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『魔法のじゅうたん』(くるり)の音域と感想

 こんにちは。今回はくるりの『魔法のじゅうたん』(2010)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。くるりはキーが低いため、声が低い男性、歌い慣れていない男性にもお奨めできます。


『魔法のじゅうたん』(くるり)、Mahou no Juutan(Quluri)


『魔法のじゅうたん』(くるり)










地声最低音   mid1C#(C#3)

★君のこと沢山知ってるつもりだったm1C#[]
★だけ[]1C# こんなにも分からなくなるなん[]


地声最高音  mid2E(E4)※サビ

★夢見がちだった風景を変える これ[か]らのことだろう

裏声最高音  mid2E(E4) Bメロ部分

★強い向かい風が頬をかすめ[るー]


 まず、『魔法のじゅうたん』についてです。この楽曲は2010年にシングルとしてリリースされ、その後、アルバム『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』にも収録されました。大鵬薬品「チオビタドリンク」のCMソングとして、タイアップも付いております。

 くるりの楽曲はYouTubeでフル配信されてる作品は少ないですが、この『魔法のじゅうたん』はフル配信されております。2019年現在、公式チャンネルで330万回の再生回数を記録しています。

 くるりの音楽性として、これというものはあまり強くないと思います。デビュー当初はストレートなギターサウンドだったのですが、テクノ色の強い作品、ハウス、エレクトロニカ、クラシック、民族音楽など様々なジャンルの音楽を横断しております。

 そうした中で、『魔法のじゅうたん』は非常に馴染みやすいサウンドワークだと思います。クリーンなギターサウンドを基調としながら、メロディーライン、楽曲構成も聴きやすいものになっております。
  
 歌詞については恋人との別れを描いたものであります。やや遠回しな表現ですが、それがかえって歌詞の世界観を広げていると思います。「魔法のじゅうたん」というアイテムもそうした役割を果たしており、別れの歌でありますが、リアルな描写だけでなく、どこかファンタジー性を感じます。そうした点で非常にユニークです。

 個人的には「それゆけピアノ 青空に乗って」というフレーズが好きです。ピアノの音色が生き物のように感じます。「そして僕は君を絨毯で まだ見ぬ世界へと連れてゆく 遠くなっても近くにいるようなんだ」という箇所も非常に耳を引きます。

 余談ですが、「魔法のじゅうたん」というアイテムは「アラビアンナイト」をはじめとして、様々な童話や物語に登場します。くるりの岸田繁さんはロールプレイングゲームの『ドラゴンクエスト』にも大きな影響を受けており、音楽家のすぎやまこういち氏のことについてもよく言及されています。『魔法のじゅうたん』はドラクエのアイテムなどから着想を得たのかもしれません。






 『魔法のじゅうたん』の音域についてですが、地声最低音mid1C#(C#3)~地声最高音mid2E(E4)、 裏声最高音mid2E(E4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内といえると思います。

 「mid2Fやmid2Gの音階は声の出し慣れていない男性は苦労することもある」ということは以前より申しております。しかし、『魔法のじゅうたん』の最高音はmid2Eであり更に低音です。普段カラオケにほとんど行かないし、高音も出ないという人でも手を出しやすい楽曲ではないでしょうか。

 逆にカラオケなど歌が得意な人にとってはややキーが低い楽曲かもしれません。歌う慣れている人の場合は、キーを2~3程度上げて(#2~#3)も良いかもしれません。

 くるりの作品には最高音がmid2E~mid2F程度の比較的歌いやすい楽曲が多いです。個人的には『ワンダーフォーゲル』という曲がキーも高くなく、ノリも良くお勧めです。『ワンダーフォーゲル』についてはMVがフル公開されておりませんが、いずれまた取り上げたいと思います。

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