こんにちは。今回はくるりの『ワンダーフォーゲル』(2000)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。くるりは『魔法のじゅうたん』以来、2回目の登場です。
『ワンダーフォーゲル』(くるり)、Wandervogel(Quruli)
【地声最低音】mid1C#(C#3)
★[つ]まらない日々を 小さな躰に(Bメロ)
【地声最高音】mid2E(E4)
★悩ましい僕らも 歩き続ける 歩き続け[る](Aメロ)
【補足】サビの最高音はmid2D
★こんなにもすれ違[て] それぞれ歩いてゆく 強い向かい風吹く
まず、『ワンダーフォーゲル』についてです。この楽曲は2000年にロックバンドくるりによってリリースされたシングル曲です。2001年にアルバム『TEAM ROCK』に収録されました。ライブの定番曲であります。
『ワンダーフォーゲル』のサウンドについてです。この楽曲は四つ打ちのビートが取り入れられております。四つ打ちはもともとディスコサウンドとして欧米で1970年代頃に始まったものです。日本では90年代の小室哲哉さんがプロデュースする楽曲の特徴の一つとしても知られています。
00年代以降ロックバンドが四つ打ちのビートを取り入れることが当たり前になってきましたが、『ワンダーフォーゲル』はその先駆けとも言える楽曲の一つではないかと思います。それ以前もそうした楽曲は存在すると思いますが、この頃からロックバンドが四つ打ちの楽曲を制作することが増えていった印象です。アルバムの『TEAM ROCK』もディスコミュージック寄りの楽曲を包含した作品になっております。
歌詞についてはやや抽象的ですが、「別れの歌」なのではないかと私は解釈しております。サビの部分の「ハローもグッバイも サンキューも言わなくなって こんなにもすれ違っ それぞれ歩いてゆく」というフレーズから「別れの歌」であると連想しました。
タイトルの『ワンダーフォーゲル』とは「渡り鳥」という意味もありますが、「山などで行われる野外活動」も意味します。歌詞に「僕が何千マイルも歩いたら」とあるように、そうした「渡り鳥」と「野外活動」の2つの意味が歌詞の中で想起されるようになっています。
歌詞の中では「僕」が「君」に対し、「 僕が息絶えた時 渡り鳥のように何食わぬ顔で飛び続けるのかい」と発しています。どことなく、「僕」に対してドライな「君」の姿が浮かんで見えます。抽象的ですが、非常に良い歌詞だと思います。
さて、『ワンダーフォーゲル』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3) ~【地声最高音】mid2E(E4) でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内であると言えます。
最高音のmid2Eは普段カラオケなどで歌い慣れていない人でも届きうるキーです。楽曲全体を通してもAメロで2回しか登場しませんので、最悪外してしまってもあまり目立たないと思います。そうした意味で『ワンダーフォーゲル』は普段歌い慣れていない人にもお奨めしたい楽曲の一つです。当然、ある程度歌い慣れていた方が上手く歌えますので、努力するに越したことはありません。
また、『ワンダーフォーゲル』は歌メロディーも決して速いテンポではありません。また、四つ打ちのビートであるため、カラオケなどでも盛り上がりやすいと思います。
①高くないキー
②歌いやすいメロディー
③跳ねるリズム
という3点において、個人的にはカラオケなどでお奨めできる一曲です。知名度自体はあまり高くないので、その点においてはマイナスであるかもしれません。ただ、楽曲自体は古さを感じないと快作だと思います。メロディーの構成も(AメロBメロサビ)×2、ラストサビという分かりやすい形です。