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『カモメ』(9mm Parabellum Bullet)の音域 [2011年の作品]

 こんにちは。今回は9mm Parabellum Bulletの『カモメ』(2011)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。当ブログで9mmの作品を取り上げるのは、『ハートに火を付けて』(過去記事)以来、2回目になります。


『カモメ』(9mm Parabellum Bullet)、Kamome (9mm Parabellum Bullet)
『カモメ』(9mm Parabellum Bullet))の音域







【地声最低音】mid1F#(F#3) 

★海鳴りに胸が震えm1G#m1F#[る[た]び]【Cメロ】


【地声最高音】mid2G#(G#4)  ※曲全体で9回

★あしm2E[た]を捨て[て]も 海m2F#m2G#[をわ[た][る]のよ【サビ】
★(あなたの腕まで) 辿m2F#m2G#[り着[く]m2E[た]F#[めに]

★息を吹き返していm2E[く] m2F#[愛] m2G#[愛]【Cメロ】


【補足】mid2Emid2F#を含むフレーズ一覧

★うm1G#[み]沿いのみ[ち]を歩い[て] [い]果てのみ[な]と町m2E{へと]【Aメロ】
m2F#m2E[わ]た]しを見つm2E[けて]

 まず、『カモメ』についてです。この楽曲は、2011年に4人組ロックバンド9mm Parabellum Bullet(キューミリ・パラベラム・バレット)によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年の『Movement』に収められております。元々はアルバムが初出でしたが、その後、ストリングスを加えたバージョンとしてシングルカットされました。ちなみに、同アルバムには、他にシングル曲として『新しい光』が収録されております。

 さて、『カモメ』はアルバム『Movement』のラストに収録されております。全体として哀愁を感じるミディアムテンポのバンド曲であります。私自身は同曲のリードギターが特に好きであり、Aメロの間で登場するフレーズや間奏など、非常に耳に残ります。また、リリース時期が東日本大震災の頃と近いですので、物悲しいアレンジが当時の記憶と重なります。
 歌メロについては、AメロサビCメロといった形で作られており歌謡的です。シンプルなメロであり、比較的親しみやすいのではないかと思います。こうしたこともあってか、アルバムのリリースからしばらくして、『カモメ e.p.』としてシングル化がなされました。


 『カモメ』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の音域と比べて、やや高めのレンジで歌メロが作られております。通常はキーを少し下げた方が歌いやすいと言えます。私個人としては、歌メロがゆったりめで歌謡的であるため、音域以上に歌い手の歌唱力が問われる楽曲だと感じました。
 ちなみに、同曲は、低音域も比較的高いため、mid2E~mid2G#辺りの頻度が高いです。中高音域を安定して歌いこなせる力が求められます。音域的には女性が原曲キーで歌唱することも可能だと思いますが、通常はキーを上げた方が合いやすいといえます。



 最後に『カモメ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1F#についてはCメロで登場します。曲全体で1回程度であり、頻度はそこまで高くありません。このmid1F#以外ではmid1G#がAメロ等で登場します。
 この辺りは、一般的な男性の音域の範囲内であり、発声自体は難しくないと思います。反面、最低音がmid1F#辺りの男性曲は「男性としてはキーが高く、中高音域の頻度も高い」楽曲となりがちです。今回の『カモメ』もそうした傾向を有しており、mid2E~mid2G#辺りが多く登場します。
 一方で、最低音が高めである分、女性が原曲キーで歌唱することも可能であります。ただ、一般的な女性が原曲キーで歌唱することも原理上は可能ですが、通常は標準より低めの女性などが合いやすいと思います。

 次に、地声最高音mid2G#については、サビやCメロで登場します。登場頻度は9回程度と比較的多いです。先述しておりますが、同曲はmid2E~mid2F#辺りの登場回数も多いです。一般的にはキーを少し下げた方が歌いやすいのではないかと思います。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(♭1~♭2)。


 『カモメ』は低音域に余裕があり、キー下げなどはしやすいです。音域自体もそこまで広くないですので、歌い慣れた人はもちろん、ビギナー向けの調整も可能だといえます。同曲は、歌メロについては、歌謡的であり、比較的覚えやすいです。そのため、キー調整なども考慮すれば練習曲としては使いやすいと思います。
 同曲は非常にメロディーが良い作品ですが、ボーカルの菅原卓郎さんは特徴的な歌唱をされております。原曲のような表現をするためには、安定した力量が求められます。その点は留意しておいてください。

 『カモメ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~mid2G#辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。先述のように中高音域の頻度が高いです。よって、原キーだと「標準的よりも高めの音域をもった男性」、「ある程度高音域が得意な男性」などが合いやすいです。加えて、「低音域に魅力がある女性(標準より低めのレンジ)」なども挑戦しやすいです。

 『カモメ』はゆったり目の歌謡的なバンド曲であり、ボーカルの良さが活きやすい作品です。音域の調整などもしやすいですので、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。私自身は、サウンドもメロも歌詞も非常に好きな楽曲です。

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