『勇者』(YOASOBI)
【地声最低音】mid1G(G3) ※意外と頻度は高い
★まるで御伽m1G[の] m2A#[は]なA#[し] 終わり迎えG[た] A#[あ]かA#[し]【Aメロ】
★長hiA–hiA#[過[ぎ]る]旅路から m1G[切り出]した一節
★相も変わらずお人好しm1G[で] m2A[格]好つけて2A[ば]か2A{り]だね【2番Aメロ】
【地声最高音】hiD#(D#5) ※ラストサビで1回
★m1G[わ]たしが未来に連hiA#–hiC–hiD#地–D[れ[て行く[か]ら]【ラストサビ】
【裏声最高音】hiF(F5) ※ラストサビで1回
★m1G[あ]りふれた時間がhiA#–hiC[い[ま]もhiD#裏–hiF–D[眩[し]い]【ラストサビ】
【補足】hiA#(一部略)~hiD#を含むフレーズ一覧
★hiD裏–hiC–A#^[み]じ]か[い]た[び]Dの記憶【Aメロ】
★(そこに生きた軌跡も) 錆びhiA#–hiC^-A[付[い]てい]く]
★今も確かに私のなhiA#–A[か]で] 生hiD#裏–hiD[き]ている]【Bメロ】
☆hiC[お]な[じ]み[ち]を[えhiD地[らん]だ【サビ】
★それhiA–hiA#[だ[け]だ]ったはずm2A#[な]のに いつの間にかどう2A#[して]
★m1G–m2A[ほ]ほ]を伝うなみA–hIA#–hiC[だ[の[わ]けhiD#裏–D[をも]っと]
★あの旅を思い出せ2A[る]ようm1G[に] G–A[の]こ]されたhiA#–hiC[め[じ]るし【2番Aメロ】
☆私hiA#[を]変hiC–A#^-hiD地[え]た[出[会]いひゃ[くC[分の]い]D裏[ち]の旅路【ラストAメロ】
☆(優しく微笑みかける) 君hiD地–hiA[が]いる]から【ラストサビ】
★新たな旅のはhiA#–A[じ]ま]りは 君が守り抜いhiD裏[た]この地に
★芽吹いhiA–A#–hiC[た[い[の]ち]とと[も]に
まず、『勇者』についてです。この楽曲は、2023年に音楽ユニットYOASOBIによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとしてリリースされたのちに、EP作品『THE BOOK 3』(ザ・ブック3)に初収録されました。同EPには『祝福』(過去記事)、『アイドル』(過去記事)などの人気曲が収められております。
さて、『勇者』は山田鐘人さん原作・アベツカサさん作画の同名漫画を原作としたテレビアニメ『葬送のフリーレン』のオープニングテーマとして書き下ろされました。同作は手塚治虫文化賞新生賞などの漫画賞を受賞する話題作であり、2023年9月時点で累計発行部数が1000万部に達している人気作です。楽曲の質も相まって、主題歌の『勇者』は既にストリーミングランキングでも上位に位置し、今秋の話題曲のとなっております。
ちなみに、当ブログではエンディングテーマであるmiletさんの『Anytime Anywhere』(過去記事)も取り上げました。
『勇者』はアップテンポのデジタルポップです。アニメがいわゆるハイ・ファンタジーをモチーフとしていることもあってか、どことなく欧州の民俗的なニュアンスが感じられます。歌メロはAメロBメロサビといった馴染みやすい展開をします。作詞作曲編曲はメンバーのAyaseさんによりなされました。
『勇者』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としては高め、もしくは明確に高いレンジで歌メロが作られております。一般的な女性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
同曲はAメロBメロサビと少しずつメロが盛り上がっていきます。そうしたこともあり、低音~高音まで音域が広めになります。また、裏声が多用されているため、地声裏声の器用な使い分けは不可欠になります。この辺りは最近のJ-POPの1つの特徴でもあります。
ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、キーを下げた方が歌いやすいです。今回は「高音域が非常に得意な男性」にとっても原キーでの歌唱が困難であり、キーを下げる必要があるのではないかと私は分析しました。
最後に『勇者』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiD#(D#5)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、「高め」もしくは「高い」です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1GはAメロやサビで登場します。登場頻度も比較的高いです。このため、高音域が非常に得意な女性などは少しキーを上げるのも選択肢としてよいのではないかと私は分析しました。
次に、地声最高音hiD#はラストサビで登場します。登場回数は1回程度です。このhiD#に次ぐ地声高音としては、hiDがピークとなる場面が全体で7~8回程度登場します。こうしたことから女性の音域としては高く、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『勇者』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回は最低音mid1Gの回数が多いため、大きなキー下げには向きにくいです。また、同曲は音域自体が広いため、歌い慣れた人であっても一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点で歌える人が限定されそうな楽曲だと私は判断しました。
同曲はメロディー自体は比較的分かりやすいです。反面、テンポが速く、息継ぎが大変そう場面も多いです。そのため、場合によってはテンポを下げるなどして練習するのもよいと思います。
『勇者』を原曲キーで歌唱する場合、hiA~hiD#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。また、hiD以上では裏声も多く、器用な地声と裏声の使い分けが求められます。低音域についてもmid1G~mid2A#辺りが多く、低音~高音まで音域が広めです。
こうしたことを踏まえると、「(ある程度)高音域が得意な女性」が原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。ただ、地声のhiE以上をしっかり歌えるような「高音域が非常に得意な女性」などはもしかしたらキーを上げた方がより歌いやすいかもしれません。その辺りは実際に歌唱して、微調整を加えてください。
【まとめ】
①低音~高音まで広い音域が要求される(裏声も必須)
②原キーだと「(ある程度)高音域が得意な女性」などが合いやすそう
③歌メロが速く、息継ぎも大変であるため、その点は注意
④メロディー自体は比較的覚えやすい