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『はなばればなれ』( アイビーカラー ) の音域

 こんにちは。今回はアイビーカラーの『はなればなれ』(2018)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。

 なお、今回取り上げる『はなればなれ』は現在、DAMやJOYSOUNDではカラオケ配信などされておりません。ただ、同曲はバンドの中でも人気の高い1曲であり、ボーカルの良さが非常に活きたナンバーであります。バンドの人気上昇に伴い、今後配信されるのではないかと思います。


『はなばればなれ』(アイビーカラー)、Hanare Banare(I be Caller)
『はなばればなれ』(アイビーカラー)の音域






【地声最低音】mid1B(B2) ※Aメロで登場

m1C[い]までも笑ってしまいそm1D[う]【Aメロ】
★今でも泣いてしまいそm1C[う]m1B[な]
m1C[思い]出は消えて行C[く]向かい風に乗[っ]

※Aメロは全体として低めです。

【地声最高音】hiA(A4)  ※曲全体で10回程度

★(いつも二人で読み返した)アルバムを握りhiA[し]m2G[め]A[ま]G[ま]【サビ】

★地面に落ちた君のhiA[は]m2G[じ]ぃめてm2F[のな]みだを見た【2番Aメロ】

★遠くm2G[なっていく電車とは]逆に思い[出が今更]hiA[押][し]寄せて【Cメロ】
★近くでぎゅっとできる間には気m2G[づ][な]い[も]hiA[だと]G[ぉ]


【裏声最高音】hiB(B4) ※サビで登場

m2F[ド]m2G[ア]hiA地[越]しにA裏[つぶ]hiB[や]G[く]【サビ】


【補足】mid2Fmid2Gを含むフレーズ一覧

★とうm2E[きょ]う行きの電車E[は少]m2F[し][だ]け出発を遅らせている【Bメロ】
★今日旅m2F[立]つ君にぼ[く]は口m2G[を][ぉ閉]ざしたF[ま]

★はm2F[な]m2G[れ]F[な]G[れ][になるき]みは【サビ】
★僕m2E[に][し]m2F[く][ほ]ほえんだ
★怖いのは泣きたいのは僕m2E[じゃ]m2F[なく]君のはずなのに
★いm2F-m2G[つ[で]も 待]ってるから

★もうどうにm2F[で]F[な]れって虚勢を捨てたとたF[ん]【Cメロ】

 まず、アイビーカラーについて少し説明します。アイビーカラーは2016年より活動する4人組ロックバンドです。ノスタルジックピアノロックバンドを自称するように、全体としてキャッチーなメロディーや爽やかなサウンドワークが魅力的なバンドであります。2021年12月までに6枚のミニアルバムをリリースしております。

 アイビーカラーの人気曲としては、『冬のあとがき』、『春を忘れても』、『夏を忘れても』などが挙げられると思います。YouTubeチャンネルでは300万回近い再生回数に達する楽曲もあり、東名阪ではワンマンツアーを行うなど非常に注目が集まる若手バンドです。ちなみに、私のTwitterのタイムラインなどでも時々楽曲への呟きが見られ、知名度が上がってきている印象です。私自身としては、今回取り上げる『はなればなれ』、『魔法をかけて』といった楽曲が耳に残りました。最新アルバム『tomorow』では、ワードプロデュースとしていしわたり淳治さん、アレンジャーに白戸佑輔さんを迎えており、今後の活躍が益々期待される注目のバンドであります。
 ちなみに、アイビーカラーというバンド名の由来は、観葉植物のアイビーの花言葉である「永遠の愛」とCaller「発信者」を合わせた造語だそうです。


 さて、『はなればなれ』についてです。この楽曲は、2018年にリリースされたミニアルバム『弾けた恋、解けた魔法』に収録されております。同アルバムには、先に挙げた『夏の終わり』、『魔法をかけて』といった楽曲も収められております。
 『はなればなれ』はミニアルバムの発売から1か月ほどして、YouTubeチャンネルでミュージックビデオが公開され、2021年12月現在、40万回近い再生回数を記録しております。Spotifyなどのストリーミングでも上位に位置しており、バンドの人気曲の1つとなっております。


 『はなればなれ』はアップテンポのバンドナンバーです。イントロなどが非常に爽やかであり、王道感のあるバンドナンバーです。私自身は、イントロや1番サビの直前のブレイクで入るピアノ、また、1番サビ終盤からのベースラインなどが耳に残りました。
 歌メロは、AメロBメロサビといった形で作られており、J-POPらしい親しみやすい展開ではないかと思います。また、2番については1番の流れを繰り返さずに、2番Aメロ⇒Cメロ⇒ラストサビへと向かいます。
 少し前に取り上げたマカロニえんぴつの『なんでもないよ、』(過去記事)、YOASOBIの作品等にも言えますが、最近のJ-POPは、2番では1番と同じ展開をせずに、ラストサビへと向かう展開が非常に増えているように感じます。『はなればなれ』もサビが1回少ない分、演奏時間が3分ちょっとと密度が濃くなっております。

 『はなればなれ』の声域的な特徴についてです。同曲は、男性としては高めのレンジで歌メロが作られております。また、Aメロで多く登場する低音域についてもmid1B,mid1Cと低く、広い声域が要求されます。キー調整は可能ですが、歌い慣れた男性向けであります。低音域が低いので、女性の場合は、キーを上げた方が歌いやすいです。


 最後に『はなればなれ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1B(B2)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性よりも高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1BはAメロで登場します。上の音域表記にもあるように、mid1Cなども比較的多く登場しますので、男声としては比較的低めのレンジになります。よって、低音域が苦手な男性などは少し歌いにくいかもしれません。また、女性にとっても相当に低いレンジになります。低音域が苦手だけど高音域は得意な男性や、女性はキーを少し上げた方が歌いやすいです。

 一方、地声最高音hiAはサビやCメロ等で登場します。同曲は従前のJ-POPと比べるとサビが1回少ないですが、それでも曲全体でhiAが10回登場し、結構多いです。よって、一般的な男性の場合はキーを下げた方が歌いやすいです。1つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください(♭1~2)。

 『はなればなれ』は音域自体が広いですが、低音部分に若干の余地があり、少しのキー下げなどは可能です。ただ、キーを下げると、一般的にはかなり低いレンジになります。そのため、キー下げなどを考量しても、ある程度歌い慣れた人向けの作品といえると思います。楽曲自体は非常に爽やかな作品ですが、ビギナーなどの練習曲としてはやや手を付けづらいといえます。
 歌い慣れていな人がキーを調整して練習する際は、「Aメロは曖昧でもいいから、Bメロサビは頑張る」といったふうに、パートごとに練習に強弱を付けるとよいです。

 『はなればなれ』を原曲キーで歌唱する場合、先にも述べたようにhiA辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。同曲は音域が広い作品ですが、特に後半から(2番Aメロ終盤あたり)はmid2E~hiA辺りの中高音域が多く登場します。そのため、最後に息切れを起こさないように、スタミナやペース配分が求められます。大まかな目安ですが、Mr.Childrenやback number、マカロニえんぴつといったバンドの作品でも「高めの曲」まで歌える人は合いやすいと思います。

 『はなればなれ』は2021年12月現在、カラオケでは配信されておりません。ただ、楽曲の持つ特性や音域調査などを通してみても、カラオケに向きやすい作品ではないかと思います。私なりの感覚ですが、hiAやhiBといったレンジが得意な男性は同曲を歌うと非常に気持ちいいのではないかと感じます。現在は自分で弾き語る等するしかありませんが、機会がある方、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。非常に爽やかなラブソングです。

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