『ライラック』( Mrs. GREEN APPLE )の音域

こんにちは。今回はMrs. GREEN APPLEの『ライラック』(2024)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

　※当ブログがこれまでに取り上げたミセスの作品については、以下をご参照ください。『Mrs. GREEN APPLE』の音域一覧(まとめ)。

『ライラック』(Mrs. GREEN APPLE)









【地声最低音】mid1D(D3)　※2番のAメロとEメロ

★m1F[過ぎ]てゆくんだ今日[も] [この寿命の]通りに【Aメロ】
★m1G[されど] By my [side] 不安 喝[采] m1F#[連]帯 に]ごったりのF#[安]全]地帯【Bメロ】
★m1D[名]前m2F[も]無い役のような【2番Aメロ】


【地声最高音】hiB(B4)　※終盤で2回程度

★鼓動が揺m2F#–hiA#–hiB地^-m2G#[らす[この[大]地]と]ハイ]タッチ【ラストサビ[転調₊1]】
★hiA#–hIB地^-m2G#[忘[れ]ら]れ]ないB裏[な] hiB裏–m2G#地[今日]を] F#[生]きる為に


【裏声最高音】hiC#(C#5)　※ラストサビで1回

★雨が降るそのhiB裏–A#[あ]と[に] 緑が育つhiB裏–A#–hiC#–B[よ]う[に]ぃ])【ラストサビ[転調₊1]】


【補足】mid2F～hiA#を含むフレーズ一覧

★ほm2D#–m2F[こ[り]を被っているの【Aメロ】
★ほhiA#裏–hiA–m2G–F地[こ]り]が]光っ]て見えるように
★あm2E[さが]たの倦怠感 m2G裏–D#[三]番]ホーム 準急電車【Bメロ】
★m1F[あ]おに似た m2F–hiA–hiA#地^-m2G[すっ[ぱい[は]る]と]ライ]ラック【通常サビ】
★スhiA#裏–A–m2G[ピン]オ]フ]もつG地[くれ]ないよな【2番Aメロ】
★かm1G[げ]が[い]たいm2F[価]値F[なん]かF[無い]【Ｄメロ】
★m2F–m2G[や[さ]し]くなれない僕です
★不m2F–D#[か]ん]ぜ[んF[な]思いも 如何せん大事にしたくて【Ｅメロ】
★不m2F[安]だらm2G[け]の]日々でm1D[も] 愛してみる
★m2G#地–m2F#–E[す]べ]て]懸けた あの夏も【ラストサビ[転調₊1]】
★にm2F#–E[が]味]がm2G#地–F#[か]さ]なっても ひ[か]ってる【アウトロ】

　まず、『ライラック』についてです。この楽曲は、２０２４年にロックバンドMrs. GREEN APPLEによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとして発表されました。この記事を執筆時点（２４年４月）で最も新しいシングル曲であるため、現在アルバムには未収録です。

　さて、『ライラック』は、みかわ絵子さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『忘却バッテリー』のオープニングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、主題歌となった『ライラック』は既にストリーミングランキングでも上位に位置しております。Mrs. GREEN APPLEは活動再開以降人気が加速しており、新曲の注目度も非常に高くなっております。


　『ライラック』はアップテンポのバンド曲です。全体的に爽やかなバンド曲であり、イントロのギターリフなども印象的です。歌メロはAメロBメロサビと展開します。1番Bメロでは転調とともにリズムが変わるなど全体的に変化する点も多く、その点でも聴きどころの多い楽曲です。また、ラストサビでも転調が行われ、通常のサビよりも1つ高いキーとなります。
　同曲の作詞作曲は大森元貴さん、編曲は大森さんと久保田真悟さんによりなされました。久保田さんはこれまで多くのアーティストの編曲などに携わってきました。ミセスとも縁が深く、『ダンスホール』（過去記事）、『Magic』（過去記事）といった楽曲に携わっております。


　『ライラック』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域と比べ、高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいといえます。
　同曲は、低音域としてはmid1F辺りが歌えると形になりやすいです（最低音mid1Dはかなり聞き取りづらい）。男性曲としては低音が高く、その分中高音域も多くなります。hiA～hiB辺りの地声高音の回数は少ないですが、体感的には中高音寄りで高く感じやすい曲です。裏声の発声も不可欠ですが、ミセスの楽曲としては比較的取っつきやすいと私個人は推測ています。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度上げてみてください。ただ、今回は低音域がmid1F辺りでですので、「標準より低めの音域の女性」などは原曲キーがマッチする可能性もあります。mid1G辺りが多いため、低音域がある程度得意である必要があります。その辺りは各々歌唱してみて、微調整を加えてください。



　最後に『ライラック』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「高い」です。以下、見ていきます。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Dは２番AメロとEメロで登場します。登場回数は２～３回程度です。ただ、このmid1Dについては瞬間的な音であるため、かなり聞き取りにくく、人によっては最低音mid1Fだと感じることもあると思います。こうした点を考慮すると、低音域としてはmid1F辺りが安定して歌えると、形になりやすいといえます。

　次に、地声最高音hiBについては、ラストサビで登場します。登場回数は２回程度です（いずれもhiA#とのコンボ）。このhiBに次ぐ地声高音としては、通常サビでhiA#がピークとなる場面が全体で２回程度登場します。こうした点から、男性の音域としては高いといえます。今回は、mid2F-mid2G辺りの中高音域について、大森元貴さんは比較的柔らかい発声で歌われております。そうした点でも男性の音域としては高く、一般的にはいくらかキーを下げてた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『ライラック』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回は低音域としてmid1F辺りが比較的多いため、歌い慣れた人であればある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。一方、同曲は音域がそれなりに広いため、ビギナーなどはやはり難しい部分が多いのではないかと私は推測しました（ただし、ミセスの作品としては取っ付きやすい音域）。
　今回の楽曲は全体的に爽やかなバンド曲です。ただ一部音程が取りにくかったり、息継ぎが難しそうな場面、リズムが取りにくそうなところもあります。そうした点を考慮しても歌い慣れた人向けの楽曲と言えます。ただ、今回はミセスの作品としては裏声がシンプルですので、その点は少し歌いやすい可能性があります。原曲をしっかり聴き込んでおきたいです。

　『ライラック』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiB(裏声mid2G～hiC#)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回、地声hiA～hiBといった高音域についてはサビを中心に登場しますが、登場回数はそこまで多くありません。一方、今回はmid2E～mid2G辺りが比較的多いのですが、大森さんの発声は柔らかです。
　こうした点を考慮すると、「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低め～やや低めの音域の女性」なども原曲キーが視野に入る可能性があります。
　一方、メロのアップダウンが激しく、意外と低音も多いため、MY FIRST STORYやクリープハイプといったバンドがマッチする男性だと、キーを上げた方がより歌いやすい可能性があります。

　※当ブログがこれまでに取り上げたミセスの作品については、以下をご参照ください。『Mrs. GREEN APPLE』の音域一覧(まとめ)。


【まとめ】

①低音が意外と高い分、中高音寄り（ミセスの作品としては広くない音域）
②原キーだと「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などに合いそう
③「低め～やや低めの音域の女性」も原キーが合う可能性がある（低音が少し辛いかも）
④ノリの良い作品だが、音程やリズムなど変化が多い。しっかり聴き込んでおきたい