カテゴリー

『オンリーワンダー』(フレデリック)の音域 [2016年]

 こんにちは。今回はフレデリックの『オンリーワンダー』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『オンリーワンダー』(フレデリック)、Only Wonder(Frederic)
『オンリーワンダー』(フレデリック)の音域






【地声最低音】mid1D#(D#3) 

★何言っm2D#[てん]だ [みん]なち[がっ]てんだ m1D#[バ][に]してんな【Aメロ】

※重要度としては低く、m1G#を最低音としても違和感は少ない

【地声最高音】hiC(C5)  ※ラストサビで1回

★ほっm2G#[とけない]ほっ[とけないひと]りとさ [う]hiA#地[たっ]hiC地[て]【ラストサビ】

※通常サビでは裏声。ここを除くと、hiBがサビで超頻出(曲全体で30回超)


【裏声最高音】hiC(C5) ※サビで1回ずつ登場

★ほっm2G#[とけない]ほっ[とけないひと]りとさ [う]hiA#[たっ]hiC裏[て]【通常サビ】


【補足】mid2F#(一部略)hiBを含むフレーズ一覧

m2F#[まるでだ]m2D#[れ]かのD#[アン]サー[アン]サー気[取っ]てんだ【Aメロ】
★どうなったっm2G#[て]m2F#[さ 最]後まで君は君の[も]G#[の]

m2G#[だか]hiA#[ら]hiB[ワ][ンダー]B[テ][ンダー]A#B[う[たっ]て]んだ【サビ】
hiA#hiB[う[たっ]て]んだm2G#[ずっ]hiB[ずっ][と] 
★ほっm2G#[とけ]ほっ[とけ]ほっ[とけ]ないほど大切なんです
★1番なんかならなくたっm2G#[て]m2F#[き][が][らっ]hiB[たん]G#[だ]
m2G#[と]m2F#[び]らをひ[ら]G#[の][は](ワンダーテンダー オンリーワンなんだ)

★誰にもなれない自分がいm2F#[るん]m2D#[だ]【Cメロ】
★(扉を開くのは)君じゃhiB[な]m2G#[い]m2F#[のか]

 まず、『オンリーワンダー』についてです。この楽曲は、2016年に4人組ロックバンド・フレデリックによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同年にリリースされた『フレデリズム』に収められております。

 フレデリックは2014年にはメジャーデビューしましたが、CDシングルとしてはこの『オンリーワンダー』が1枚目となります。同曲は、Amazonプライム・ビデオ で配信されたドラマ『ベイビーステップ』の主題歌としてタイアップが付きました。その後、東京MXでも放送されております。全国ネットのドラマなどとは異なり、大きなタイアップとは言い難いですが、フレデリックのYouTube公式チャンネルで公開されているミュージックビデオは4300万回を超えており『オドループ』(過去記事)に次ぐ人気作となっております。同バンドのカラオケランキングでも上位に来ております。

 ちなみに、同ドラマの原作漫画『ベイビーステップ』(勝木光作)は、『週刊少年マガジン』で約10年間連載され、発行部数は1000万部に達しております。私自身も同漫画を拝読していたのですが、現実的な技術や戦術、トレーニング方法などが中心として描かれており、その点で少年漫画としては斬新だと感じました。


 さて、『オンリーワンダー』はアップテンポのバンドナンバーです。フレデリックらしいイントロのリフが心地よいです。また、歌メロにも言葉遊びや頭韻、脚韻などが多用されており、リズム感がよく、全体として中毒性の高いナンバーです。。バンドの演奏に加え、ストリングスが用いられており、演奏に厚みが加わっております。
 歌メロについては、AメロサビCメロで構成されており、シンプルです。ただ、歌メロのテンポが速く、歌詞などはしっかり覚えておかないとスムーズな発声が損なわれてしまいます。

 『オンリーワンダー』の声域的な特徴についてです。同曲は、全体として高いレンジが多く登場し、男性曲としては高いです。上の鍵盤画像を見ると、音域が広く感じますが、中心となるレンジはmid1G#~hiCで女性曲などに近い音域(分類としては「キーの高い男性曲」)となります。よって、男性はキーを下げた方が歌いやすく、女性は原キーでもチャレンジしやすいです。


 最後に『オンリーワンダー』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1D#はAメロで登場します。よく聞くと複数回登場してるのですが、重要度としてはあまり高くないので、厳密な音程にこだわらなくてもよいと思います。落としたとしても違和感は少ないです。このmid1D#を除くと、mid1G#辺りが低音として多く登場します。
 同曲は、中心となる低音階がmid1G#であり、男性曲としては高めのレンジとなります。最低音mid1D#や最高音hiCだけを見ると「音域が広い男性曲」となりそうですが、実際に歌唱すると「中高音が多い男性曲」であり、全体的にキーが高いです。男性にとっては相当しんどいですが、女性だと原曲キーでもアプローチしやすいです。

 次に、地声最高音hiCはラストのサビで1回だけ登場します。ここは通常のサビでは裏声で歌唱されておりますので、場合によっては裏声hiCで統一してもよいのではないかと思います。
 一方で、同曲はサビを中心にhiBが頻出し、曲全体では30回超も登場します。そのため、一般的な男性にとってはかなり高く、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。1つの目安としてですが、原曲キーから3~4つ程度下げてみてください(♭3~4)。

 『オンリーワンダー』は低音部分に余裕があり、キー下げなどはしやすいです。歌い慣れた人であれば、自分の得意とする声域に調整できると思います。一方、高音自体が高いため、ビギナーなどはキー調整をしても歌いにくい部分が出てくるかもしれません。音域だけでみると、フレデリックの人気曲『オドループ』(過去記事)の方がチャンレンジしやすいかもです。

 『オンリーワンダー』を原曲キーで歌唱する場合、先にも述べたように、サビで頻出するhiBをしっかり歌いこなせることが必要不可欠となります。また、全体として中高音域が多いですので、スタミナも必要不可欠となります。ある程度高音域が得意な方でも、スタミナがゴリゴリ削られる作品ではないかと思います。その辺りも踏まえて練習に励んでください。一方、女性にとっては原曲キーでも比較的アプローチしやすいとなります(低[高]音域が得意な方は少しキーを下げ[上げ]てもよいかもです)。
 また、同曲は全体としてテンポが速く、メロとメロの間が短いため、息継ぎがやや行いにくいです。最近ではそうした曲が多いですが、意識的に息継ぎを行うことも念頭に置いておいてください。

 『オンリーワンダー』は全体としてノリがよいバンドナンバーであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。男性は原曲キーでのチャレンジが大変ですが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ぴたっくま より:

    思ってたよりキー2つくらい高いですね…サラッとだしてる訳ではない(フレデリックは超ハイトーンとまでは言わないはず)のにhiBが高く聞こえない不思議な感じです。

    • もりっしー より:

      ぴたっくまさんコメントありがとうございます。

      自分も地声最高音hiA位だと思ってました。
      記事書いてる途中で「hiB滅茶苦茶多いな」と気付いて、
      急いで数えた感じですね。
      この曲、Aメロはそこまで高くないですが、
      一般的な男性だとかなり辛いと思います。