『Wonder』(ONE OK ROCK)の音域 [2021年の作品]

　まず、『Wonder』（ワンダー）についてです。この楽曲は、2021年に4人組ロックバンドONE OK ROCKによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、ダウンロードやストリーミングで配信されております。
　同曲は、2020年の10月にZOZOマリンスタジアムで開催された無観客ライブで初披露されており、1年越しにリリースされる運びとなりました。ライブ名が「ONE OK ROCK2020“Field of Wonder”at Stadium Live Streaming」ということもあり、バンドとしては重要な位置づけにある楽曲だと思います。

　2021年のONE OK ROCKは『Renegades』、『Broken Heart of Gold』が実写版映画の『るろうに剣心』の主題歌として起用され話題になりました。ただ、バンドとしてはコロナ禍ということもあり、依然として活動を制限されている状況にあります。そうした中で、ライブで披露された『Wonder』という楽曲は非常に大きな意味を持っております。


　『Wonder』はアップテンポのバンド曲であります。ギターのリフなどが非常に心地よく、アリーナロック（日本でいうところのスタジアムロック）などを想起させられます（ライブでオーディエンスとともに合唱できそうな作品であります）。歌メロはAメロBメロサビといった形で作られており、サビはオーディエンスと一緒に歌えるようなアンセムになっております。
　先にも述べたように、新型コロナの影響で、バンドをはじめ、多くのエンターテインメントは活動を制限されている事態であります。そうした中でリリースされたスタジアムロック『Wonder』は、ONE OK ROCKのライブへの渇望、コロナ禍が収束することの願いが込められているように感じました。


　『Wonder』の音域的な特徴についてです。同曲は男性としては高いレンジで歌メロが作られております。具体的には、地声最高音hiBのロングトーンが求められるなどするため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　また、低音については一部mid1F#辺りが登場しますが、こちらも男性曲としては高めのレンジとなっております。そのため、女性などが原曲キーで歌うことも可能です（一般的には、少しキーを上げた方が歌いやすいとは思います）。


　最後に『Wonder』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はＢメロで登場します。ここは【Yeah】の部分ですので、あまり厳密なこだわらなくてもよいと思います。低音の基準としては、mid2A辺りにしてもよいかもしれません。

　このmid2A辺りは一般的な男性の音域の範囲内であり、比較的発声しやすい声域ではないかと思います。また、女性の音域の範囲内でもあります。そのため、女性が原曲キーで歌唱することも一応は可能だと思います。ただ、女性の場合、声域的には、女性としてはやや低め～標準的くらいの人が原曲キーに合いやすいと思います。

　一方、地声最高音hiBはＢメロ等で登場します。ここはロングトーンで歌われており、男性としては高い音階になるのではないかと思います。通常は、キーを下げた方が歌いやすいです。目安としてですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。

　『Wonder』は低音域に余裕があり、キー下げはしやすいです。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに合わせることができると思います。また、音域面だけでいうと、ビギナー向けの調整も可能といえば可能だと思います。
　ただ、同曲はボーカルTakaさんのハイトーンなどが活かされております。そのため、キー調整をするにしてもしっかり歌い慣れておく必要があります。また、ある程度高いレンジに設定した方が、原曲のような表現に近づきやすいです。私としてはキー調整をするにしても歌い慣れた人向けの楽曲であると分析しております。

　『Wonder』を原曲キーで歌唱する場合、Bメロで登場しる最高音hiBなどがしっかり歌いこなせる力が求められます。先述しておりますが、同曲は低音域が男性としては高めであり、その分mid2E～mid2G#などの中高音域の頻度が高いです。その点でも、安定した歌唱が求められます。
　よって、原曲キーの場合は、高音域が得意な男性が合いやすいと思います。また、女性なども原曲キーで歌唱可能です（声域的には、「やや低め」くらいの方が合いやすい）。

　『Wonder』はライブでの歌唱が想定されたロックアンセムであります。コロナ禍ということもあり、なかなか難しいですが、カラオケで歌う際は、大勢で歌うと楽しいかもしれません。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。