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『サイカ』(フレデリック)の音域

こんにちは。今回はフレデリックの『サイカ』(2021)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『サイカ』(フレデリック)、Saika(frederic)
『サイカ』(フレデリック)の音域







【地声最低音】mid1D#(D#3) 

★あm2D#[な]たから見えるm1D#[そ]の景色と【Aメロ】
m1D#[わ]m2D#[た]しから見えるこの2D#[景]色が


【地声最高音】hiC(C5)  ※各サビ1回ずつ(全体で2回)

★(燦々とよるが明けたら)明hiC地hiA#[け]たら]【通常サビ】



【裏声最高音】hiC(C5) ※ラストサビ[転調+1]で登場

★そんなm2G#hiA地[感[情]も][表A[情]も][才A[能]も]hiC裏[分]A[か]り]合えた[ら]【ラストサビ[転調+1]】

※個人的にはあまりこだわらなくてもよい

【補足】mid2GhiBを含むフレーズ一覧

★混じり合うことで輝いてく 暗闇のm2F[と]びらを貫いた【Aメロ】
★感情も 運命m2F[も] 一切のF[愛]m2G[さえ]も 心[の][く]GG#[[も]せ]【Bメロ】

★かm2F[ら]m2Gm2G#[燦[々]と]×3 G[よ]る]が[明け]G[ら]【サビ】
★曖m2F[昧]な感[情]も純情もm2G#G[あ]い]し合っ][よ]
★もう一m2G[回] hiA#裏[最]後までm2FGG#[わ[ら[い]合]おう]

★鮮明なm2F[こ][ろ]m2Gm2G#[よ[る]を][ふか]G[て]【2番Bメロ】
★(一瞬の表情さえも この話の続きを)超えhiA#裏[て]
hiA#裏[最]後まで わm2GG#hiA#地[ら[い[合]え]る]日々[を] 繋ぎ止めて【Cメロ】

★この先m2G#[の]hiB地hiA[み]ら][い]A[も]【ラストサビ[転調+1]】
hiB裏[最]後までわm2G#hiA[ら[い]合]えるよ

 まず、『サイカ』についてです。この楽曲は、2021年にロックバンド・フレデリックによりリリースされたシングル作品です。配信限定氏のシングルとしては発売され、2022年にリリースされたフルアルバム『フレデリズム3』に収録されております。同アルバムには、『名悪役』(過去記事)や、和田アキ子さんへの提供で話題となった『YONA YONA DANCE』(過去記事)のセルフカバーなどが収録されております。『YONA YONA DANCE』については、フレデリックバージョンの音域調査をまだしてませんので、今度記事にしても良いかもしれません(和田さんのページに補足として記載するかもです)。

 さて、『サイカ』はヤマシタトモコさんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『さんかく窓の外側は夜』のために書き下ろされました。同作はミステリー系の作品であり、実写映画化も行われました。ちなみに、実写映画版の主題歌はずっと真夜中でいいのに。が担当しております。
 『サイカ』はフレデリックのYouTube公式チャンネルで公式音源が公開されております。再生回数は人気曲ほど多くはありませんが、私自身は外国からのコメントが非常に多いというのが印象に残りました。


 『サイカ』はミドルテンポのバンド曲です。『オドループ』(過去記事)『オンリーワンダー』(過去記事)などのようにライブで盛り上がる類の曲ではないですが、穏やかな中にもフレデリックらしい中毒感を感じます。歌メロはAメロBメロサビと展開し、ラストサビで転調しキーが1つ上がります。作詞作曲は 三原康司さん、編曲はフレデリックによりなされております。

 『サイカ』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性曲としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域は図で示すよりも余地があるので、キー下げはしやすいです。そのため、一般的な男性にはキー下げを推奨します。
 同曲は、低音域が見た目よりも高く、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。一般的な女性の得意なレンジなどを考慮するとキーを上げた方がより合いやすいです。また、高音域が苦手な女性などは原キーでもマッチしやすいかもしれません。



 最後に『サイカ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1D#についてはAメロで登場します。このmid1D#については、歌い出しの瞬間的な部分であるため、原曲に忠実でなくても違和感は少ないです。このmid1D#を除くと、mid1G辺りが低音域となります。
 『サイカ』は見た目よりも低音域が高いため、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。とりわけ、「標準より低めの音域の女性」などがマッチしやすいです。

 次に、地声最高音hiCは各サビで登場します。登場回数は2回程度と多くはありません。ただ、このhiC以外にもhiB,hiA#といった比較的高いレンジの音階が登場します。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから3~4つ程度下げてみてください。


 『サイカ』は低音域に余地があり、キー調整はしやすいといえます。そのため、歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することが可能です。
 一方で、同曲は裏声などが多用されております。また、サビでは【そんなm2G#hiA地[感[情]も][表A[情]も][才A[能]も]】のように2つの同じ音(mid2G#(ソ#)とhiA(ラ))が繰り返し続きます。以前、テレビ番組の関ジャムでも特集されておりましたが、こうしたメロディー展開は意外と音程が取りにくいそうです(【とつかボーカル教室】より引用)。これら楽曲の特徴などを考えても、歌い慣れた人向けの楽曲だといえます。

 『サイカ』を原曲キーで歌唱する場合、hiCやhiBといった音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。また、楽曲全体を通してmid2F~mid2G#辺りの頻度が高く、スタミナが不可欠になります。要所要所で裏声なども要求されます。これらを考えると、「ある程度高音域が得意な男性」や「標準よりやや低めの女性」などが原曲キーにマッチしそうです。

 『サイカ』はカラオケなどで盛り上がる類の曲ではないですが、切なさとお洒落な世界観がマッチした作品です。また、フレデリックらしい中毒間のあるサウンドも健在です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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