カテゴリー

『Neon Sign』(米津玄師)の音域[2015年の作品]

 こんにちは。今回は米津玄師さんの『Neon Sign』(2015)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、同曲は、アーティストおよびレーベルの公式チャンネルでMVや音源が公開されておりません。よって、当ブログでも動画の添付は致しません。

 当ブログでこれまで取り上げてきた米津さんの作品についてはこちらを参考下さい⇒米津玄師の作品音域一覧

『Neon Sign』(米津玄師)
『Neon Sign』(米津玄師)の音域







【地声最低音】mid1C#(C#3) 

m1C#[さ]がし求めた感情が【Aメロ】
★どこにm1D#[も]C#[見つか][ら]ず 途方に暮れた正m1C#[午に]
★作り上げたのに 崩れに崩れm1D#m1C#[た[バ]ベル[の]【Bメロ】


【地声最高音】mid2F#(F#4)  ※曲全体で4回程度

★あのm2F#[日]m2F[のお]m2D#[も]いを【サビ】
★出会m2D#[え]m2F[る]ときはよm2F#[ろ]F[し][く]願う【ラストサビ】


【裏声最高音】hiA#(A#4) ※サビで複数回登場

m2F[バイ]m2G#[バイ]hiA#[いつ]F[の]日かまた出[会]おう[ぜ]【サビ】


【補足】mid2D#(一部のみ)mid2G#を含むフレーズ一覧

★悲しm2F[ま]m2D#[な]D#[よ]うに 別々に歩m2F[き]m2D#[出]F[た]【Bメロ】

 
★いつになるのm2F-m2D#[かは知][な]い]けど【サビ】
★別m2D#[れ]m2F[の]そばでわF[ら][あっ]
★oh m2G#[oh] oh このまま行G#[こ]
★引きm2D#[ず]m2F[り]ながらそF[れ]D#[も]行こう


 まず、『Neon Sign』(ネオンサイン)についてです。この楽曲は、2015年に男性シンガーソングライターの米津玄師さんによりリリースされたルバム『Bremen』(ブレーメン)に収められております。同アルバムには、『アンビリーバーズ』(過去記事)『Flowerwall』(過去記事)といったシングル曲が収められております。同アルバムは、その年の日本レコード大賞「優秀アルバム賞」を受賞しており、CDセールスも18万枚を超えております。私自身、米津さんの作品で初めて手にしたアルバムであり、非常に思い入れがあります。


 『Neon Sign』はアップテンポのバンドナンバーであります。メリハリが効いておりノリが良いですが、一方で、陰を感じさせる楽曲でもあります。歌メロはAメロBメロサビで構成されており、馴染みやすいと思います。作詞作曲アレンジは米津玄師さん自身によりなされております。

 『Neon Sign』は友人との別れが描かれております。ポップスでは、友人関係については「卒業などによる別れ」が描かれることが多いですが、同曲は、「【気が合わなくなった・互いの価値観が変わってしまった】のでお互いのために別れを選ぶ」といった内容だと私は解釈しております。友人関係でそうした題材を描いているという点で特徴的であります。
 歌詞の中では「バベルの塔」、「塩の柱」といった聖書に見られるフレーズが登場します。「バベルの塔」は、【神に背き、空に届くような高い塔を建てようとした人間たちに対し、神が人間たちの言語をバラバラにし、意思疎通を図れなくした】といった話が有名であります。『Neon Sign』では、仲間(友人)との気が通わなくなる様が、【崩れたバベルの塔】として比喩されているのではないかと私は解釈します。
 ちなみに、「塩の柱(Pillar of Salt)」という言葉については、私は聖書ではなく、Coldplayという英国人ロックバンドの楽曲『Viva la Vida』という作品の中で初めて知りました。


  『Neon Sign』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な男性の声域で歌メロが作られております。ただ、サビでは裏声の登場回数が多めですので、その点で器用な発声が求められます。

 一方、低音についても登場回数が少なくありません。低音域が中高音域までしっかり歌いこなせる必要があります。そのため、大きなキー下げは少し行いにくいのではないかと私は分析しております(地声最高音がそこまで高くないですので、大きなキー下げはあまり行われないかもしれませんが)。



 最後に『Neon Sign』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】mid2F#(F#4)、【裏声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内といえます。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1C#はAメロBメロで登場します。登場回数としては比較的多く、低音域が苦手な方は意外としんどいかもしれません。高音域が得意な方はキーを上げてもよいと思います。

 一方、地声最高音mid2F#はサビで登場します。各サビで1~2回ずつ登場し、曲全体で4~5回程度になります。また、同じくサビの中で、mid2F辺りが多く登場します。この辺りは、大よそ一般的な男性の声域の範囲内といえます。ただ、歌い慣れていない人の場合、スムーズな発声が損なわれやすいですので、少しずつ練習を重ねてください。歌い慣れていない人や高音域が苦手な方は、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(♭1~2)。


 『Neon Sign』は、低音域についても登場回数が多いです。そのため、上の鍵盤画像が示す程にキーを下げる余地は多くないと私は分析しております。一般的な男性の場合、キーを下げるにしても2つ程度がよいのではないかと思います(♭2)。

 同曲は、歌い慣れていない人向けの調整も可能といえば可能なのではないかと私は考えております。ただ、『Neon Sign』は低音がやや低く、サビでは裏声と地声の行き来が多いです。その点で、「ビギナー向けの調整も可能だが、強く推奨できるという程には歌いやすくはない」と考えました。もし、キー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。

 『Neon Sign』を原曲キーで歌唱する場合は、mid2D#~mid2F#辺りの地声高音を歌いこなす力と、裏声と地声を器用に使い分ける力が要求されます。地声の高音は、米津さんのシングル曲ほどは高くないですので、一般的にも努力が報われやすいのではないかと思います。

 『Neon Sign』はアップテンポで、メリハリが効いたバンド曲です。そうした点からもカラオケなどで歌いやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。


 当ブログでこれまで取り上げてきた米津さんの作品についてはこちらを参考下さい⇒米津玄師の作品音域一覧

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする