『Dystopia』(ONE OK ROCK)の音域

こんにちは。今回はONE OK ROCKの『Dystopia』(2024)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

『Dystopia』(ONE OK ROCK)

【地声最低音】mid2A(A3)　

★m2A[We] m2B[blame it on a whisper]【Aメロ】
★m2E[My co]lors bleed, I’m tur[ning blue]m2A【Bメロ】
★2F#[We] got no place to go m2A[and]

【地声最高音】hiD(D5)　※全体で５回程度

★no[thing]m2F# hiA[to] hiD地–C#[lo]se]【Bメロ】
★hiA–hiC#^-B[Dys[to]pi)[a] A–C#–hiD地^[Dys[to[pi]a]【2番/ラストサビ】

【裏声最高音】hiC#(C#5)　※Dメロで登場

★Connec[ting]hiC#裏 B–A[you] and] I It’s on[ly]C#裏 B[up]【Dメロ】

【補足】mid2G#(一部略)～hiC#を含むフレーズ一覧

★hiA地–m2G#–F#[Try]in’ to] find] some inner peace【Aメロ】
★m2A–hiA^[Find eu[pho]ria] 2A–hiB地–A–G#[in dys[to]pi]a]【サビ】

★hiC#地–hiA–G#[Let] our] souls [be]come [the] mag]nets

★hiA[No] run[ning] from [the] B–hiC#地^[sad[ne]ss]

★And I’m hiC#地–B–A[still] ho]lding] tight【Dメロ】

　まず、『Dystopia』(ディストピア)についてです。この楽曲は、２０２４年にロックバンドONE OK ROCKによりリリースされたシングル作品です。配信限定シングルとして発表されました。この記事を執筆時点でフィジカルでのリリースはありませんが、２０２５年２月にリリース予定のアルバム『DETOX』に収録が見込まれています。

　『Dystopia』は日本テレビ系のニュース番組「news zero」のエンディングテーマとしてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、ストリーミングランキングなどでもチャートインしており、人気曲となっています。ちなみに、この枠は過去にOfficial髭男dismの『日常』（過去記事）、椎名林檎さんと宮本浩次さんの『獣行く細道』（過去記事）などが起用されております。

　『Dystopia』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、ロック系の曲ということもあり、声を張った力強い発声が特徴的です。中高音としては、hiA～hiDなどの高音が多く見られ、男性の音域としてはかなり高いです。低音域についてもmid2Aであり、男性曲としては高いです。こうしたことから、相対的に高音域が得意な男性にマッチしやすい曲といえます。

　女性が同曲を歌唱する場合、人によっては原曲キーが合うという人もおられるのではないかと思います。ただ、今回はサビを中心にmid2AーhiAーmid2Aといったメロの上下が見られます。そのため、「高音域が得意（or非常に得意）な女性」などは少し歌いにくい可能性があります。その点は留意しておいてください。

　最後に『Dystopia』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2AはAメロ～サビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、男性曲としては低音が高い分、相対的に中高音域が多く登場することが分かります。また、今回はmid2Aの回数が多いため、「高音域が非常に得意な女性」などは若干歌いにくいかもしれません。

　次に、地声最高音hiDはBメロや2番サビ、ラストサビなどで計５回登場します。このhiDに次ぐ地声高音としては、hiC#がピークとなる場面が全体で１３回、hiBが９回、hiAが３９回登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから5つ程度下げてみてください

　『Dystopia』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回の楽曲は男性曲としては高音が高いため、一般的な男性にマッチするレンジに調整するには多くのキー調整が必要になります。その点で違和感などを感じやすいかもしれません。
　今回の楽曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。ただ、サビの一部でメロのアップダウンが目立つ場面があり、そうした点は少し歌いにくい可能性があります。また、歌詞が英語詞である点なども取っ付きにくいかもしれません。反面、高音が際立つため、歌いこなせると気持ちよさそうな楽曲です。

　『Dystopia』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiDといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回は全体的に中高音寄りの曲であり、単純に音域だけを見ると女性曲と近似します。
　こうした点を考慮すると、「高音域が非常に得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、女性については、「標準よりやや低め～標準より高めの音域の女性」なども原キーが合うかもしれません（「高音域が得意（or非常に得意な）女性はキーを上げてもよい」）。女性にとっては若干低音が歌いにくい可能性がありますが、音域的には女性の方がマッチしうる曲です。

【まとめ】

①男性曲としては高いレンジが続く曲
②原キーだと「高音域が非常に得意な男性」などに合いそう
③音域的には女性の方が合うかも（ただサビは低音が少し歌いにくいかも）
④歌詞が英語詞であるため、その辺りは慣れが必要
⑤メロ自体は分かりやすい。音域が合うのであればカラオケ向き