今回は一部を除き、地声と裏声の判別が難しかったのです。そのため、地声の回数などは参考程度にしてください。
『友達の詩』(中村 中)
【地声最低音】mid2A(A3)
★触れるm2F#[ま]でもなm2A[く]さF#[きの]こF#[とが]【Aメロ】
★m2A[ず]いm2F#[分]続けF#[て]来たね
【地声最高音】hiD(D5) ※終盤で1回
★それすhiA[ら] hiB–hiD地–C#[危[う]い]か]ら B[た]い]せつな【ラストサビ】
【裏声最高音】hiD(D5) ※終盤で1回
★手をつhiA–hiB[な[ぐ] hiD裏–C#[く]ぅら]い]で[い]い【ラストサビ】
【補足】hiA~hiBを含むフレーズ一覧
★m2F#–hiB裏[胸[の]い]たみ 直[さ]ないで【Bメロ】
★べm2A[つ]の傷で隠すhiA裏–F#[け]ど]
★どこかm2A[ら]か流れてhiA裏[し]まう
★手をm2F#–hiA–hiB[つ[な[ぐ く]ら]い]で[いい]【サビ】
★m2F#–hiA[並[ん]で歩[くく]らいでいい
★それすhiA–hiB[ら[危う]い]からたA[い]せつな
★忘れた頃に もう一度会えたら 仲良m2F#[く]しhiA裏[て]ね【ラストAメロ】
★並hiA[んで]ぇ歩くくhiA#[ら]いでいい【ラストサビ】
まず、『友達の詩』についてです。この楽曲は、2005年に女性シンガーソングライターの中村 中(なかむら あたる)さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2007年の『天までとどけ』に初収録されました。アルバムはロングヒットを続け、2008年に日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。
『友達の詩』は中村さんが15歳の頃に初めて制作した楽曲です。2005年にインディーズのシングル作品として、発表された後に、2006年にはメジャーレーベルでシングル化されました。その後音楽番組での紹介などをきっかけに楽曲人気に火が付き、ロングヒットを記録しました。2008年には10万枚のCDセールスを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされています。また、2014年には配信でも25万ダウンロードを記録し、プラチナ認定がなされました。
『友達の詩』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な女性の音域の範囲内で歌メロが作られています。一般的な音域の女性が原曲キーで歌いやすい楽曲です(歌い慣れておく必要がある)。
同曲は、中高音域としてはhiA~hiB等がよく見られます。一部でhiDが登場しますが、おおよそ一般的な女性の音域の範囲内といえそうです。低音域についてはmid2Aの回数が少し多いため、「高音域が非常に得意な女性」については少しキーを上げてもよいかもしれません。発声は柔らかなニュアンスであるため、力強い歌唱に慣れている人は注意したいです。
男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。中村さんの歌唱表現なども考慮に入れると、原曲キーから5~6つ程度下げるとよいのではないかと私は分析しました。「高音域が非常に得意な男性」についても、いくらかキーを下げた方がより安定すると思います。
最後に『友達の詩』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)~【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内(終盤は一部高め)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid2AはAメロBメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。ただ、「高音域が得意な女性」だと少しキーを上げた方がより歌いやすいかもしれません。
次に、地声最高音hiDはラストサビで登場します。登場回数は1回のみです。この他、サビではhiBがピークとなる場面が8回、hiAが10回、hiA#が1回程度登場します(今回は地声と裏声の区別がしにくかったので「地声」とはしてません)。こうした点を考慮すると、大よそ一般的な女性の音域の範囲内です。ただ、「高音域が得意な女性」だと若干キーを上げた方がより声質を活かしやすいかもしれません。その辺りは実際に歌唱して微調整を加えてください。
『友達の詩』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、ビギナーについては一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。楽曲もスローであるため、その点で慣れない人には少し難しい可能性があります。
同曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムも取りやすいです。一方、テンポがスローであるため、力量が問われます(一般的にはミディアムテンポくらいが歌いやすい)。ただ、歌のよさが活きやすいですので、歌い慣れた人などにはよい練習曲だと私は分析しました。
『友達の詩』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#~hiB(終盤はhiD)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はhiA~hiB辺りが多く、ABメロは裏声感があり、サビはやや地声感があります。低音域については、mid2AがABメロで登場します。
こうした点を考慮すると、「標準よりやや低め~ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意(or非常に得意)な女性」については少しキーを上げるとより歌いやすそうです。
【まとめ】
①女性曲としては標準的な音域のスロー曲
②原キーだと「標準よりやや低め~ある程度高音域が得意な女性」などに合いそう
③スロー曲であるため、歌が活きやすい(慣れは必要)
④メロもリズムも覚えやすい