なお、『サクラミツツキ』はアーティストおよびレーベルの公式チャンネルではミュージックビデオのショートバージョンが公開されております。よって、当ブログにおいてもその動画を添付いたします。
『サクラミツツキ』(SPYAIR)、Sakura Mitsutsuki(SPYAIR)
【地声最低音】mid1D#(D#3) ※Aメロで頻出
★m1D#[は]る[の]夜 [一人]だっ[た]【Aメロ】
★m1D#[モノ]クロの[空] [ため]いきが [消え]て[く]
【地声最高音】mid2G#(G#4) ※曲全体で2~3回
★そm2F[れ]でm2G[も] まm2G#–G–F[だ]追][い][か]け][てる]【Cメロ】
★はm2F[ん]m2G[ぶ][んを]さがm2G#[し]G[て]【ラストサビ】
※サビを中心にmid2Gが頻出
【補足】mid2F~mid2Gを含むフレーズ一覧
★(ただ見つめてさ) m2D#[ずっと]待[ってい]た[んだ]m2F[ぁぁ]【Aメロ】
★ぼm2F[くら]m2G[は] ぼ[くら]G[は] あ[の]G[欠][け]たつ[き]の【サビ】
★m2D#[は]m2F[ん]m2G{ぶ]F[んを]さD#[が]F[し]G[て]
★m2D#[う]つ[り 変わる]ま[ち]m2F[な][み] [僕ら急]か[す]よう【Cメロ】
★キミは今どこでm2F[な]にm2G[をし]F[て]るの?
★それなりの暮らし そm2F[れ]なりの幸せ
まず、『サクラミツツキ』についてです。この楽曲は、2013年に4人組ロックバンドSPYAIR(スパイエアー)によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同年にリリースされた『MILLION』(ミリオン)に収められました。同アルバムには、『虹』、『現状ディストラクション』といったシングル曲も収められております。
『サクラミツツキ』は、空知英秋さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『銀魂’』(ぎんたま)のために書き下ろされました。SPYAIRは『サムライハート(Some Like It Hot!!)』(過去記事)以来の『銀魂』の主題歌であります。この年には、『現状ディストラクション』も銀魂の映画主題歌となっており、いずれも日本レコード協会でゴールド認定(10万ダウンロード)されております。『サクラミツツキ』はSpotifyなどのストリーミングでも人気曲として上位に位置しており、SPYAIRの中でも特に人気の高い楽曲の1つであるといえます。
ちなみに、『サクラミツツキ』という珍しいタイトルですが、「桜(サクラ)」と「満月」を合わせた造語だそうです(引用元)。満月を訓読みすると、ミツツキとも読めます。
『サクラミツツキ』はアップテンポのバンドナンバーです。歌メロはAメロサビCメロといった形で作られております。「静」のAメロ、「動」のサビCメロといった印象です。ちなみに、ギターはイントロなどでタッピング奏法(ライトハンド)が用いられており、ミュージックビデオなどでも確認できます。
タッピング奏法(ウィキペディア)は、戦前より使われていたギターの奏法です。とりわけ、米国のロックバンド・ヴァン・ヘイレンのギタリストであるエドワード・ヴァン・ヘイレンがその普及に大きく貢献しました。エドワード・ヴァン・ヘイレン氏は、昨年亡くなっており、その際はSNSなどでも大きく話題になりました。NHKのニュースなどでも報道されたのを私も記憶しております。
『サクラミツツキ』の声域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の声域よりもやや高めに作られております。地声最高音であるmid2G#の回数そこまで多くないですが、mid2Gがサビで頻出します。一般的にはキーを少し下げた方が歌いやすいのではないかと思います。
ちなみに、低音域では、Aメロの場面でmid1D#やmid1Eが多く登場しますので、女性が歌唱する際は原曲キーだと非常につらいのではないかと想像されます。一般的な女性の場合は、キーを上げた方が歌いやすいです。
最後に『サクラミツツキ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男背の音域よりもやや高い(もしくは「高め」)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1D#についてですが、Aメロで登場します。上の音域表記でもわかりますが、最低音の登場回数が非常に多いです。また、表記はしておりませんが、mid1E辺りも登場します。そのため、一般的な男性の声域でありますが、低音域が苦手な男性などはやや歌いにくいかもしれません。
また、mid1D#辺りが頻出するということで、女性の場合は、原曲キーでの歌唱がかなり難しくなります。一般的な女性の場合は、キーを上げた方が歌いやすいです。
※J-POPの女性曲の場合は、mid1D#が登場するものもあります。ただ、通常はmid1D#などは登場回数は少なく、今回のように、1つのフレーズで3~4回も登場する曲というのは、私自身は記憶にありません。
次に、地声最高音mid2G#については、Cメロやラストサビで登場します。登場回数は2~3回程度で多くはありませんが、曲の最高潮の場面で登場します。また、最高音に次ぐ高音階として、mid2Gがサビで頻出します。よって、一般的な男性の場合は、少し下げた方が歌いやすいと私は判断しました。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『サクラミツツキ』は低音部分に若干の余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに合わせることも可能だと思います。
ただ、先にも述べたように、同曲の低音はmid1D#が非常に多く登場します。よって、「キーを下げる余地はそこまでない」と私は考えております。その点で、ビギナーにはやや取っつきにくい作品ともいえるかもしれません。個人的には非常に好きな作品ですが、ビギナーの練習曲としてのお奨め度としてはそこまで高くないです。
キーを下げて練習する際、低音域が歌いにくいと感じた場合は、「Aメロはミスしてもよいので、サビを頑張る」というように、場面ごとに強弱をつけて練習してください。
『サクラミツツキ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#~mid2G#辺りの中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。サビで繰り返される【ぼm2F[くら]m2G[は] ぼ[くら]G[は] あ[の]G[欠][け]たつ[き]の】などに代表されるように、mid2D#~mid2Gがサビで超頻出です。1曲を通して、中高音域がしっかり歌いこなせるかどうかが試されます。
よって、原曲キーの場合は、高音域がある程度得意な男性向けだといえます。ただ、以前当ブログで取り上げた『サムライハート(Some Like It Hot!!)』(過去記事)と比べると、①Aメロが低く、②hiA#などが登場しない分、『サクラミツツキ』の方がチャレンジしやすいと言えます。
『サクラミツツキ』はアップテンポのバンドナンバーであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。また、最高音が滅茶苦茶に高いわけでもなく、キー調整を加えるとより歌唱しやすくなります(原曲キーで歌える人もいると思います)。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。