『結ンデ開イテ羅刹ト骸』( ハチ ) の 音域

　まず、『結ンデ開イテ羅刹ト骸』（むすんでひらいてらせつとむくろ）についてです。この楽曲は、２００９年にボカロPのハチさん（男性シンガーソングライターの米津玄師）が発表したシングル作品です。アルバムとしては、２０１０年の同人アルバム『OFFICIAL ORANGE』に初収録されました。同アルバムには、『パンダヒーロー』、『リンネ』、『マトリョシカ』といった人気曲が収録されております。アルバム『OFFICIAL ORANGE』は２０１３年には全国流通盤として再販売されております。

　さて、『結ンデ開イテ羅刹ト骸』は２００９年には発表され、ハチとしては初のミリオンを達成した曲です。シャッフルのリズムが用いられたバンド曲であり、要所で和楽器も用いられています。全体的に不気味な雰囲気が漂っており、歌詞やMVにもそうした傾向が見てとれます。ただ、歌メロはシンプルであり、カラオケなどでも歌いやすいのではないかと思います（難易度が低いというわけではない）。


　『結ンデ開イテ羅刹ト骸』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。低音域にいくらか余地があるため、一般的には少しキーをさ上げた方が歌いやすいと思います。
　同曲はボカロ曲ということもあり、サビを中心にhiDなどが多く登場します。そのため、女性曲としては中高音寄りであり、ある程度高音域が得意な人の方がマッチしやすいです。一方、ボカロ曲の中では高音域がそこまで高くないので、ボカロ曲を歌いたいという人にとっては選択肢に入りやすいのではないかと思います。

　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。個人差はありますが、「原曲キーから4～5つ程度上げて、1オクターブ下のレンジを歌う」のが合いやすいのではないかと私は推定しております。



　最後に『結ンデ開イテ羅刹ト骸』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域としては高め（もしくは明確に「高い」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2AはAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内であり、「高音域が非常に得意な女性」なども無理なく歌えるレンジだと思います。

　次に、最高音hiDはAメロやサビで登場します。この辺りは女性の音域としては高めの音階です。そのため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください。
　ちなみに、同曲のサビ頭では【やいやい】というフレーズが登場します。この場面について、カラオケでは【hiD–hiC#[や]い[や]い]】が主旋律となっていますが、副旋律の【hiB–A#[や]い[や]い]】で歌うと、若干歌いやすくなるのではないかと思います。



　『結ンデ開イテ羅刹ト骸』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができると思います。ただ、今回の楽曲は音域がそれなりに広いため、ビギナーなどは一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
　今回の楽曲はメロディーは比較的覚えやすそうです。ただ、普段あまり使わない言葉が多いため、歌詞などはしっかり覚えていた方が良いと思います。

　『結ンデ開イテ羅刹ト骸』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiDといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はサビにあたる場面でこれらが多く登場します。ABメロについては一部高い場面があるものの、中低音が中心となります。
　こうしたことを踏まえると、「標準より高め～高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。今回はボカロ曲としては高音がやや控えめであり、カラオケなどでも合いそうな人が一定数おられると思います。


【まとめ】

①ABメロは中低音中心、サビは中高音が頻出
②原キーだと「標準より高め～高音域が得意な女性」に合いそう
③一般的にはキーを下げた方がより歌いやすそう（原キーから2つ程度下げる）