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『燈』(崎山蒼志)の音域 / 『呪術廻戦』2期ED曲

 こんにちは。今回は崎山蒼志さんの『燈』(2,023)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。当ブログで以前取り上げた崎山さんの楽曲『Undulation』(過去記事)と比べ、歌い方に変化があったので取り上げてみようと感じました。


『燈』(崎山蒼志)、Akari(Soushi Sakiyama)
『燈』(崎山蒼志)の音域






【地声最低音】mid1A(A2) 

★僕の善意m1F[が] m1C[こ]m1EF[れ]て] C[ゆ]く前m1F[に]【Aメロ】
★それまでだってわm1C1A#m1A[かっ[て[も]【Bメロ】


【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で2回程度

★赤hiA裏m2GF[ら]め]た]顔ま[たm2G地[見]せて]【サビ】


【裏声最高音】hiA(A4) ※サビやラストサビで登場

★きおhiAm2GF[く]に]住]む僕だ[け目G裏hiA[覚[める]【ラストサビ】

※2番サビ終了後のフェイクは一番高いところがhiA#

【補足】mid2F辺りを含むフレーズ一覧

m2Fm2Em2D[ぼ]く]の]善意が 壊れてゆく前に【Aメロ】
m2F地[何]処にでもあるようなものが [こ]こにしかないことに気づく【サビ】
★孤独under crying×3 孤独 un[der]m2D m2F[cry]ing【アウトロ】

※☆のm2Fは楽曲の盛り上がりに従い、地声感が強くなる

 まず、『燈』(あかり)についてです。この楽曲は、2023年に男性シンガーソングライターの崎山蒼志さんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとしてリリースされたのち、CDシングルとしても発表されます。同曲は、8月に発売予定のフルアルバム『i 触れる SAD UFO』に収録が見込まれております。

 さて、『燈』は芥見下々さんの漫画を原作としたテレビアニメ『呪術廻戦「懐玉・玉折」』のエンディングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、同曲は崎山さんのYouTube公式チャンネルでは公開されているミュージックビデオが既に300万回を超える再生回数を記録しております。また、ストリーミングランキングなどでも上位に位置しております。


 『燈』はミドルテンポのバンド曲です。エンディングテーマということもあり、しっとりした印象があります。歌メロはAメロBメロサビと展開します。メロは全体的に親しみやすく、音域が合うのであれば、カラオケなどでも歌いやすいのではないかと思います(歌いこなすには練習が必要ですが)。崎山さんは歌詞の良さが光る歌手でもありますが、私自身今回もそれを再確認させられました。

 『燈』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。そのため、標準的な音域の男性は原曲キーでも歌唱可能なのではないかと推測されます(歌い慣れている場合)。
 同曲は地声最高音がmid2Gであり、高音域は大体mid2F辺りがしっかり歌えると形になりやすいと私は推測しました。一方、要所で裏声が使われているため、器用な裏声発声は不可欠です。低音域は、mid1Aなど低い場面もありますが、全体的にmid1F辺りが多いです。低音~高音まで広いレンジが要求されます。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。ただ、女性の場合、大きなキー調整が必要になるのではないかと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから6つ程度上げてみてください。音域が広い作品であるため、キー調整をしても難しいという人もおられるかもしれません。



 最後に『燈』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1AはBメロで登場します。今回は全体でみるとmid1F辺りが多いです。そこまで低音が辛いというわけではないですが、安定した中低音域の歌唱が求められます。高音域が得意な男性などはキーを上げた方が歌いやすいのではないかと思います。

 次に、地声最高音mid2Gはサビで登場します。登場回数は2回程度です。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回はサビでは裏声も多く利用されておりますので、高音域が苦手な男性などは「裏声mid2G」で歌唱するのもよいと思います。大体、地声でmid2F辺りが安定して歌えると形になりやすいのではないかと推測されます。


 『燈』は低音域が低く、キーを下げる余地があまり多くありません。ただ、今回は地声高音がそこまで高くないのでキーを下げなくてもよい人も多いかもしれません。逆に、高音域は余地があり、キー上げには向きやすいです。ただ、やはり音域が広い作品であるため、一般的には練習曲には使いにくいのではないかと私は推測しました。ビギナーなどの練習曲にも向きにくいと推定しております。
 同曲はメロディー自体は親しみやすい作品です。そのため、音域は広いものの、自分の得意レンジとマッチしているのであれば練習曲にはおススメと思います。

 『燈』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2F(mid2G)辺りの地声高音をしっかり歌いこなせる力が求められます。また、要所で裏声が用いられているため、器用な裏声発声は不可欠です(高音域が得意な人は地声でも良いかも)。また、低音パートもそれなりに多く、低音~高音まで広く求められます。
 こうしたことを踏まえると、「標準よりやや低め~標準より高めの音域の男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。高音域が得意な男性だと、キーを上げた方がより歌いやすいのではないかと思います。


 『燈』はしっとりしたバンド曲です。低音~高音まで不可欠な作品ですが、標準的な音域の男性にマッチしやすいといえます。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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