同曲は、アーティストおよびレーベルの公式チャンネルでは浜田さんのライブの映像が公開されております。そのため、当ブログにおいてもその動画を添付いたします。
『悲しみは雪のように』(浜田省吾)、Kanashimi ha Yuki no You ni(Shougo Hamada)
【地声最低音】mid1D(D3)
★m1D[き]みの肩に悲しみm1E[が] m1E[ゆ]きのように積もる夜には【Aメロ】
★こm2D[ど]くで 君のからっぽの m1E{そ]のグラスを1E[満]たさないで【Bメロ】
★m1E[気付か]m2E–D[ずに]ぃ] m1D[と]おり過ぎてく【サビ】
【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で13回程度
★m1D–m2E[誰]もが]ぁ m2G[oh] F#[oh] [oh] G[oh] F#[oh] [oh] oh【サビ】
★m2F#–m2G[こ[わ]れる][まで]m2E 抱きしめ[るが]いい【Dメロ】
【補足】mid2D~mid2F#を含むフレーズ一覧
★m1E–m2E[なみ[だを]人にm2D–E[は[見せ]ずに]【サビ】
★m2E[君の幻想(ゆめ)] とm2F#[きのな]かm2E[で]ぇ【Dメロ】
まず、『悲しみは雪のように』についてです。この楽曲は、1981年に男性シンガーソングライターの浜田省吾さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年の『愛の世代の前に』に初収録され、2か月後にシングルカットされました。この時の編曲は、西城秀樹さんや村下孝蔵酸などで知られる水谷公生さんが担当されました。
同曲は1992年にドラマ『愛という名のもとに』の主題歌に起用されたのですが、その際に大きくリアレンジされ、シングルとして再発売されました(編曲を星勝さんが担当)。私自身も2曲を比較しましたが、歌メロについては同じなのですが、雰囲気が大きく変わっており、後者は非常にドラマチックに感じました。編曲に興味のある方は、この2曲を聞き比べてみても面白いかもしれません。
『悲しみは雪のように』は1992年の再アレンジバージョンが大きくヒットし、CDシングルとして170万枚以上のヒットを記録します。1992年の年間CD売上枚数第2位を記録しました(1位は米米CLUBの『君がいるだけで』)。また、浜田さんのYouTubeチャンネルで公開されてるライブの映像は、2023年1月現在、3000万回を超える再生回数を記録しております。
当時、浜田省吾さんは、アルバムとしては週間1位を記録したことがありましたが、シングルとしてはトップ10に入った記録は過去にありませんでした。そうしたこともあり、この『悲しみは雪のように』は浜田さんの代表的な作品として列挙されることも多いです。テレビなどで紹介される際は、この1992年のバージョンが使われることが多いように感じます(恥ずかしながら、私も記事を書くまで、1981年のバージョンを知りませんでした)。
『悲しみは雪のように』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。低音域には若干の余地があるため、キー下げは可能です。
同曲は、AメロBメロでは低音域がを中心に展開され、サビでは中高音域が登場します。ただ、サビについては最低音mid1Dなどが登場するため、アップダウンが激しいです。そのため、低音の雰囲気を残しつつ、高音域も使いこなす歌唱が要求されます。
ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3~4つ上げるとより歌いやすいのではないかと私は推測しました。
最後に『悲しみは雪のように』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1DはAメロ~サビまで広く登場します。このmid1Dは男性の音域の範囲内ですが、今回は登場回数が多く、人によっては低く感じやすいと思います。高音域が得意な男性はキーを上げることも選択肢です。
同曲はmid1D,mid1E辺りが比較的多いため、女性が原曲キーで歌唱するのは非常に大変です。先述のように、原曲よりも3~4つ程度キーを上げてみてください。
次に、地声最高音mid2Gはサビで登場します。フェイクの部分を含めてですが、登場回数は13回です(歌詞のある場面だと2回のみ)。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、高音域が苦手な方はやや歌いにくく感じられるかもしれません。そうした方はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
『悲しみは雪のように』は低音域に若干の余地があり、少しならばキー下げは可能です(逆にキー上げはしやすい)。ただ、先述のように最低音mid1Dが多く登場するため、キーを下げ過ぎると、逆に低音が難しくなる可能性があります。その点は留意しておいてください。私個人としては、ビギナーなどの練習曲としては、他にもより歌いやすい曲があるように感じます(同曲は、雰囲気を出すには力量が求められます)。
『悲しみは雪のように』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2G辺りの中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、慣れていない人だとスムーズな発声が損なわれやすいです。そのため、弛まぬ練習が不可欠です。一方、最低音mid1Dも比較的多いため、低音~高音まで安定している必要があります。
これらを踏まえると、「標準的な音域の男性~標準より高めの音域の男性」などが原曲キーにマッチしやすいのではないかと私は分析しました。逆に、高音域が得意な人だと、低音が歌いにくく、原曲の雰囲気を出すのが難しいかもしれません。
『悲しみは雪のように』はスローなバンド曲であり、今も多くの人に愛されております。浜田省吾さんはあいみょんさんやミスチルの櫻井和寿さんなどにも影響を与えた歌手でありますので、私自身ももっと深く追求してみたいと感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。