『ロングスカートは靡いて』( Conton Candy ) の 音域

　まず、『ロングスカートは靡いて』（ロングスカートはなびいて）についてです。この楽曲は、２０２１年に３人組ロックバンド・Conton Candyによりリリースされたシングル作品です。後述のEPの先行シングルとして配信限定でリリースされました。フィジカルとしては、同じ年に発表されたEP作品『PURE』に初収録されました。

　さて、『ロングスカートは靡いて』は、元々インディーズ音源配信サイトEggsで配信されていた楽曲で、同サイトの年間ランキング（2020年度、2021年度）で首位に輝くほどの評価を獲得しました（引用元）。その後、ボーカルの脱退に伴い、現ボーカルの紬衣さんでリアレンジしたものが、シングルとして発表されます。作詞作曲は、元ボーカルの山本李々佳さんが担当しております。Eggsでは以前のバージョンも視聴可能ですので、聴き比べてみるのも面白いと思います。


　『ロングスカートは靡いて』はアップテンポのロックナンバーです。『Conton Candy』は、２０２３年に『ファジーネーブル』(過去記事)が爆発的なヒットを記録しましたが、そちらと比べると『ロングスカートは靡いて』は疾走感があり、ライブなどで盛り上がりそうです。歌メロはAメロBメロサビと展開します。AメロBメロが「静」、サビが「動」といったメリハリのある表現が魅力的です。作詞作曲は先述の元メンバーである山本さんが担当、編曲はConton Candyによりなされました。

　『ロングスカートは靡いて』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としては高め（終盤は明確に「高い」）レンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な女性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、AメロBメロでは「中低音が中心」となり、最低音mid2Aも多く登場します。反面、サビではhiA～hiC#といった中高音域が頻出し、一気に盛り上がります。最終盤にはhiE,hiF#といった高い音階が地声で登場し、女声域としては高くなります。

　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。元々女性の音域としても高いため、男性が歌うためには大きなキー下げが必要になります。例えば「高音域が得意な男性」だと原曲キーから３～４つ程度下げるとマッチするのではないかと私は判断しております。



　最後に『ロングスカートは靡いて』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiF#(F#5)、【裏声最高音】hiE(E#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、「高め」もしくは明確に「高い」です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2AはAメロBメロで多く登場します。このmid2A辺りは女性の音域の範囲内です。ただ、高音域が非常に得意な女性だと、若干低く感じるかもしれません。

　次に、地声最高音hiF#はラストサビで登場します。登場回数は１回程度です。このhiF#に次ぐ地声高音としては、hiEがピークとなる場面が終盤で３回、２番BメロhiDが１回、 hiC#がサビを中心に２７回登場します。こうしたことを踏まえると、女性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２つ程度下げてみてください（この場合でも終盤は少し高いです）。


　『ロングスカートは靡いて』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回は最低音mid2Aの登録回数が多いため、大きなキー下げには向きにくいと私は推測しました。そのため、歌い慣れた人であっても、最終盤の高音域は少し歌いにくく感じられるかもしれません。キー調整をするにしても、高音域がある程度得意な方が有利そうです。一方、メロディーは分かりやすく、音域が合う人であれば、カラオケなどでもおススメです。一方、テンポが速いので、歌詞などはしっかり覚えておきたいです。

　『ロングスカートは靡いて』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiE（hiF#）といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はhiE,hiF#といった高音が登場するのは終盤のみです。ただ、通常のサビをだけを見てもhiA～hiC#といった中高音域が多く、標準より高いです。一方、ABメロはmid2Aを中心に低音が多く見られます。
　こうしたことを踏まえると、「ある程度～非常に高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。



【まとめ】

①AメロBメロは中低音中心で、サビで大きく盛り上がる（終盤は高い音が多い）
②原キーだと「高音域が得意な女性」向け
③メロは分かりやすいが、テンポが速いので歌詞などは覚えておきたい