カテゴリー

『ゴーゴー幽霊船』(米津玄師)の音域と感想【加筆】

(2019/02/13)初投稿
(2020/01/14)mid2Dmid2G辺りまで詳細に記載しました。

  当ブログでこれまで取り上げてきた米津さんの作品についてはこちらを参考下さい⇒米津玄師の作品音域一覧

『ゴーゴー幽霊船』(米津玄師)、Go Go Yuureisen(Kenshi Yonezu)
2012年5月16日にリリース(インディーズアルバム『diorama』収録)


【地声最低音】mid1A#(A#2)

枯れたインクペンでを描いて

【地声最高音】 mid2G(G4) ※☆は曲全体を通して計12か所

m2D[電光板の]m2G[こ]D[と]ばになD[れ]
あんまりm2D[急に]m2G[わ]D[ら]うので(1番サビ)

(注)ラストのサビ終了後、「あんまりな嘘とf知るのさ(あんまりな嘘【
知るのさ)」のカッコの部分が裏声でhiA#となります。


【裏声最高音】hiA#(A#4)  ※楽曲全体で1回

★あんまりm2D[な嘘]hiA#[と]D[知]るのさ(ラストサビ)



【補足】mid2Dmid2Fの注意箇所

継いで接いでまたマザーグース 夜はm2D[何][も]泣いてまた明日

それゆけm2D[幽]かな言葉捜せ(サビ)
沿線上の扉壊せ 見えないm2D[僕を信]じてくれ
なら全部忘れて m2F[ワアワアワアワア](2番サビ前)

『ゴーゴー幽霊船』(米津玄師)








 
 こんにちは。今回は米津玄師さんの『ゴーゴー幽霊船』(2012)を取り上げます。よろしくお願いします。米津玄師さんはに続き、6度目の登場になります。
 
 『ゴーゴー幽霊船』は2012年2月に米津玄師さんのyoutubeの公式チャンネルに投稿され、同年5月にインディーズアルバム『diorama』の収録曲としてリリースされました。
 『ハチ』名義でボカロPとして活躍していた米津玄師さんのですが、本人名義としてのデビュー作となります。2019年2月現在、youtubeでの再生回数も3800万回を超えており、この頃の作品では非常に人気の高い作品となっています。世界観としてもボカロP時代の作品と地続きにあるような世界観であると思います。



 さて、この『ゴーゴー幽霊船』ついてです。「幽霊船」というのは2つの意味があると思います。1つは主人公の影の薄さ、社会からの隔絶といった意味です。これは

「ずっと病欠のセブンティーン」
「僕は幽霊だ 本当さ 君の目には見えないだろうけど」

といったフレーズに象徴されています。

更に「幽霊船」の2つ目の意味として「夢も目標もなく、当てもなく夜をさまよう私
の暗喩」でもあると思います。つまり、米津玄師さんの代名詞でもあるどこにも行けない私」が「幽霊船」として表現されているのです。

 漂う幽霊船と聞くとポルトガルの海を漂う
メアリー・セレスト号を思い出します。ミステリー作品などでもしばしば題材にされます。また、ドラゴンクエストⅢにも目的なく漂う幽霊船が登場しました。
 ちなみ「幽霊船」というフレーズを使った音楽で個人的に印象的なのは、日本のロックバンドTHE HIGH-LOWS(ザ・ハイロウズ)の『ハスキー (欲望という名の戦車)』です。この楽曲の中で「幽霊船が」以下のように登場します。

★枯葉のような舟で ユーレイ船にあった
★そしてもう戻らない もう二度と戻らない
★うたおうハスキーボイス

 ハイロウズの場合の幽霊船はかなりポジティブな使い方をしていると思います。

  
 『ゴーゴー幽霊船』のサウンド面では、まずイントロですぐに楽器によるサウンドに入らず、タメを作っている点、サビの前の「デデデ電光板」といった点、サビの最後の歌詞を異なるメロディーで繰り返す点などが特徴的です。個人的には、Aメロの後ろで入るギターサウンドが非常に面白いと思いました。
 また、歌メロディーについてはサビを中心にヨナ抜き音階になっております。



 さて、最後に『ゴーゴー幽霊船』の音域について述べます。この楽曲の音域は地声最低音mid1A#(A#2)~
地声最高音mid2G(G4)で構成されています。低音がややきついかもしれませんが、全体として、一般的な音域の男性でも歌いやすい作品だと思います。逆に声が高い人は少しキーを上げた(#1~2程度)方がいいかもしれません。

 mid2Gに次ぐ高い音階としてmid2Dという音階が多く登場します。そうした意味で、『ゴーゴー幽霊船』は比較的歌いやすい高さなのではないかと思います。mid2Gが多く登場しますので、その点のよい練習台にもなります。

 一方で歌詞が非常に独特であり、あまり一般的でない漢字も使われています(例:発条【ゼンマイ】)。歌詞をちゃんと覚えておくというのは米津さんの楽曲を歌う上で非常に重要です。
  
 この楽曲を女性が歌う場合、キーが高い人と低い人では対応を変えた方が良いです。キーが低い女性は原曲キーから6程度(#6程度)上げると良いと思います。逆にキーが高い人はキーを4つ程度下げて(♭4)1オクターブ上を歌うと良いと思います。個人差がありますので、色々試してみてください。

 当ブログでこれまで取り上げてきた米津さんの作品についてはこちらを参考下さい⇒米津玄師の作品音域一覧

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする