『僕らまた』( SG ) の音域

　こんにちは。今回はSGさんの『僕らまた』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です（自選曲としても気になっていました）。

『僕らまた』(SG)

【地声最低音】mid1A#(A#2)　

★片道の人生に出逢いとm1D#[言うたか]らD#–m1D[も[の]【Aメロ】
★m1A#[な]みだm1D#[は]グッとA#[こ]ら[え] [それじゃ]またね

【地声最高音】mid2G#(G#4)　※終盤で６回

★それぞm2G#地–m2F#–E[れ]の]み]ちをさ歩み[は]じめたのさ【ラストサビ[転調₊1]】
★m2G#–F#–E[そ]の]さ]F#[き]にある
★こm2E[う]さ[て]ん[で]ま[たF#–m2G#^[会[え]たら]
★m2G#–F#–E[夜]が]明]F#–G#[ける[ま]で

【裏声最高音】mid2G(G4)　※2番Bメロ（他にサビでも見られる）

★傘を忘れた日にm2G裏–F–D地[は]2人]びしょ]濡れ【2番Bメロ】

【補足】mid2D(一部略)～mid2Fを含むフレーズ一覧

★これからの長いm2F裏[た]びに思い出と言う贈り物【Aメロ】
★m2D[ゆ]めをにm2F裏[ぎ]り締め旅立つ背[を]眺め
★茜色の二人のm2D–m2D#[帰り[み]ち]【2番Bメロ】
★m2D–D#–m2F地[な[に[が]そ]んなに [可笑D#–F[し[かっ]た]のかな
★m1D#[いつの]間に流れるなみm2D#–D[だ]を]

　まず、『僕らまた』についてです。この楽曲は、２０２１年に男性シンガーソングライターのSG（ソギョン）さんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとして発表されました。
　同曲は、ストリーミングで若いファンを中心に多くの再生回数を獲得しました。SGさんのYouTube公式チャンネルで公開されている動画は、ライブ動画も含め４０００万回を超えております（２０２４年１月現在）。最近は「令和の卒業ソング」という触れ込みも多く、より広い年齢層に向けて知名度が広がりつつあります。

　『僕らまた』はノリの良いスローなポップです。頭サビで始まり、Aメロサビと展開、2番以降はラップパートが挿入されております。また、ラストサビの後半では転調が行われ、キーが1つ上がります。ちなみに、同曲は間奏がほとんどなく、演奏時間は3分程度と密度が濃いです。こうした点は最近の1つの傾向でもあります。作詞作曲はSGさん、編曲はJugemさんによりなされました。

　『僕らまた』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。原キーで歌える人も一定数おられるかもしれませんが、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　まず、同曲はサビを中心にmid2D#～mid2G#といった地声の中高音域が多く登場します。一方、Aメロについては一部で低い場面があり、低音～高音まで安定して歌いこなせる力が求められます。また、今回の楽曲は間奏がほとんどないため、高音域が得意でない人だと体力的に辛くなる可能性があります（終盤など）。また、要所で裏声が多用されていますので、器用な裏声発声が不可欠になります（高音域が得意な人は地声でもよい）。

　同曲を女性が歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回はmid1A#やmid1Dといった低音が登場するため、女性が原キーで歌うのは非常に大変です。一つの目安ですが、原曲キーから5つ程度上げてみてください。今回は音域が広いため、その点が1つハードルになりそうです。

　最後に『僕らまた』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A#(A#2)～【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】mid2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、やや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1A#はAメロで登場します。mid1A#に次ぐ低音としてはmid1Dであるため、見た目と比べると低音が辛くはないと思います。ただ、それでもある程度低いレンジであるため、「高音域が得意な男性」などはキーを上げてもよいと思います。

　次に、地声最高音mid2G#はラストサビの後半で登場します。登場回数は全体で６回程度です。このmid2G#に次ぐ地声高音としては、mid2Gがピークとなる場面が全体で９回程度登場します。このため、男性の音域としてはやや高めといったところです。原キーが合うという人も一定数おられるかもしれませんが、人によっては少しキーを下げるのも良いと思います。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度上げてみてください。

　『僕らまた』は低音域に若干の余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回は音域自体が広めの楽曲です。そのため、歌い慣れた人でも一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。場合によっては、裏声を上手く使うと、少し歌いやすくなるかもしれません。

　『僕らまた』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#～mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2F,mid2Gなどの中高音域はサビ中心に登場します。ただ、同曲は間奏が無いぶん、体力的に辛くなる可能性があります。低音についてはmid1A#,mid1D辺りが登場します。
　こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。

【まとめ】

①サビで中高音が多い。Aメロは一部低い場面がある（音域が広い）
②原キーだと「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」などに合いそう
③間奏がないため、体力的に辛くなる可能性がある
④高音が苦手な人は、mid2G辺りは裏声を上手く使うのもよいかも
⑤メロ自体は分かりやすく、覚えやすい