『Distortion!!』( 結束バンド ) の 音域

　まず、『Distortion!!』（ディストーション）についてです。この楽曲は、２０２２年にアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』に登場するのロックバンド【結束バンド】によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては同じ年に発表されたアルバム『結束バンド』に収録されました。
　アルバム『結束バンド』は『青春コンプレックス』(過去記事)、『ギターと孤独と蒼い惑星』（過去記事）や『星座になれたら』(過去記事)といった人気曲が収録されており、アニメの人気も相まって大きなヒットを記録しました。２０２３年１月時点で出荷ベース１０万枚の売上を記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされております。２０２３年上期を代表するヒットアルバムの1つです。


　さて、『Distortion!!』はアッパーなバンド曲であり、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく』のエンディングテーマとして１～３話まで放送されました。そうしたこともあり、アニメを視聴していた方にも馴染みのある楽曲だと思います。ストリーミングランキングでも人気が高く、多くの再生回数を獲得しております。
　同曲の作詞作曲は、ロックバンドKANA-BOONのフロントマンである谷口鮪さんによりなされました（編曲は三井律郎さん）。ぼざろの楽曲群は、カラカラ(過去記事)を作詞作曲した中嶋イッキュウさん（tricot）、『なにが悪い』(過去記事)を作詞作曲した北澤ゆうほさん（the peggies）などロックバンドのフロントマンも参加しており、その点でも話題になっております。


　『Distortion!!』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域の範囲内（終盤はやや高め）のレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、場合によってはキーを下げるのもよいと思います。
　同曲は、AメロBメロサビと展開します。ABメロは中高音域としてはmid2G#～hiA辺りが登場し、サビでhiA#,hiBといった中高音域が登場します。終盤まではほぼ一般的な女性の音域の範囲内ですが、やや中高音域が多いです。ただ、J-POPの女性曲の中ではそこまで高い方ではないので、原キーが合うという人も多いのではないかと思います。低音域もmid2Aであり、多くの人に合いやすそうです。

　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。ただ、「高音域が非常に得意な男性」だと、もしかしたら原曲キーでの歌唱が可能かもしれません。ただ、体力面なども考慮すると、高音域が得意な人でもやはり少しキーを下げるのがより良いと推測しております。



　最後に『Distortion!!』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiC#(C#5)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内（終盤はやや高め）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2AはAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。登場回数が少し多いため、「高音域が非常に得意な女性」だと少し歌いにくいかもしれませんが、多くの女性はマッチすると想定されます。

　次に、地声最高音hiC#は終盤で登場します。登場回数は６回です。この辺りは女性の音域としてはやや高いため、人によっては少しキーを下げるのも選択肢だと思います。もしキーを下げる場合は、一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。
　一方、同曲はAメロ～サビはhiB辺りまでが最高音です（hiBが全体で８回）。こうしたことから、原曲キーが合う人いう人も多いのではないかと思います。


　『Distortion!!』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができそうです。一方、ビギナー向けの調整も可能ですが、人によっては少し歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その辺りは実際に歌唱してみてください。
　同曲は、Bメロ⇒サビで転調が行われているため、慣れていない人だと少し音程が取りにくい可能性があります。ただ、メロディー自体は比較的分かりやすく、カラオケ向きです。音域が合う人であれば、練習曲などにも向きやすいと個人的には感じております。

　『Distortion!!』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#～hiC#辺りの中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけ終盤はhiC#が多く、その辺りが少し高いです。ただ、最近のJ-POP女性曲と比べると、比較的取っつきやすく、難しい裏声が求められるわけでもありません。
　こうしたことを踏まえると、「標準（or標準よりやや高め）～ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①大よそ女性の音域の範囲内だが、終盤だけはやや高め
②原キーだと「標準（orやや高め）～ある程度高音域が得意な女性」などに合いそう
③メロは分かりやすくカラオケ向き
④Bメロ⇒サビで転調してるので、音程を取るのが苦手な人は注意