『パラサイト feat. 初音ミク』(DECO*27)の音域 [ 2022年の作品 ]

★ちょっm2B[と]待っ[て] ど[こ]からおかしくhiA[な]ったの【Aメロ】

★なんm2B[で]なんB[で]なん[で]なんでなんでなんで【2番Aメロ】

【補足】hiD～hihiAを含むフレーズ一覧

★“トモダチ”ってさ　都合よくhiD裏[ない？]【Bメロ】
★m2B[だ]まし騙しhiB[生]きて病んじゃって

★hiB[鼓膜]舐める愛のCoda　溶かし尽くす煙るソーm2B[ダ]【2番Aメロ】

★(どうしてわかってくれないの？ 嫌いだ) hiD[だ]hiG–hiF#[いき]ら[い]hihiA[だ]【ラストサビ】

★もうあhiD#[な]たは振り向かないの【ラストサビ[転調+1]】
★気付いてる 気hiA#[付い]てる  気hiC[付い][てる]
★気hiF–hiD#[付い]てる] [く]hiG#–hiG[せに]あ]hiF[たし]D#[は]
★ダhiA#[サい]感情は1…2の…散で流れ星 あのhiA#–hiC[子[と]のC[コ]ト

　まず、『パラサイト feat. 初音ミク』についてです。この楽曲は、2022年にボカロPのDECO*27（デコニーナ）さんによりリリースされました。アルバムとしては、同じ年の3月にリリースされた『MANNEQUIN 』(マネキン)に収められております。
　ちなみに、この『MANNEQUIN 』には、『ヴァンパイア』(過去記事)、『シンデレラ』、『アニマル』などの人気曲が収められております。同アルバムは、「アイドル全員初音ミク」というコンセプトで、ボーカロイド初音ミクをフィーチャリングした新曲9曲など全11曲が収められております。

　さて、『パラサイト』はアップテンポのポップナンバーです。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。また、ラストサビでは転調が行われ、キーが1つ上がります。私なりの印象ですが、人気のボカロ曲などと比べると、歌メロにゆとりがあり、比較的チャレンジしやすい印象です（難易度が低いわけではない）。
　『パラサイト』の作詞作曲およびボカロ調声はDECO*27さん、編曲はRockwellさんによりなされております。Rockwellさんは、2010年代後半頃からDECO*27さんの作品の多くに携わるようになっております。
　ちなみに同曲の歌詞について、私は「恋に破れた女性」の心情が歌われている解釈しました。ややヤンデレ感があるのですが、ボカロファン以外の音楽リスナーにも刺さる要素がある歌詞なのではないかと私は感じました。

　『パラサイト』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。反面、低音域には余地があり、キー下げなどは可能です。そのため、一般的な女性の場合はキーを下げた方が歌いやすいといえます。
　ちなみに、今回はボカロ曲なので、「地声最高音」と「裏声最高音」を区別しておりません。ただ、音域自体がかなり広いので、「裏声」を上手く駆使した方がよいのではないかと私は分析しております。



　最後に『パラサイト feat. 初音ミク』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)～【最高音】hihiA#(A#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりもかなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2BはAメロ等で登場します。この辺りは女性の音域の範囲内であり、比較的発声しやすいのではないかと思います。また、私なりの印象ですが、「このmid2B辺りが最低音となる女性曲は、全体的にキーが高くなることが多い」と感じます。

　次に、最高音hihiA#(A#5)はラストサビで2回登場します。『パラサイト』はラストのサビで転調し、キーが1つ上がります(#1)。そのため、通常のサビではhihiAが登場します。こうしたhihiAなどの音階は裏声で歌うとしてもかなり高いレンジであり、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。


　『パラサイト』は低音域に余裕があり、キー下げなどは可能です。裏声を上手く駆使すれば、歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することができるといえます。とはいえ、やはり音域が広く、メロディーが急激にアップダウンする等難易度は高いです。そのため、歌い慣れた人向けの楽曲と言えると思います。

　『パラサイト』を原曲キーで歌唱する場合、私なりの感覚ですが、地声ではhiD#以上、裏声ではhihiAなどがしっかり歌いこなせる力が求められます。地声のhiD#辺りは女性の音域としては高く、また原曲ではロングトーンで登場します。そのため、「高音域が得意な女性」などが合いやすいといえます。
　ちなみに、男性がこの『パラサイト』を歌う場合、「原曲キーから2～3つ程度上げて、オク下げで歌う」のがよいのではないかと思います。

　『パラサイト』はボカロ曲としては一般的なの恋愛の要素が強く、個人的にはJ-POPファンなどにも刺さりうるのではないかと感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。