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『葵橋』(さユり)の音域 /『イエスタデイをうたって』EDテーマ

こんにちは。今回はさユりさんの『葵橋』(2020)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、『葵橋』は、アーティストおよびレーベルの公式チャンネルでMVや音源が公開されておりません。よって、当ブログにおいても、添付動画はありません。


『葵橋』(さユり)、Aoibashi(Sayuri)
『葵橋』(さユり)の音域






【地声最低音】mid1G(G3) 

★新宿駅のm1G[西]陽差すホー[ム] m1G[ひ]とり【Aメロ】
★はくm2G[せ]んの内側 立って1G[いた]
★(一瞬なにか思い出したような)m1G[気がし][が] [通過列][が さえ]ぎっ[た]


【地声最高音】hiC(C5)  ※曲全体で10回弱

★僕らは季節をたhiA[が]hiBhiC地[や[し]つ][ける][ぅ]B【サビ】

hiA[意]味やゆA[くえ]hiB[は]hiC地[ぼ]B[く]には、分からないけれど【2番Bメロ】
★それはまるで ほhiB[うせき]hiC地[み]B[た]いな×3 花【ラスト】


【裏声最高音】hiE(E5) ※サビを中心に登場

hiE裏[ぼ]hiD[く]らはE[き][せ]つを耕し続ける【サビ】
hiB[赤]hiD裏[青][どれほど]hiE[き][れ]hiC[い][だっ]C[た]B地[の]でしょう?

【補足】hiAhiBを含むフレーズ一覧

★言m2G[えなかっ]たはhiB[な]hiA[し]m2G[が]ぁA[あ][る]【Bメロ】
★そm2G[して繰]hiB裏[り]G[か]A[え][した] 同じあい[さ]つを[ぉ]


 まず、『葵橋』(あおいばし)についてです。この楽曲は、2020年に女性シンガーソングライターのさユりさんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであります。フィジカルの作品としては、ライブ会場限定のCD『あたしとかみさま』に弾き語りバージョンが収録されております。アルバムとしては、2021年9月現在、未収録であります。
 『葵橋』は冬目景(とうめけい)さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『イエスタデイをうたって』のエンディングテーマとして書き下ろされました。同作は1998年から2015年まで連載され、コミックスの累計発行部数は140万部を突破しております。連載終了から5年後にアニメ化されました。

 楽曲のタイトル『葵橋』は大正時代に新宿駅の隣にあった路面電車の葵橋駅から来ております。『イエスタデイをうたって』には「葵橋」が関連した作品ではないのですが、新宿近郊は、さユりさん自身がデビュー前に路上ライブなどを頻繁に行っていた場所であります。さユりさん自身は、「何気ない日常の曲で、普段はささやかすぎて通り過ぎてしまう日常」を歌った作品だそうです(barksより引用)。そうしたこともあり、当時のさユりさんの日常から歌詞が創作されているのではないかと私は考えております。
 私は地理や地誌が好きなのですが、今は存在しない「葵橋」をタイトルとした点が非常に面白いと思いました。さユりさん自身は、同曲で「目の前にある景色と、目には見えない過去や記憶その両方」を描いたそうです。


 さて、『葵橋』はシンセサイザーやアコースティックギターを基調とした打ち込みのポップナンバーです。当ブログで過去に取り上げたさユりさんの作品は、ロックナンバーなどが多かったですが、それらと比べると、全体として柔らかさや優しさ目立ちます。作詞作曲はさユりさん、編曲は江口亮さんによりなされております。江口さんは、いきものがかりや、LiSAさんなどの編曲で知られております。さユりさんの作品では、『月と花束』(過去記事)などに携わっております。

 『葵橋』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ一般的な女性の声域の範囲内で歌メロが作られております。私なりのイメージですが、さユりさんの他の人気曲などと比較すると、やや低音寄りになっており、その分アプローチしやすいのではないかと思います。ただ、同曲ではサビを中心に裏声が多用されており、その分、器用な発声が求められます。キー下げは可能ですが、意外と余地は少ないのではないかと私は分析しました。


 最後に『葵橋』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の声域の範囲内であります。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Gについては、Aメロで多く登場します。これまで当ブログではさユりさんの人気曲をいくつか取り上げてまいりました。他の人気曲に関しては、低音については、ある程度余裕がありました。しかし、『葵橋』では、mid1Gが何度も連続して登場し、他の作品に比べて低音感があります。mid1G辺りは一般的な女性の声域の範囲内でありますが、回数が増えると、発声しづらくなる人もおられると思います。高音域が得意な方は少しキーを上げてもよいかもしれません。

 一方、地声最高音hiCについては、サビやラストなどで登場します。曲全体で9回程度ですが、ほとんどはラストの【それはまるで ほhiB[うせき]hiC地[み]B[た]いな× 花】の場面で登場します。そのため、ラストがややしんどいですが、全体でみると、そこまで高音域は高くありません。
 同曲は、さユりさんの他の作品と比べると、裏声が多く用いられ、地声の高音は抑え気味になっております。曲調なども穏やかですので、その分、丁寧で柔らかい歌唱が求められます。
 よって、歌い慣れた人などは原曲キーでも合いやすいです。ただ、高音が苦手な方、歌い慣れていない方はなどは少しキーを下げてもよいです(ただし、下げすぎると、低音がやや辛くなるかもです)。

 『葵橋』は低音に若干の余裕があるため、キー調整は少しであれば可能であります。ただ、先にも述べたように、mid1Gが多く登場しますので、低音が苦手な方はAメロなどがしんどく感じられるかもしれません。キー調整などを行っても難しいと感じた場合は、他の易しめの曲と並行して、練習してください。

 『葵橋』はさユりさんの他のシングル曲と比較すると、地声の高音域が少し抑え気味であり、低音が重視されております。また裏声が多用されているため、音域が広めです。個人差はあると思いますが、歌い慣れた人の場合は、同曲は比較的アプローチしやすいのではないかと思います(女性の場合)。さユりさんの他の楽曲が難しくても、この曲は歌えるという人もいるかもしれません。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. ぴたっくま より:

    この曲一般女性の範囲内なんですね、裏声がかなり使われてるので難しいと思いましたが

    • もりっしー より:

      ぴたっくまさん、コメントありがとうございます。

      記事の終盤に「比較的アプローチしやすいのではないかと思います(女性の場合)」
      と書きました。
      なぜ女性に限定したのかというと、
      男性の場合は、もしかしたら他のロック色のある人気曲の方が
      声質的に合いやすいのではないか考えたからです(当然難しいですが)。

      一方、『葵橋』はさユりさんの発声が少し柔らかですので、
      その分、男性は微妙な声の調整が難しいのではないかと感じたのです。
      なので、性差により難易度の差が出やすい曲かもしれないと私は分析してます。

      • ぴたっくま より:

        男の方が裏声混じらせると違和感ありますからね
        つくづく歌は女性の方が有利だなって思います笑

        • もりっしー より:

          さユりさんは比較的分かりやすいですが、
          女性は裏声と地声の差があまり無いですよね。