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『アルジャーノン』( ヨルシカ ) の 音域

こんにちは。今回はヨルシカの『アルジャーノン』(2023)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。


『アルジャーノン』(ヨルシカ)、Algernon(Yorushika)
『アルジャーノン』(ヨルシカ)の音域






【地声最低音】mid1G(G3) ※登場回数多い

★(貴方はどうして) m1Gm2E[僕に]目]を描いたんだ【Aメロ】


【地声最高音】hiA(A4) ※全体で17回

m2GhiA[貴方[は]どう]して m1G[ぼ]くに心をm2F[くれ]たんでしょう【Aメロ】
m1G[あ]なたはゆっくりと変わってm2G[いく]hiA[て]も小][く]【サビ】
★少しずつ膨らhiAm2G[む]パン]を なm2F[が]めるように


【補足】mid2Fmid2Gを含むフレーズ一覧

★またゆm2F[め]を見てた 裸足m2G[の]ままで【Aメロ~サビ前】
★(長い迷路の) 先m2Fm2G[もお[そ]れないままで【サビ】
★いつm2Fm2G[かと[ても追い付]けない人に出会うのだろうか【Cメロ】

 まず、『アルジャーノン』についてです。この楽曲は、2023年に音楽ユニット・ヨルシカによりリリースされたシングル作品です。フィジカルとしては、4月に音楽画集『幻燈』がリリースされる見込みであり、『アルジャーノン』も収録が見込まれております。。同作品は絵にスマホなどをかざすことで音楽が聴くことができるそうで、「聴ける画集」というコンセプトであります。

 アルバム『幻燈』は『又三郎』(過去記事)『月に吠える』(過去記事)『左右盲』(過去記事)、『老人と海』などの文学作品をモチーフに楽曲が収録される見込みです。今回取り上げる『アルジャーノン』については、おそらくダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』がモチーフになっているのではないかと推測されます。

 さて、『アルジャーノン』はドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』のために書き下ろされました。ドラマの話題性と相まって、『アルジャーノン』はストリーミングランキングでも上位に位置しております。


 『アルジャーノン』は落ち着いたスローなバンド曲です。イントロはなく、いきなりAメロから始まります。歌メロについては、ほぼAメロサビCメロで構成されており、シンプルです。全体的に落ち着いたナンバーであり、歌唱する際は声を張りすぎない方がよいのではないかと私は感じました。作詞作曲編曲はn-bunaさんによりなされております。
 同曲の歌詞は、先述のように小説『アルジャーノンに花束を』がモチーフになっていると考えられております。「パン」や「迷路」といったフレーズはどことなく小説の内容を想起させられます。一方で、歌詞では「ゆっくり」というフレーズが強調されており、人の成長と老いのようなものが描かれているのではないかと私は解釈しました。


 『アルジャーノン』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ女性の音域の範囲内で歌メロが作られております。落ち着いた楽曲ということもありますが、最近のJ-POPの女性曲としては最高音が低く、原曲キーでも歌いやすいという人も多いかもしれません。
 同曲は最低音がmid1Gであり、曲全体で多く登場します。そのため、高音域が得意な女性の場合は、もしかしたらキーを上げた方がマッチしやすいかもしれません。実際に歌唱してみて、各々微調整を加えてください。

 ちなみに、同曲を男性が歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。高音域が非常に得意な人であれば、もしかしたら原曲キーでの歌唱も可能かもしれません。ただ、同曲は全体的に落ち着いた作品であるため、高音域が得意な人でも幾分かキーを下げた方がより歌いやすいと思います。



 最後に『アルジャーノン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1GはAメロやサビ等で登場します。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、「高音域が非常に得意な女性」などはもしかしたら少し歌いにくいかもしれません。そうした場合は、キーを少し上げて歌唱してください。

 次に、地声最高音hiAについては、Aメロやサビで登場します。登場回数は17回程度で、多いです。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、普段全く歌い慣れてない人などはスムーズは発声が損なわれうる音階です。ただ、hiAは女性にとっては比較的克服しやすいですので、少しずつ練習を重ねてください。
 今回のhiAについて、ボーカルのsuisさんは全体的に柔らかな発声で歌われております。そのため、「声をあまり張りすぎない」ことを意識するとより良いのではないかと私は分析しました。


 『アルジャーノン』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。同曲は、音域自体もそこまで広くないため、キー調整の融通は利きやすいです。そのため、キー調整に抵抗が無ければ、ビギナー向けの調整も可能であり、多くの人の練習曲として使いやすそうです。
 今回の『アルジャーノン』はメロディー自体も美しく、また難しいリズムも多くありません。その点でも練習曲としておススメです。

 『アルジャーノン』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#~hiAといった中高音をしっかり歌いこなせる力が求められます。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、ボカロ曲などを歌いこなせるような高音域が非常に得意な女性だと、原キーは逆に歌いにくいかもしれません。そのため、「標準より低め~標準よりやや高めの音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
 先述のように、同曲は音域的には男性にも歌唱可能なレンジです。ただ、楽曲の落ち着いたニュアンスなどを考えると、男性が原曲キーで歌うのは非常に大変だと思います(「高音域が非常に得意な男性」だと可能かも)。


 『アルジャーノン』はゆったりとしたバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。盛り上がる曲とは言い難いですが、メロディーが良く、練習曲にも向きやすいです。個人的には歌詞もアレンジも耳に残りました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. ナナシ より:

    Cメロのあとの落ちサビ?のとこ裏声入ってるように聞こえる気がします…
    普通にウィスパーとかだったらすみません…

    • もりっしー より:

      ナナシさんコメントありがとうございます。
      落ちサビの裏声は私も把握しているのですが、
      基本的なメロが通常のサビとほぼ同じで、
      J-POPでも定番ですので
      【裏声最高音】としては除外しました。

      ナナシさんの仰るように、裏声がしっかり使われております。