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『バニラ』( きゃない )の音域 [ 2022年の作品 ]

 こんにちは。今回はきゃないの『バニラ』(2022)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。今回の作品は、メロディーが非常に親しみやすく、m2F~hiA辺りが歌える人にはよい練習曲なのではないかと思い、選曲しました。どことなく、1990年代辺りのJ-POPを思わせるアレンジも魅力です。


『バニラ』(きゃない)、Banilla(Kyanai)
『バニラ』(きゃない)の音域






【地声最低音】mid1D(D3) 

★あー君のことm2D#[愛]してる心かm1F[ら]【Aメロ】
m1F[い]つでもどこでも君を思うだろF[う]
★ほどけそ[うで]m1Fm1DD#[そ]れ]でも今の君は僕のそばm2D#[に いて]くれる【Bメロ】

m1D#[笑ってさよなら]を言えたらいいな【2番Bメロ】

【地声最高音】hiA(A4)  ※曲全体で4回

★あー君のこと愛しm2Fm2G[て[る] hiA[す][べ][を]【サビ】

※アウトロのフェイクもhiAがロングトーンで登場します。

【補足】mid2Fmid2Gを含むフレーズ一覧

m2G[遠]くでGm2F[ち]か]くで混FG[ざ[り合]い][い]【サビ】

 まず、きゃないさんについて少し説明します。きゃないさんは、2019年より活動する男性シンガーソングライターです。バンドが解散したことをきっかけに路上でソロ活動を開始します。2021年からはオリジナルの楽曲を投稿し始め、今回取り上げる『バニラ』により、大きく知名度が上昇しました。
 きゃないさんの作品の特徴としては親しみやすいメロディーに共感的な恋愛の歌詞などが人気です。また、私は声質なども印象深かったです。人気曲の影響もあり、爽やかなイメージかもしれませんが、オシャレな趣のある『紫陽花』、また『コインランドリー』や『夕暮れ』などではがなるようなボーカルなど様々な側面が見て取れます。まだ、リリースされた楽曲は多くありませんが、今後の活躍が期待されるソングライターです。


 さて、『バニラ』についてです。この楽曲は、2022年に男性シンガーソングライターのきゃないさんによりリリースされたシングル作品です(元々はライブでも演奏されていたようです)。現在は、配信限定のシングルであり、アルバムなどにも未収録です。
 『バニラ』は10代を中心に注目を集め、最近はストリーミングランキングでも上位に位置し始めております。この楽曲をきっかけに、きゃないさん自身の知名度も大きく上昇し始めました。きゃないさんのYouTube公式チャンネルで公開されたミュージックビデオや音源は、2022年6月現在、計500万回を超えております。
 ちなみに、同曲のミュージックビデオではMr.Childrenのボーカル櫻井和寿さんの息子である櫻井海音さんが出演されております。櫻井海音さんは、ドラマーや俳優、ファッションモデルなど幅広く活躍されております。きゃないさん自身は影響を受けたアーティストにミスチルやスピッツ、BUMP OF CHICKENなどを上げておりますが、今回の海音さんの出演も縁のようなものを感じます。

 『バニラ』の音域的な特徴についてです。同曲は男性としては高めのレンジで歌メロが作られております。よって通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。同曲の歌メロについてはAメロBメロサビと展開しますが、とりわけサビが高いです。
 一方、同曲はAメロBメロについてはmid1D~mid1Fが登場するなど比較的に低いです。そのため、女性は原曲キーだと歌いにくいのではないかと想像されます。女性が歌唱する場合は、通常はキー上げ推奨です。


 最後に『バニラ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1DはBメロで登場します。同曲はAメロBメロ辺りが比較的低く、低音域が苦手な方はやや歌いにくいかもしれません。高音域が得意な男性はキーを上げても良い思います。 
 一方、同曲は女性にとってはかなり低く、原キーだとかなり歌いにくいのではないかと思います。そのため、低音寄りの女性であっても通常はキー上げを推奨します。

 一方、地声最高音hiAについてはサビで登場します。登場回数は4回程度です(アウトロのフェイクを含めるともっと多い)。このhiAはmid2Gなどとコンボになっております。そのため、一般的な男性にとっては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいのではないかと思います。一つの目安ですが、原っ曲キーから2つ程度下げてみてください(♭2)。

 『バニラ』は低音域に少しの余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。一方、同曲は低音~高音まで音域が広めであります。そのため、キー調整をしてもビギナーなどには難しい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。
 同曲は、きゃないさん自身も「一番のメロディーメイク」という程、メロディーが親しみやすいです。そのため、メロディーが覚えやすく、また歌いこなせると非常に映える作品だと思います。キーが合いやすい方にはお奨めしたい楽曲だといえます。

 『バニラ』を原曲キーで歌唱する場合、高音域についてはhiAなどをしっかり歌いこなせる力が求めらえれます。反面、低音域についてはmid1D~mid1Fが登場するなど、比較的低めです。そのため、「標準より高めの音域の男性」、「ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいです。

 私なりの印象なのですが、『バニラ』ように、サビの地声高音としてmid2F~hiAが求められる曲がしっかり歌いこなせると、カラオケなどでのレパートリーにも幅が出てきます。メロディーやアレンジなども王道のJ-POP感が強く、音域が合う方には練習曲としておススメしやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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