『星座になれたら』( 結束バンド ) の 音域

　まず、『星座になれたら』についてです。この楽曲は、２０２２年にアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』に登場するロックバンド【結束バンド】によりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、同じタイミングでリリースされたアルバム『結束バンド』に初収録されました。

　　『星座になれたら』は、はまじあきさんの同名漫画を原作としたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』の１２話挿入歌として使用され、配信シングルとしてリリースされました。作中では、文化祭のライブの１曲として同曲が演奏・歌唱され、話題を呼びました。ストリーミングランキングでも上位に位置しているほか、アニプレックスで公開されているリリックビデオも６５０万回もの再生回数を記録しております（２０２３年１月現在）。


　『星座になれたら』はミドルテンポのバンド曲です。結束バンドの作品の中ではオシャレな趣のあるロックです。歌メロについてはAメロBメロサビと展開しますが、メロ自体も分かりやすく、親しみやすいのではないかと思います。作詞は樋口愛さん、作曲は内藤英雅さん、編曲は三井律郎さん、ボーカルは喜多郁代（CV 長谷川育美）が担当しております。三井さんはアルバム『結束バンド』でも１４曲中１２曲のアレンジを担当されております。

　『星座になれたら』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはやや高め、もしくは高めのレンジで歌メロが作られております。低音域には余地があり、キー下げは可能です。
　同曲はAメロBメロ辺りは滅茶苦茶には高くないのですが、サビではhiA#やhiCの頻度が高く、hiCは全体で３０回前後登場します。そのため、見た目の音域以上に高音感があるのではないかと思います。

　ちなみに、男性が同曲を歌う場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。高音域が得意な人だと原曲キーで歌唱することも出来そうですが、ボーカルの声質などを考えると、このレンジをポップで軽やかに歌いこなすのは男性だとかなり難しいのではないかと思います。



　最後に『星座になれたら』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)～【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、やや高め（もしくは高め）です。以下、見ていきます。
　まず、地声最高音hiCはサビを中心に登場します。hiCは女性の音域の範囲内ですが、登場回数は25回以上と非常に多いです。原曲キーで歌える人も多いかもしれませんが、人によってはは少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は判断しました。一つの目安ですが、原曲キーから1つ程度下げてみてください。


　『星座になれたら』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。同曲は音域自体は滅茶苦茶には広くないので、歌い慣れた人であれば自分の得意なレンジに調整することができそうです。一方、ビギナー向けの調整も可能ですが、もしかしたら、一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。もしキー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。

　『星座になれたら』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC（裏声hiC#）といった高音レンジをしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは、女性の音域の範囲内ですが、先述のように、hiA#～hiCの登場回数が多いです。そのため、音域以上に高音感があるのではないかと私は推測しております。これらを踏まえると、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいのではないかと私は分析しました。


　『星座になれたら』は爽やかなバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすそうです。また、アニメでは印象的な場面で流れ、思い入れの強いファンも多いと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。