下げた方が歌いやすいと私は判断しました。



　最後に『ラッキーカラー』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Eは2番Aメロで登場します。この辺りは女性の音域としてはかなり低いです。ただ、今回のmid1Eは歌い出しの瞬間的な音であり、かなり聞き取りにくいです。低音域としては、mdi1G辺りがしっかり歌えると形になりやすいです。今回はmid1G～mid2A辺りがかなり多いですので、見た目よりも低音感があります。「高音域が非常に得意な女性」などはキーを上げるのもよさそうです。

　次に、地声最高音hiCはBメロやサビで登場します。登場回数は１０回程度です。このhiCに次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で２８回登場します。こうした点を考慮すると、女性の音域の範囲内かもしくはやや高めであると私は推測しました。原曲キーで歌唱可能な方も多いかもしれませんが、場合によっては少しキーを下げてみてください。


『ラッキーカラー』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回はmid1G等の低音が多いため、キーを下げ過ぎると逆に低音が歌いにくくなる可能性があります。その点は留意しておいてください。
　同曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムなども取りやすそうです。音域がマッチするのであれば練習曲などにもよいと思います。

　『ラッキーカラー』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiC(裏声はhiEまで)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はサビを中心にこれらが多く登場します（サビでは裏声もよく見られる）。一方、ABメロについてはmid1G～mid2A辺りの低音が頻出します。
　こうした点を考慮すると、「標準的～ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意（or非常に得意な）女性」については、いくらかキーを上げた方がより歌いやすいのではないかと思います。


【まとめ】

①ABメロは中低音中心、サビは中高音が中心
②原キーだと「標準的～ある程度高音域が得意な女性」に合いそう
③キー下げは可能だが、低音が多い分下げにくい
④サビは裏声も要所で見られるので注意
⑤メロは分かりやすい。音域が合うのであれば練習曲向き