なお、今回は最低音が若干聞きづらく、もしかしたら一部は正確な音程ではないかもしれません。ただ、普通に歌いこなす分には問題ない程度には、音程分析できていると思います。その点はご了承ください。
『ギターと孤独と蒼い惑星』(結束バンド)、Guitar to Kodoku to Aoi Hoshi(Kessoku Band)
【地声最低音】mid1E(E3) ※mid2A以下の頻度が高い
★いm2A[きも]m1F#[出]来2A[ない] m1F#[じょ]う{報]の圧[力]【Bメロ】
★なm2F#[ぐ]り書m1E[き]みたいm1F#[な]音【サビ】
★m1E[な]んにもm1E[起]きない わたしはむm2F#[りょ]くさ
※mid1Eの代わりにmid1F#を最低音としてもよい
【地声最高音】hiD#(D#5) ※ラストサビで3回
★なhiA#–hiC[に[も]のかhiD#地–hiD[で]いい]【ラストサビ[転調₊1]】
★馬hiA#–hiC–D–hiD#[馬[鹿[な[わ]た]し]は]歌う[だけ]
※転調前の1番2番サビではhiDが最高音
【補足】hiA~hiDを含むフレーズ一覧
★m2F#[突然]降る夕立 あぁ傘もないやいm2A[や]【Aメロ】
★そhiA裏-m2G#[ら]の]ご機嫌なんm2A[か]知らない
★こm2F#[ん]なに×2 い[き]のF#-hiA–m2G#[お[と]が]するのm2A[に]【Bメロ】
★変m2A[だね] 世界の音がhiA-m2G#[し]な]い
★m2G#–hiA[あ[おい わ]く]せい ひとりm1G#[ぼ]っち【Dメロ】
★いっぱいのおとをm1G#[聞]いm2G#–hiA[て[きた]
★hiB–hiA[ま]わ]hiC#–B[り]つ][づ]け[て] B[い]くhiD–C#[お]く]ねん]
★hiB[一]瞬でもB–hiC#–hiD[い[い[か]ら][ああ]C#
☆hiA[聞]いて hiA#–A[聴]け]よ【ラストサビ[転調₊1]】
★わたし わたし hiA–A#–hiC[わ[た[し][はこA#[こ]に]いる
※☆の途中で転調
まず、『ギターと孤独と蒼い惑星』(ぎたーとこどくとあおいほし)についてです。この楽曲は、2022年にアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』に登場するのロックバンド【結束バンド】によりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、アルバムとしては、12月に発売予定のアルバム『結束バンド』に収録が見込まれております。
『ギターと孤独と蒼い惑星』は、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく』の第5話挿入歌として発表され、配信シングルとしてリリースされました。『ぼっち・ざ・ろっく』は秋のアニメの中では特に評判がよく、視聴者数も伸びております。そうした中で、『ギターと孤独と蒼い惑星』にも注目が集まり、アニプレックスのYouTube公式チャンネルでは、3週間で400万回を超える再生回数を記録しました。最近はストリーミングランキングなどでもチャートインするようになっております。
『ギターと孤独と蒼い惑星』はアップテンポのロックナンバーです。歌メロはAメロBメロサビと展開し、ラストサビで転調が行われ、キーが1つ上がります。同曲は作詞をZAQさん、作曲を音羽-otoha-さん、編曲はakkinさんが担当されております。akkinさんはONE OK ROCKのプロデュースなどでも知られており、『アンサイズニア』(過去記事)、『完全感覚Dreamer』(過去記事)といった人気曲を手掛けております(バンドとの共同アレンジ)。 私自身はアニメを見ていた際にクレジットを見て驚きました。
『ギターと孤独と蒼い惑星』の音域的な特徴についてです。同曲の高音域は、女性の音域としては高め(もしくは明確に「高い」)場面が登場します。音域自体はかなり広いため、キー下げはしにくい方です。
同曲は最高音自体は非常に高いですが、サビ全体が高いというわけではありません。同曲はサビパートを前半と後半に分けると、前半は女声域としてはそこまで高くなく、低音から高音まで広く登場します。一方、後半では全体として高い音階が増えます。そのため、同曲のサビは「最低音~最高音付近まで」求められ、アップダウンが激しい点が特徴的だといえそうです。
また、同曲は低音域の登場頻度が高く、mid2A以下が非常に多く登場します。そのため、「高音域が得意な女性」はもしかしたら低音が一部歌いにくいのではないかと感じました。個人的には「標準よりやや高め(もしくは高め)位の女性」の方が、原キーにマッチしやすいのではかと推測します。
ちなみに、男性が同曲を歌う場合、当然ですが、キーを下げた方が歌いやすいです。ただ、低音域の頻度が高い分、「高音域が非常に得意な男性」などは意外と原キーにマッチする人もいるかもしれません(通常の最高音hiDの女性曲と比較)。
最後に『ギターと孤独と蒼い惑星』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ高め(もしくは「高い」)で、音域も広めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1EについてはBメロやサビで登場します。この辺りは、女性の音域としてはかなり低いのですが、mid1F#辺りで歌っても大丈夫だと思います。そのため、mid1Eにあまり厳密にこだわらなくても良さそうです。ただ、全体でみるとmid2A以下の登場回数が多いので、高音域が非常に得意な女性は少し歌いにくそうです。
次に、地声最高音hiD#についてはラストサビで3回登場します。同曲はラストのサビで転調しキーが1つ上がるため、通常のサビではhiDが最高音となります(hiDはDメロまでで8回登場)。このhiD,hiD#辺りは女性の音域としては高く、通常はキー下げた方が歌いやすいです。
『ギターと孤独と蒼い惑星』は音域自体がかなり広いため、キーを下げる余地は少ないです。たとえば、1つ程度キーを下げる(♭1)ことは可能そうですが、歌い慣れた人であっても難しい部分が出てくる楽曲だといえます。キー調整を考慮しても、ある程度高音域が得意である必要がありそうです。
『ギターと孤独と蒼い惑星』を原曲キーで歌唱する場合、高音はhiB~hiD#といったレンジが求められます。この辺りは女性の音域としては高めです。一方、同曲は低音域も低いため、高音域が得意すぎると逆に低音が歌いにくくなりそうです。そのため、原曲キーだと「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な女性」辺りが原曲キーに合うのではないかと私は判断しました。
同曲はメロディー自体は比較的親しみやすく、リズムなども難しい部分は多くなさそうです。一方で、先述のように音程面で難しい部分が多そうです。低音~高音までしっかりとした音程キープ、適切な抑揚表現が求められます。
『ギターと孤独と蒼い惑星』はアップテンポのバンド曲であり、カラオケなどで歌っても盛り上がりそうです。音域自体が広く、難しい部分がありますが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。