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『絶え間なく藍色』(獅子志司)の音域

こんにちは。今回は獅子志司さんの『絶え間なく藍色』(2019)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。なお、今回はセルフカバーver.をベースに音域調査しています(ボカロ版は1オクターブ上のレンジになります)。


『絶え間なく藍色』(獅子志司)
『絶え間なく藍色』(獅子志司)の音域








【地声最低音】mid1F(F3) 

m2D[あ]てのm2A[ない]m2F[前]線にどうしm1F[て]【Aメロ】
★僕m1G[らは]希望持っ[て] m1F[お]それ[ては]叫んだ
m1G[え]いよなんて案[外ノm1F#[リ]【Bメロ】
m1G[稀]代のm1F#[未]来をm1G[掲]げるくらいの【サビ】
m1G[oh] oh [oh] oh 二兎追う者のm1G[み]【Dメロ】


【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で28回

★如m2Gm2F[何]せん]アイロニーm1G[告]げてタイトに【Bメロ】
★不甲斐ないm2D#m2F[ゆ[め]は][う]m2F#m2G[分[です]
m2GF[大]乱戦の]オーダーメイド G[やっ]た者勝]ちに躊躇【サビ】
m1G[捨]てされ左脳も意m2GF[地]も]
m2G地F[突い]て上がれ]hiA#裏[少][年G[A]よ]
m2GF[悔い]はないと]心臓[売っ]【ラストサビ】
★限りないm2D#m2F[この[ぉ] うm2GF#[き]世]に笑おう


【裏声最高音】hiD#(D#5) ※ラストサビ前で登場

★絶え間hiC裏hiA#[な]いが] hiA#裏hiCDhiD#[と[ど[か[な]い]の]は嫌な][だ]


【補足】mid2D#hiDを含むフレーズ一覧

m2D[エ]ゴのm2A[満]D[理]性の2A[冷]【Aメロ】
★無知の彼はぼm2DD#[く[の][じょ]う])
m1G[目覚]めればまm2Dm2D#[た[藍]い]ろに【ラストサビ前】
m2G[勝]算なんてない hiD裏ChiA#[ま]だ]だ] A#裏A([ぼ][は])【ラストサビ】
m1G[銃]を持ってうm2Dm2FD#[れい[を放]て]時代を[あ]らわに【ラスト】

 まず、『絶え間なく藍色』についてです。この楽曲は、2019年にボカロPの獅子志司(しししし)さんによりリリースされたシングル作品です。同作は、獅子志司さんの作品の中でも特に人気を集めるボカロ曲であり、ニコニコ動画では100万再生を達成しています。また、歌い手などからも多くカバーされております。

 『絶え間なく藍色』はギターやピアノが基調となったミドルテンポのバンド曲です。ボーカルなどからも想起されるに、ダウナーなニュアンスがあり、どことなく影のある世界観が魅力的です。歌唱する際は低音域などをしっかり意識してみるとよさそうです。ボカロ曲として発表されましたが、獅子志司さんもセルフカバーしており、そちらも参考になります。


 『絶え間なく藍色』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。原キーで歌唱可能な方も多いかもしれませんが、場合によっては少しキーを下げてみてください。
 同曲の中高音はmid2D~mid2G辺りが多く見られます。最近のJ-POP男性曲と比べると高音はやや控えめですが、全体的に中高音が多い分、「標準よりやや高め」ではないかと私は判断しました。また、登場回数は多いですが、低音域としてはmid1G辺りが多く、この辺りを考慮してもやや高めのニュアンスがあります。「標準的な音域の男性」が原キーで歌うことも可能かもしれませんが、原曲のような気だるい感じを表現したい場合、「中高音寄りの声域の男性」の方が合いやすいと私は推測しています。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。ただ、今回の楽曲は、低音がそこまで低くないため、女性が原曲キーで歌うことも一応は可能であります。2020年には女性歌手のAdoさんが同曲を原キーでカバーしているため、そのバージョンを参考にしながら練習してみるのも良さそうだと感じました(低音域の練習におすすめ)。



 最後に『絶え間なく藍色』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(体感的には「やや高め」の可能性がある)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。また、低音域としてはmid1G辺りが多く見られます。おおよそ男性の音域の範囲内であり、歌いにくい部分はそこまで多くないと思います。ただ、女性や「高音域が非常に得意な男性」はキーを上げることも選択肢に入れてもよいかもしれません。

 次に、地声最高音mid2GはBメロやサビで登場します。登場回数は28回と多いです。今回は全体を通してmid2D~mid2G辺りが比較的多いので、体感的には少し高く感じやすいのではないかと私は推定しました。原キーで歌える人も多いかもしれませんが、一般的にはキーを少し下げた方が歌いやすい思います。一つの目安ですが、原キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『絶え間なく藍色』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。
 今回の楽曲は、裏声が高い分音域自体は広めなのですが、全体でみると地声での歌唱が多く、裏声が用いられる場面は多くありません。地声レンジについてはmid1F~mid2G辺りであり、体感的な音域はそこまで広く感じないのではないかと私は推測しています。キー調整を考慮すれば、ビギナー向けの調整もある程度可能であると思いますが、獅子志司さんのような歌唱ニュアンスを表現しようとすれば、やはり歌い慣れておく必要があります。

 『絶え間なく藍色』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2G(裏声はmid2G~hiD#辺り)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2D~mid2G辺りの地声高音が多いです。一方、低音域は男性曲としてはやや高めですが、mid1G辺りが多いです(女子だと少し歌いにくい)。裏声はラストサビ前で顕著に見られますが、頻度としては少なめです。
 こうした点を考慮すると、「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「低音域が得意な女性」なども原キーでチャレンジしてみてもよいかもしれません(Adoさんのカバーなどが参考になりうる)ボカロ曲としては比較的取っつきやすいのではないかと私は分析しています。


【まとめ】

①最高音はそこまで高くないが全体でみるとやや中高音寄り
②音域は広いが、裏声が使われる場面は多くない
③原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な男性」などに合いそう
④女性はキー上げ推奨だが、原キーで低音を練習するのも悪くない(Adoがカバーしてる)
⑤ボカロ曲としてはかなり歌いやすい方

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