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『ナンバーナイン』(米津玄師)の音域と感想

 こんにちは。今回は米津玄師さんの『ナンバーナイン』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。
 なお、『ナンバーナイン』は公式チャンネルなどでMVが公開されておらず、トレーラーのみが公開されております。よって、当ブログでも動画はトレーラー版のみとなります。ご了承ください。


『ナンバーナイン』(米津玄師)、Number Nine(Kenshi Yonezu)

【地声最低音】mid1D(D3)  

[と]おくに見[え]た 東京タ[ワ]
[惑]いも憂いも[化]石になるほど


【地声最高音】mid2G(G4)  

★恥ずかmid2F#[しい]くらい生き[ていた]僕ら[の][こ]えが(サビ)
★誰[もい][ない][未]来の僕ら[の][こ]えが(大サビ)
★い[の][ち]ならば 愛し[て][み]たいんだ


【裏声最高音】hiB(B4) 

★僕らをhiB裏[覚え]hiA[て]mid2G(い)mid2F#[ま]すように



【補足】mid2F#の注意箇所

★僕らは歩んでいくんだきっと 笑[わ]ないでね
※2番終了後のフェイクでhiD,hiC#などが見られます。

『ナンバーナイン』(米津玄師)









 
 まず、『ナンバーナイン』についてです。この楽曲は2016年に米津玄師さんによりリリースされた両A面シングル作品『LOSER / ナンバーナイン』の収録曲です。ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」公式イメージソングとして制作された楽曲です。タイトルの『ナンバーナイン』というのは「9番目の芸術」という意味から来ているのだと思います。

 『ナンバーナイン』の作詞作曲は米津玄師さんが担当していますが、特筆すべき点は共同編曲として、mabanua(マバヌア)さんがクレジットされていることです。mabanuaさんはプロデューサー、ドラマー、シンガーとして活躍されております。近年では藤原さくらさんなどのプロデュースが知られています。個人的に好きな楽曲の一つとして、『Blurred』という楽曲があります。『ナンバーナイン』もこの楽曲と同様に、独特な浮遊感があります。
 




 『ナンバーナイン』の歌詞についてですが、かなり独特な世界観になっております。東京が荒廃し、砂漠化したような世界が描かれています。これは「ルーブル美術館特別展」のイメージソングとも関連しているようです。漫画展ということで、米津さんも敬愛するフランス漫画(バンド・デシネ)の巨匠メビウスさんの作品世界をイメージしているそうです。メビウスさんは大友克洋さん、宮崎駿さんといった漫画やアニメ界の巨匠にも大きな影響を与えています。個人的には砂漠に『風の谷のナウシカ』っぽさを感じます。一方で、どこか穏やかやかな終末観を思わせる点は芦奈野ひとしさんの漫画『ヨコハマ買い出し紀行』などを想起させます。

 一方で、「何千と言葉選んだ末に 何万と立った墓標の上に僕らは歩んでいくんだ」とあるように、必ずしも破滅してゆく未来というわけではなく、そうした荒廃したような未来でも歩んでいくといった思いが感じられます。サウンドやメロディーなどからもポジティブな思いが垣間見えます







 さて、『ナンバーナイン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4) 、【裏声最高音】hiB(B4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内であるといえます。

 ただ一般的な男性の音域とはいえ、楽に歌いこないせるという楽曲ではないと思います。mid2F,mid2Gといった音階を確実に歌えるように、練習を重ねてください。ある程度慣れてくれば、上手く歌いこなせる可能性の高い楽曲であると思います。

 両A面のもう一方である『LOSER』は人気の高い作品ですが、難易度も高いと言えます。その点を考えると、『ナンバーナイン』は比較的努力が報われやすい楽曲ではないでしょうか。また、声が高い方や歌い慣れている方は楽しく歌える楽曲であると思います。

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