『Wish Song』( Liella! ) の 音域

　まず、『Wish Song』（ウィッシュ・ソング）についてです。この楽曲は、『ラブライブ!スーパースター!!』の劇中に登場するアイドルグループLiella!（リエラ）によりリリースされたシングル作品です。『常夏☆サンシャイン』との両A面のCDシングルとしてリリースされました。
　『Wish Song』はテレビアニメ『ラブライブ！スーパースター!!』第1期第8話挿入歌として放送されました。そうしたこともあり、思い入れの強いファンも多いのではないかと思います。


　『Wish Song』はアップテンポのポップナンバーです。全体として親しみやすいメロディーであり、AメロBメロサビと展開します。ただ、イントロからAメロで転調が行われており、またBメロの後半など一部音程が取りにくそうな場面もあります。原曲をしっかり聞き込んでおきたいところです。
　同曲の作詞は宮嶋淳子さん、作曲はフワリさん、編曲は兼松衆さんによりなされました。兼松さんはLiella!の作品にも多く関わっておられます。ただ、アニメ関連だけでなく、CMソング、テレビドラマや映画の劇伴などでも幅広い仕事をなさっております。

　『Wish Song』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては高めの音域で歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的な女性はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は、全体でみるとhiA,hiBといった中高音域が多いです。そのため、標準的な女性だと体力的に少ししんどくなりやすいかもしれません。逆に「ある程度高音域が得意な女性」だと得意なレンジで勝負しやすいです。

　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。音域だけを見ると高音域が非常に得意な男性だとマッチしそうですが、原曲のようなニュアンスで表現する場合、やはりキーを下げた方がよいです。こういうクリアで可愛らしい声質の作品は、男性が原曲キーで歌うのはかなりハードルが高いと私自身も感じることが多いです。


　最後に『Wish Song』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiD(D5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、やや高め～高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiDはサビで登場します。登場回数は各サビ1回ずつ、計3回です。このhiD辺りは女性の音域としてはやや高く、人によっては発声が難しいです。一般的な女性の場合、少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと推測されます。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『Wish Song』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができそうです。一方で、同曲は音域自体がそれなりに広いため、ビギナーにとっては難しい部分が出てくるかもしれません。キー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
　同曲はメロディー自体は非常に親しみやすく、音域がマッチするのであれば練習曲としてもよいのではないかと思います。ただ、もしかしたらBメロ等は一部息継ぎにしくいかもしれません。

　『Wish Song』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiDといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。とりわけ、今回はhiA～hiB辺りの登場回数が多いです。こうしたことを踏まえると、「標準より高め～ある程度高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいのではないかと私は判断しました。


　『Wish Song』は歌メロが滅茶苦茶に速いということもなく、カラオケなどでも歌いやすいと思います。最近は、多人数アイドルの曲は息継ぎが非常に大変なことが多いですが、今回については一部を除き、息継ぎする余地もあるのではないかと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。