『夏のコスモナウト』(スキマスイッチ)の音域

　まず、『夏のコスモナウト』についてです。この楽曲は、２０１４年に音楽ユニット・スキマスイッチによりリリースされたシングル作品『Ah Yeah!!』のカップリング曲として収録されています。アルバムとしては、同じ年に発表されたアルバム『スキマスイッチ』に収録されました。また、20周年記念のベストアルバム『POPMAN’S WORLD -Second-』にも収められております。

　『夏のコスモナウト』はミドルテンポの爽やかなバンド曲です。歌メロはAメロBメロサビと展開します。同曲は２０１４年全国高等学校総合体育大会公式応援ソングに起用されております。全体的にメロがよく、前向きな夏らしい楽曲で、カラオケなどで歌うと気持ちよさそうです。作詞作曲編曲はスキマスイッチによりなされました。


　『夏のコスモナウト』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高め～高いレンジで歌メロが作られています。低音域に若干余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲はAメロBメロでは中低音と中高音が混在して、サビは中高音が頻出します。そうしたこともあり、音域が広く、全体的に中高音に寄った歌メロになっています。中高音域が得意な人に合いやすいレンジですが、低音域はmid1C#などが登場するため、「高音域が非常に得意な男性」などは少し注意してください。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は最低音がmid1C#であり、mid1Eなどもよく見られます。こうした点を考慮すると、いくらかキーを上げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから３～５つ程度上げてみてください。



　最後に『夏のコスモナウト』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め～高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1C#はAメロで登場します。このmid1C#は男性の音域の範囲内ですが、人によっては若干低音感があると思います。「高音域が非常に得意な男性」などは少しキーを上げてもよいかもしれません。

　次に、地声最高音hiBはサビで登場します。登場回数は２回程度です。このhiBに次ぐ地声高音としては、mid2G#がピークとなる場面が全体で１５回、mid2Gが７回、mid2F#が２６回程度登場します。こうした点を考慮すると、一般的な男性の音域としては高いといえます。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。
　※今回の楽曲はhiBが登場する場面が限定されております。高音域が得意でない方は、「地声hiBを裏声」で歌うのもよいのではないかとも感じました（ニュアンスは少し変わりますが…）。


　『夏のコスモナウト』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回の楽曲は音域が広いため、人によっては一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。そうした点から、ビギナーの練習曲としても少し使いにくい可能性があります。
　同曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムなども取りやすいと思います（カラオケ向き）。ただ、今回の楽曲は歌メロがやや速めであり、サビなどは少し息継ぎもしにくそうです。 歌詞などをしっかり覚えた上で、意識的にブレスは入れたいです。また、２番サビとラストサビは連続して歌われますので、後半は体力的にも注意したいです。

　『夏のコスモナウト』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiB(裏声はhiBやhiC#まで)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2E辺りは全体的に多く、mid2F#以上はサビを中心に多いです（地声hiBは少なめ）。反面、低音域についてはmid1C#が見られ、mid1E辺りが多いです。
　こうした点を考慮すると、「(ある程度)高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は分析しました。「高音域が非常に得意な男性」については、キーを上げた方が歌いやすい人もいる可能性があるので、その辺りは各々キー調整を加えてください。


【まとめ】

①ABメロは低音と中高音が混在。サビは中高音（音域が広く、やや中高音寄り）
②原キーだと「(ある程度)高音域が得意な男性」などに合いそう
③メロは分かりやすくカラオケ向き
④歌メロがやや速いので、息継ぎなどに注意したい
⑤後半はサビが連続するので、体力も注意