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『雲と幽霊』(ヨルシカ)の音域と感想

こんにちは。今回はヨルシカの『雲と幽霊』(2017)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『雲と幽霊』(ヨルシカ)、Kumo to Yuurei(Yorushika)


『雲と幽霊』(ヨルシカ)








【地声最低音】mid1E(E3) 

★幽霊にmid2F#[なった]僕は、[明日]遠くの君を見に行くんだ  
[きっと]君には言えない


【地声最高音】hiB(B4)  ※ラストのサビのみ(通常サビはhiA)

★雲が遠いhiA[ね] hiB[ね][ぇ]


【補足】通常サビ等、その他の注意点

★君と座っhiA[て]mid2G#[ー][ー] (通常サビ)
★バス停見mid2F#”[上げ]た空が

まず、『雲と幽霊』についてです。この楽曲は、2017年にヨルシカによりリリースされたミニアルバム『夏草が邪魔をする』に収録されている楽曲です。『雲と幽霊』はこのアルバムのフィナーレを飾る重要なナンバーとなっております。ちなみに、ユニット名の「ヨルシカ」はこの楽曲で登場する「夜しかもう眠れずに」というフレーズが由来となっております。
 『雲と幽霊』はヨルシカのYoutube公式チャンネルでMVが公開されており、2019年6月現在、およそ950万回の再生回数を記録しております。

 『雲と幽霊』のサウンドについてです。アンニュイさを想起させるギターの音色が心地よいです。間奏、およびサビで流れる音が印象的です。また、所々、目覚まし時計のベルの音、水の落ちる音などがサンプリングされております。リスナーをどこか不思議な世界観にいざなうようです。
 メロディーについてもどこかアンニュイさを想起させます。一般的な女性の音域よりやや低いゾーンでメロディーラインが展開されます。サビも気だるさや浮遊感が想起されます。

 歌詞についてですが、タイトルにあるように「死んでしまった僕」から見た世界が描かれていると思います。この楽曲単体で見ると、「「幽霊」というのは比喩で、僕自身は死んでない」という見方もできると思います。しかし、同じアルバムに収録されている楽曲『言って。』でも「僕の死」が描写されているので、やはり僕は「この世にはいない」のだと思います。
 歌詞の中では、「君」に対する未練が描かれていますが、「だからさ、君もさ、もういいんだよ」というラストのサビのフレーズにあるように諦観(ていかん)の念が見て取れます。そうした中で、やはり思いを完全には捨てきれずにいるのだと思います。楽曲のラストで「遠くの君を見に行くんだ(中略)きっと君には見えない」が切なさを誘います。



 さて、 『雲と幽霊』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiB(B4) でメロディーが構成されています。一般的な女性の音域の範囲内ですが、やや低い音階も登場します。

 まず、【補足】の部分でも示しましたが、mid2F#やmid2G#などが色分けされています。高い音階はほとんど登場しません。場合によっては男性が歌うことも可能なキーだといえます。

 サビのフレーズについてですが、通常のサビの最高音はhiAで、ラストサビでのみhiBが登場します。そうしたことから、『雲と幽霊』は普段あまり歌い慣れてない女性であってもチャレンジしやすい楽曲であると思います。
 ボーカルの特徴として、どこか物悲しげで、気だるさを持っています。あまり声を張らずに、少し抑え気味に歌った方が雰囲気が出ると思います。

 先にも述べましたが、地声の最高音がラスサビのhiBで1音のみですので、あまり歌い慣れていない人であってもチャレンジしやすいと思います。努力が報われやすい楽曲です。
 当ブログがこれまで取り上げたヨルシカの作品でも特に手を付けやすい作品の一つではないでしょうか。

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