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『MY FIRST KISS』(Hi-STANDARD)の音域

こんにちは。今回はHi-STANDARDの『MY FIRST KISS』(2000)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。
 なお、今回、ハイスタの別の曲を取り上げる予定でした。ただ、『MY FIRST KISS』について、他のネットの分析では情報にミスがあると感じました。そのため、カバー曲ではありますが、今回は後者を優先させたいと感じました。


『MY FIRST KISS』(Hi-STANDARD)
『MY FIRST KISS』(Hi-STANDARD)の音域







【地声最低音】mid2A(A3) 

★Can’t m2E[get] m2F#[no] [sleep] toni[ght]m2A【Aメロ】
★It’s all because m2A[of] [y]ou
m2A[cheeks are] bur[ning]m2E [re[d]m2F# for 2A[you]【Bメロ】


【地声最高音】hiB(B4) ※サビで12回程度

★I will hiA[give] hiB[you] A[all] my love【サビ】
★Why is hiA[it] hiB[I]A[feel] this sweat G#[and] F#[ten]der【サビ】


【補足】mid2F#hiCを含むフレーズ一覧

hiA[At] hiC[last] A[at] C[last] m2F#[oh] m2G#[oh] F#[oh] oh… 【Bメロ】
m2A[It] is my 2A[first] kiss m2F#[ch]u 2A[kiss wi]th F#[yo]u【サビ】
★Oh…m2F#[I] hiA[don’t] [know] why
★Can’t m2F#[hold back] Be [in] love m2A[with you]
★Oh…I don’t know why It is my first kiss chu Kiss with m2F#G#[yo[u]【2番サビ】

※☆のhiCは参考程度で、メロの最高音には含めませんでした。

 まず、Hi-STANDARD(ハイスタンダード)について少し説明します。ハイスタことHi-STANDARDは1991年より活動するパンク・メロコアバンドです。日本では1990年代末頃にメロコア・パンクのブームが起き、多くのバンドが飛躍しますが、その中でもハイスタは特に人気の高かったバンドの1つです。
 ハイスタのメロコアサウンドは後世に大きな影響を与え、2000年代前半のいわゆる【青春パンク】以降につながっていきます。セールス面ではアルバム『MAKING THE ROAD』がインディーズながら、国内で65万枚を超える大ヒットを記録しました。日本のロック・パンクを語る上でも特に重要なバンドだといえます。


 『MY FIRST KISS』についてです。この楽曲のオリジナルは、1990年頃にアニメ『キテレツ大百科』の主題歌『はじめてのチュウ』(歌:あんしんパパ[実川俊晴])としてリリースされました。同曲は、アニソンとして知名度が高く、今もカバーされております。

 『はじめてのチュウ』は、2000年に日本のパンクロックバンドHi-STANDARDのシングル作品『Love Is A Battlefield』の1曲『MY FIRST KISS』として、英訳されメロコア調にカバーされます。同シングルは50万枚近いCDセールスを記録し、『MY FIRST KISS』についても大きく知られるようになりました。同曲はカバー曲でありながら、原曲と同様に後世にカバーされております。


 『MY FIRST KISS』の音域的な特徴についてです。同曲は、アッパーなメロコアナンバーですが、そうしたこともあり、男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域には余地がありますので、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
 同曲は最低音がmid2Aであり、男性曲の最低音としては高いです。そのため、相対的に中高音域の登場回数が多く、人によっては体力的にしんどくなりやすいかもしれません。逆に高音域が得意な人にとっては、非常に歌いやすそうです。メロはAメロ⇒Bメロ⇒サビと進行し、それに従い高音域の割合も増えていきます。

 ちなみに、同曲を女性が歌う場合、今回は最低音がmid2Aなので、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。ただ、今回はmid2Aの登場回数が多いため、人によっては低音感を感じやすいかもしれません。そのため、通常は少しキーを上げた方がより歌いやすいのではないかと私は推測しました。



 最後に『MY FIRST KISS』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)~【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め(もしくは明確に「高い」)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2AはAメロ~サビなど広く登場します。このmid2Aは男性の音域の範囲内です。ただ、mid2Aが最低音となる男性曲は、ほぼ「一般的な男性にとってはキーが高い楽曲(スタミナも必要)」となります。今回の『MY FIRST KISS』についてもそうした傾向が明確に当てはまりそうです。
 一方、同曲は最低音がmid2Aということもあり、女性が原曲キーで歌唱することも一応可能です。ただ、mid2Aの登場回数等を考えると、女性の場合は少しキーを上げても良さそうです。一つの目安ですが、原曲キーから1つ程度上げてみてください。ただ、「標準より低めの音域の女性」などは原曲キーでもマッチするかもしれません。

 次に、地声最高音hiBはサビを中心に登場します。登場回数は全体で12回と多めです。この辺りは男性の音域としては高いため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください。


 『MY FIRST KISS』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くないため、キー調整はかなりしやすい方だと思います。一方、同曲は歌詞がほぼ全て英語詞で書かれており、歌メロのテンポの速めです。そのため、英語に慣れていないビギナーには少し向きにくいかもしれません。
 同曲のオリジナル曲『はじめてのチュウ』は歌詞がほぼ日本語詞であり、またメロディーもゆったりしております。そのため、慣れない人はオリジナルの『はじめてのチュウ』からチャレンジしてみるのもよいかもしれません。『はじめてのチュウ』はmid2E~hiF#で歌メロが作られておりますの、男性の場合はオク下げで歌うとマッチすると思います。

 『MY FIRST KISS』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#~hiBといった高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回は最低音もmid2Aと高いため、相対的に中高音の頻度が高いです。そのため、「ある程度高音域が得意な男性」、「標準より低めの女性」などが原曲キーにマッチしやすいのではないかと私は分析しました。


 『MY FIRST KISS』は、元々はアニソンということもあり、メロディーが親しみやすいです。そこにハイスタのロックサウンドが乗っており、非常に完成度の高い楽曲となっております。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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